薬屋のひとりごと
第35話 狩り
3月21日(金)放送分
人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二宮飛鳥役などで知られる新人声優の青木志貴さん。自身を「ボク」と呼ぶ“ボクっ娘”で、“魔王”のニックネームで「League of Legends」などのオンラインゲームをがっつりやり込むコアゲーマーという異色の経歴も併せ持つ青木さんが、その独自の視点で自身の歩みやさまざまな思いを語ります。
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春がきたー!と思っていたら、もう既に夏のような気温の日が続きますね。年々春が短くなっているような気がします。夏の暑さが苦手なボクは、いつも以上に引きこもりになるんだろうなぁ(笑い)。
皆さんは生きていく中で、これがあるから頑張れる!とか、このために生きているといっても過言ではない!といった存在ってありますか? ボクにとっての生きがいは、一緒に暮らしているにゃんこたちの存在です。
今、わが家はボクと「ゆん」と「どらごん」の3人(?)暮らし。もちろん今は自分のやりたい仕事ができていて、そういった意味では本当にありがたいなぁと感じているのですが、やりたいことをやっていても、失敗したり、落ち込んだりするときがあります。わがままですが、つらいときはもう辞めたいと思ったりすることもありました。
そんなときでも、生きていくために頑張らなきゃ、もっと仕事を頑張らなきゃと自分を奮い立たせてくれて支えてくれる存在がゆんとどらごんの2匹です。この子たちのために自分が生きているといってもよいくらい、溺愛しております(親バカ過ぎて引かれるほどに)。
ゆんはラガマフィンという種類の猫です。今の家に引っ越してくる前、ボクは女性と2人で暮らしていました。そのころも「よる」という名前のアメリカンカールの猫を飼っていたのですが、友人と別々に暮らすことになったときに激しい親権争い(?)が起きまして……。その末に、よるちゃんは友人が引き取ることになったんです。
そしてボクは今の家に引っ越してきたのですが、元々動物大好き、猫大好きのボクは、にゃんこのいない生活が寂し過ぎてどうしようもありませんでした。
生活的にも一人暮らしで余裕があるわけではありませんでしたが、どうしてもにゃんことまた暮らしたくていろいろなお店を回りました。でもなかなかこの子だ!!とピンとくる子に出会えなくて、最後に閉店ギリギリのペットショップに駆け込んだところ、ゆんに出会いました。一目ぼれして、その日のうちに連れて帰ってきたんです。
にゃんこはどんな子でももちろん可愛いのですが、特にボクは小さいころから長毛でふわふわの、顔の焦げた猫(シールポイントと呼ばれるカラーの猫)に憧れていたので、本当に運命の出会いというか、ゆんがその憧れにぴったりだったんです。
それからゆんとの2人暮らしが始まったわけですが、ゆんは僕がゲームしてるとわざと画面の前に座ったり、格ゲーのアケコンの上に座ったり……。とにかく構ってちゃんで甘えん坊で可愛い!! 人間にされたらこれはブチギレてるだろうなぁっていうイタズラや悪さも、ゆんなら許せてしまうんですよね。
そしてもう1匹。どらごんとの出会いは特殊でした(笑い)。
2015年の2月です。家の外からずーっとぴーぴーぴーぴーと子猫の鳴き声が聞こえていて、どうしたのかなー、捨て猫かなぁとちょっと心配になったボク。マンションの裏道の方から聞こえてきたので見に行こうと思ったのですが、裏道はマンションの管理人さんしか入れないように鍵がかかっていて鳴き声のする方に探しに行けなかったんです。他にも近所をうろうろしてみたのですが、鳴き声の主は見つからず……。しばらくして鳴き声が聞こえなくなったので、どこかに行っちゃったのかなあとその日は部屋に戻りました。
そして翌日の夜、また同じようにぴーぴー鳴き声が聞こえてきたんです。天気予報では明日は雪の予報だったので、子猫で弱ってたら死んじゃうかもしれない……と思って鳴き声のするバルコニーの方へ行き、カーテンを開けてみたところ……。なんと、わが家のバルコニーにその子猫はいたんです!
パッと目が合った瞬間、すごい勢いで鳴きわめきながらうちの部屋の窓をカリカリ引っかいてきて……。あー、おなかすいてるのかなあと思い、急いでゆんのご飯をちょびっとだけ拝借して窓の隙間(すきま)からあげてみたらものすごい勢いで完食。しかも「まだくれ! 部屋に入れろ!」と言わんばかり窓から手を突っ込んできて離れようとしなかったんです。明日雪なら死んじゃうかもしれないし、これは保護するしかないなあと。
とにかく初対面から人懐っこくて、犬みたいにすりすりゴロゴロ言う子だったので、「これは多分人に飼われてたけど逃げ出しちゃった子だろうなあ」と思い、次の日に病院へ連れて行き、マイクロチップの検査や迷い猫の情報などを聞いてみたりしたのですが、マイクロチップもなく、おなかには寄生虫もいたため、お医者さんが「飼い猫じゃなくて普通に野良で産まれた子で親とはぐれたんでしょうね。飼い猫だったら寄生虫はいないと思いますし」とのことで……。既にわが家にはゆんもいるし、仲良くできなかったらかわいそうだなあと、とても悩んだのですが、あまりにも人懐っこく、まだとても小さかったので、青木家に迎えることにしたんです。
そんな経緯でうちにきたどらごん。やはり不安的中で、最初はゆんとけんかばかりでした。ゆんも甘えん坊のわがままおぼっちゃまなので(笑い)。どらごんがわが家にきてすぐ、ご飯も全く食べなくなり、お水も飲まず、ベッドから全く動かなくなり……。重い病気なんじゃないかと慌ててたくさんの検査をしたのですが原因は分からず、死んじゃうんじゃないかと思って大泣きしていたのですが、翌日にはケロッとしていて。
結局新入り猫からくるストレスやヤキモチで、先住猫はそういうふうになったりすることが多いらしく安心しましたが、当時は本当に怖かったのを覚えています。
今では2匹も慣れてきて(いまだにシャーシャーやりあってるときもありますが……)、ボクが寝るときは2匹一緒に寝てくれたりします。特にどらごんは犬かと思うくらいの人間好きなので、毎日一緒の布団で寝てます!
ゆんと暮らし始めてもう5年、どらごんは2年たちました。もうそんなにたつのかー!と思うほどあっという間の毎日ですが、行ってきますのお見送りや、帰ってきたときのお迎えで廊下まで来てくれる2匹を見ると、本当に幸せな気持ちになりますね。お前たちがいるからご主人はがんばれるんだよ!!って、毎日毎日言いながらただいまーってしています(笑い)。
この2匹がいない生活なんて考えられない。いつか別れの時は来てしまうけど、そのときボクもショックで死んでしまうんじゃないかって、自分でも依存している自覚はあります。
ゆんとどらごんは、誰よりも近い存在にいる大切な家族。本当に本当に、ボクにとってはこの世でいちばん大切で大きな存在です。一緒にいてくれて、支えてくれていることに感謝しながら、これからも“3人暮らし”を楽しんでいきたいなあと思います!
ゆんちゃん、どらごん、元気で長生きしておくれ!
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