9月29日に公開された映画「パーフェクト・レボリューション」(松本准平監督)で、車椅子生活を送る男性と恋に落ちる風俗嬢を演じた女優の清野菜名さん。映画ではかなり奇抜な格好をしているが、清野さん自身の普段のファッションはどうなのか。また、今後10年の展望や女性が輝くための秘訣(ひけつ)を聞いた。
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映画は、車椅子生活を送る男性“クマ”と、幼いころのつらい体験から心に障害を持つ風俗嬢の“ミツ”が、周囲の偏見や差別を跳ね飛ばし、幸せになろうと突き進む姿を描いている。脳性まひを抱えながら障害者の性への理解を訴え続ける活動家・熊篠慶彦さんの実話が基になっており、“クマ”を、イラストレーターや文筆家としても活躍する俳優のリリー・フランキーさんが演じている。
ミツは、髪をピンク色に染め、抽象的な模様のジャンパーや、緑色のトレーナーにピンク色のタイツと、かなり奇抜なファッションを好んでいる。清野さん自身、ミツほど奇抜ではないにせよ、このインタビューの日に着ていたユニークなツーピースを示しながら「こういう洋服は好きですね。あまり (人と)同じものは好まないです」と話す。パンツもスカートもどちらもはき、特に好きなスタイルやブランドはないそうだが、「一日中いられる」というほど、お気に入りのデパートがあり、そのフロアいっぱいに並んだ洋服の中から「これカワイイ!って一目ぼれで買うことが多い」という。
また、これまではボーイッシュなスタイルが多かったが、「今年23歳で、大人の女性になりたいと思っているので、ちょっとエロい感じ(笑い)」への路線変更を考えているという。気になっているファッションアイテムも、今は特にないというが、最近買ったのは、ウサギのファーのポシェット。「ファーがすっごく気持ちいいんですよ、赤ちゃんみたいで(笑い)」と、使うたびにふわふわ感を味わっているという。
今作はもとより、公開中の映画「ユリゴコロ」やCMに出演し、さらに、10月から始まるテレビドラマ「トットちゃん!」では主人公の黒柳徹子さんを演じるなど、まさに引っぱりだこの清野さん。さぞかし多忙で心が休まらないだろうと思いきや、清野さん自身は、「そこまで切羽詰まっていないというか、昔みたいな焦りはないですね」と気負いはない。
「もちろん、今も緊張しますけれど、(現場のことを)もっと知らなかったときは、撮影中に切羽詰まって気分が悪くなるほど苦しかったし、追われていた部分があって、一日を乗り切るのが大変でした。でも、今は楽しさの方が勝っているので、あっという間に時間がたっていきます。今年ももう9月(取材は9月に実施)ですから……」とあくまでも自然体だ。
今後10年の展望を尋ねると、返ってきたのは、「ハリウッドに行って、カッコいいアクションをやりたいです」という力強い答えが返ってきた。清野さんは、特技にアクションや殺陣を挙げ、初主演作「東京無国籍少女」(2015年)では、第4回ジャパンアクションアワードのベストアクション女優賞を獲得したほど、運動能力に定評がある。「私が『東京無国籍少女』をやったときは、3日ぐらいしか稽古(けいこ)期間がありませんでしたが、向こう(ハリウッド)は稽古期間もすごく長くとるので、時間をかけてガッツリ練習して、みんなで作っていきたいです」と目を輝かせる。
そんな清野さんに、輝くための秘訣をたずねると、「同世代の人たちをテレビで見ていると、すごくキラッキラしていて可愛いなあって思うんですけど、私にはそういうのがないので……」と意外に“弱気”な発言。そして、「メークさんたちと、『本当に私って、キラキラしているものが全然ないよね。そろそろ、街を歩いているとき、1人や2人、話し掛けてくれてもいいのに、誰も気づいてくれないんだよね。逆にすごくない?』という話をよくしているんです(笑い)」と自身では輝いている意識はまったくないという。そこで質問を変え、健康のために心掛けていることを聞くと、今度は、「好きなものを食べること!」と即答し、焼き肉とおすしが好物だと教えてくれた。
<プロフィル>
せいの・なな 1994年10月14日生まれ、愛知県出身。2007年に雑誌「ピチレモン」の専属モデルとしてデビュー。14年、園子温監督作「TOKYO TRIBE」でヒロインを演じ、第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞する。15年に公開された押井守監督作「東京無国籍少女」で初主演を務め、同作の演技で第4回ジャパンアクションアワードのベストアクション女優賞を獲得。17年は舞台、劇団☆新感線「髑髏城の七人」Season花 、映画「暗黒女子」、ドラマ「やすらぎの郷」などに出演。9月23日公開の「ユリゴコロ」にも出演しており、10月2日から放送のドラマ「トットちゃん!」では主人公の黒柳徹子を演じる。
(インタビュー・文・撮影/りんたいこ)
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