SNSでの出会いを通じて結婚した日本人男性と台湾人女性の実話を映画化した「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」(谷内田彰久監督)が公開中だ。32万人以上のファンを持つFacebookページをブログにまとめ、後に書籍化(新潮社)したものを今回、谷内田監督が出会いの部分をフィーチャーして映画化。俳優の中野裕太さんが日本人男性のモギを演じている。台湾人女性のリンを演じた“台湾のカトパン”との呼び声も高い人気女優ジエン・マンシューさんに来日した際、話を聞いた。
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映画は、日本のドラマやアニメが大好きで、大学では日本語を専攻している台湾の女性リンのFacebookに、モギという名の日本人男性からメッセージが届く。モギは、震災の復興支援で日本に多大な支援をしてくれた台湾に興味を抱き、リンにメッセージを送った。これをきっかけにFacebook上で交流を始めた2人の仲は、急速に縮まっていくが、そこにはママという障壁があった……という展開。ドラマ「拝啓、民泊様」を手がけた谷内田監督がメガホンをとった。
――今作への出演が決まったとき、どう思いましたか。
実はこの映画のお話をいただくまでは、リンちゃんとモギさんのラブストーリーを全然知らなかったんです。決まってからリンちゃんに会って、リンちゃんがそのときに中国語版の本を私にくれました。そこで具体的な内容を知りました。もちろん、私も日本が大好きでしたし、リンちゃんの役を演じられることはとても光栄だと思いました。
――日本が大好きということですが、どういうところが好きですか。
日本の風景などが好きです。日本の文化にも興味があって、特に伝統的な文化が好きなんです。以前、「わび・さび」に関する本を読んだことがありました。そこには「わび・さび」の精神は茶道から始まったと書いてありました。日本人の美的感覚は「わび・さび」の精神から始まったというようなことが書いてありまして、大変興味を持ちました。日本人は、外見的なことはあまり気にしないけれども、精神世界を尊重するというところに日本人の本当の心を知ることができ、とても興味を持っておりました。日本のテレビドラマや映画もたくさん見ていますし、日本人の生活スタイルや価値観に私はとても引かれます。
――具体的にどういったドラマや映画を見てきましたか。
日本のものはいろいろ見ていて、特にジャンルを決めて見ているわけではないのですが、特に有名な日本のアニメはなんでも見ています。コメディーもラブストーリーもいろいろ見ます。(スタジオジブリの劇場版アニメ)「千と千尋の神隠し」や「風立ちぬ」もとても好きですね。「となりのトトロ」も。
――“台湾のカトパン”といわれていますが、カトパン(元フジテレビアナウンサーの加藤綾子さん)はご存じでしたか。
加藤さんのことは知らなかったけれど、最近そう言われて、ああそうなのかなと思ったんです。いままで日本人のいろんな人に似ているといわれました。綾瀬はるかさん、北川景子さん、宮崎あおいさん、菅野美穂さんらに似ていると言われたこともあります。
香港に旅行に行くと「日本人でしょ」と言われたりしました。日本に行ったときに日本人に道を聞かれたりしたこともあります。たぶん私のファッションや顔立ちが日本人に似ているから、そう言われるんじゃないでしょうか。
――今回、リンちゃんを演じるにあたって気を付けたことは?
ご本人は個性的で活発な女性ですけれど、私はおとなしめで割と内向的なんですよね。でも、リンちゃんに会ったときに私が感じた彼女がいっぱい持っている情熱をなんとか演技で表現したいと思いました。リンちゃんの心の世界は脚本で描かれると思うので、私はリンちゃんの動作とか身体表現を工夫してリンちゃんを表現しようとしました。動きとか声の出し方とかそういうことに気を配りましたね。
――具体的にはどんなふうに?
せりふについては、リンちゃん本人は割とぶっきらぼうな敬語なしの日本語なんですね。そういうふうに工夫して、中国語でもせりふはそういう雰囲気で話しましたし、声も大きめに出しました。動作はリンちゃんだったらどう動くか想像したんですが、例えばテーブルの上にいろんなものが載っていたとします。そこをリンちゃんが通ったら多分、リンちゃんはいろんなものをバタバタと落としてなんにも気にせずに通っていくタイプなんじゃないかなと思ったので、そういうふうに演じました。
――リンちゃんのように日本人の男性と結婚することは想像できますか。
うーん。多分出会いがあればそういうことになるかもしれませんけれども、その日が来るまでに日本語をまずちゃんとしゃべれないとだめですね。ちゃんと勉強しなくては。
――リンちゃんは日本人と結婚すると言ったときに周囲から「日本人男性は亭主関白だから大変だよ」と言われたそうですが、ジエンさんの日本人男性のイメージは?
多分、亭主関白で大変じゃないかというイメージは、日本のドラマや映画から来ているんじゃないかと思います。そしてインターネットなどでも議論するサイトとかあって、日本人と結婚した女性は朝ごはん作って旦那さまを仕事に出して、夜は夕飯を作って待っていなければいけない。そういうふうに家庭の主婦をちゃんとやらなければいけない、というのがネット上で行き交っているので、そんな印象を持たれているのではないでしょうか。
台湾人はそこまで夫に仕えるという雰囲気ではなくて、割と女性が強気ですね。強気は一種の愛の表現だと思います。そして、夫に対して独占欲が強い。「あなたは私のものよ、だから私の言うことを聞いてね」というように考えるわけですね。そして外で買い物をしたら荷物は必ず旦那さんが持つ。日本って私が見たところ、あまり旦那さんが持っていないと思うんですけれど。
あともう一つ、亭主関白と台湾人が感じるのは、日本は結婚して女性の方が男性の姓に変わりますよね。だから男性に従うというイメージが強いんだと思います。でもリンちゃんは、モギさんの奥さんをエンジョイしていると思うんですよね。自分がモギという姓になることも。誰かを好きになったら、どういうふうにしたら2人が一番楽しいのか考えて行動すれば、形式はどうでもいいんじゃないかなと思います。
――ジェンさんの男性のタイプは?
外見、ルックスはそんなにこだわらないです。ものすごくハンサムでなくてもいいんですけれど、一生添い遂げるつもりでいるのである程度、一生一緒にいて耐えられるルックスでいてほしいとは思います(笑い)。
例えば体形や雰囲気からいうとオダギリジョーさんのような方がよくって、あまり筋肉マンじゃない方がうれしいです。筋肉ムキムキの方は耐えられない(笑い)。ビール腹は許せます。でもあまり肉がついてない方がうれしいです(笑い)。おなかは許せますけれど。
性格としては優しい、いい人であることが前提で、自分をちゃんと反省できる人。人に対して優しいこと。やはり2人で生きていくには、2人にふさわしい関係を自分で新たに作れるような人がいいと思います。
――相手役の中野さんとの現場での雰囲気は?
今回、ご一緒させていただいて発見した面白い点があるんですが、台湾でロケしているときは中野さんは日本人っぽくないんです。典型的な日本人とはちょっと違う、すごく明るくて活発な感じだったんです。日本で撮影しているときの中野さんは、ちょっと厳し目の日本人に戻ったという気がしました。日本人の上着を羽織った感じがしたんです。
――台湾のときはオープンだったんですね。
例えば、台湾でのロケ中に台湾人はよく、撮影の現場などでは急いで食べることもあって、しゃがんで弁当をかき込んだりするんですけれど、ふと見ると、中野さんが他のスタッフと同じように、そこらへんにしゃがんで食べていたので、すごくびっくりしました。中野さんはそうやって現場になじもうとされていたんだと思います。
――ジエンさん自身が撮影で大変だったことはどんなことですか?
撮影期間が割と短めだったんですけれど、リンちゃんの出番が全編にわたっていたので、それはそれは大変でした。もちろん撮影自体はすごく楽しかったんですけれど、睡眠時間が足りなくて、いつも睡眠不足でつらかったです。
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