LDHの「EXILE TRIBE」とアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」がコラボした映画「CINEMA FIGHTERS(シネマファイターズ)」が公開中だ。EXILE TRIBEの曲をモチーフにしたショートフィルム6編で構成されており、EXILE HIROさんがエグゼクティブプロデューサーを、俳優の別所哲也さんが企画・プロデュースを担当した。その中の一本「色のない洋服店」(齋藤俊道監督)に主演したDream Amiさんに話を聞いた。
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「色のない洋服店」はDream Amiさん自身のソロデビュー曲「ドレスを脱いだシンデレラ」を基に映像化したもの。カラフルな印象の歌詞だが、映画は色のない世界が舞台となっていて、Dream Amiさんは「逆をついて来たなという気はしました」と驚き、「恋愛ベースになっている曲なのに、まったく恋愛がない脚本で、そこも想像とはまったく違って面白いと思いました」と感心する。
映画初出演ということで、「いろいろと、これでいいのかなということの連続で進んでいった感じです」と振り返り、「せりふが少ない役だったので、表情とか動作で表現するのは難しかったです」と率直な思いを明かす。
Dream Amiさんが話す通り、演じる由衣はせりふが少なく、ナレーション中心で物語が進んでいく中で、「由衣が抱えている感情に近い、自分の経験だったりとかをいろいろと思い出しながら表現しました」と語り、「自分がそう(由衣と同じ)かと言われたら、そうじゃなくて。(自分は)結構、反対にいる人間だと思いますけど、(由衣の気持ちは)分かるといえば分かるかな」と共感しつつ演じたという。
初の映画出演ということで、自身が演じている姿を見て、「不思議な感じはありました」としみじみ実感したというDream Amiさん。ナレーション録(ど)りの際、初めて映像を見たと言い、「初めて見たときは、かなり衝撃的でした」と話し、「現場ではプレーバックは見ていなかったので、ここはこういうふうに映っていたんだとか、こんなきれいな映像になっていたんだとか印象的でした」と振り返る。
物語はナレーションが中心となっており、そのナレーションはDream Amiさんによる関西弁で語られているが、「(あの世界観に関西弁は)エッジが利いています」と言い、「ナレーションが関西弁だったので、逆に自分的過ぎちゃって恥ずかしかったです」とほほ笑む。
Dream Amiさん演じる由衣は、洋服店で自ら仕立て洋服を売っている。Dream Amiさん自身のファッションのこだわりを聞くと、「特にこだわっている部分はなくて、TPOに合わせて(服を選ぶ)という感じです」と明かし、最近気になっているアイテムは、「ロングブーツがまたはやっているので、ほしいなと思っています」という。
ショッピングする場所については、「あまり買い物は行かないです」と意外な一面をのぞかせ、「実は洋服屋さん独特の空気感みたいなものが、ちょっと苦手」とか。その理由を、「店員さんが親切に接客してくださるのですが、やり取りに夢中になってしまい、買い物に集中できないんです」と説明する。
そんなDream Amiさんが美容や健康面で気を付けているのは、「入念にお手入れしているわけではないんですが、最近気付いたのは、グルテン系のものが好きだなということ」と話し、「パンも麺も好きなので、ちょっとグルテンを取り過ぎているなというときは和食にするようにしたり」と言って笑う。
2017年はグループを卒業し、ソロ活動に専念することになるなど激動の一年を過ごした。昨年を振り返り、「グループの卒業がありましたし、ソロとして初めてのアルバムだったり、ツアーがあって、ずっとそこに向けて頑張っていたような一年だった」と言い、「自分にとっては、なかなか高い壁だったなと。一つの壁を乗り越えられた一年だった気はします」と神妙な表情で語る。
そんな一年を自己採点してもらうと、「(10点満点中)10点です!」と勢いよく言い、「ソロは特に自分の思いを100%表現させてもらっているので、(一年間を通して)自分にできる、思いつくできることはやり尽くせたと思います」と充実感をにじませる。
グループ活動との大きな違いは、「グループは自分が発する言葉だったり、一人で出て行くときはグループを代表して背負っている感じはあり、そこに対してのプレッシャーはありました」と話し、「ソロは全部自分に返ってきて、いいことも悪いことも一人で全部受け止めて整理していかないといけないので、グループのときよりもソロの方がちょっと臆病になりがちだったりはします」と明かす。
ソロとして、さらに飛躍が期待される今年の目標を、「昨年のツアーで、やっとソロのDream Amiとして、ファンの方との距離感だったり、ライブの作り方も学ばせてもらったりしたので、ライブ活動は続けていきたい」と語り、「音楽活動での幅ももっともっと広げていきたいし、音楽以外も自分ができることをいろいろと確かめ挑戦しながら、自分で限界を作るんじゃなくて、チャンスがあればいろんなところに飛び込んでいきたい」と意気込む。
今、もっともチャレンジしたい仕事は、「今までもいろんなことをさせてもらっていますが、その結果、やっぱり自分の中には音楽が基準にあるな、というのはすごく感じていますので、音楽の面でも今まで挑戦しなかったジャンルだったり、今までしてこなかった表現にも挑戦してみたい」と力強く語り、「今まで作り上げたイメージやキャラクターというのを、いい意味で裏切るようなことをしてみたい」と思いをはせる。
今作を、「『色のない洋服店』は非現実的な世界の話ではありますが、誰にでもある、誰もが心のどこかに持っているであろう感情に訴える作品だと思う」と評し、「自分の経験だったり、自分の環境に置き換えて、いろいろと考えていただけるきっかけになったら、いいなと思います。そういう部分に注目してほしい」とメッセージを送る。
出演作以外では、E-girls時代の曲「Mr.Snowman」が基になっている「Snowman」が特に気になると言い、「『こう来るんだ』と感じ、すごく明るくてキラキラした曲が、真逆に行くことで引き立っているな、と」と感想を語り、「すごく感動して見ていて泣きました。明るい曲のはずがなぜか悲しく聴こえたりして。これもこの映画の力だと感じました」と絶賛する。
そんなDream Amiさんに、10年後の自分がどうなっているか想像してもらうと、「ママタレかな」と笑顔で答えた。「なっている可能性はあるなって(笑い)。そうでなかったら音楽活動を続けているかもしれない。10年前に今を全く想像できなかったので(10年後の自分がどうなっているか)分からないです」と説明。 そして、「10年あれば、どうにでもなれますね。どこかの国の大統領の奥さんになっている可能性もありますし」と楽しそうに笑った。映画は全国で公開中。
<プロフィル>
1988年5月11日生まれ、大阪府出身。2002年に「dream」でデビューし、11年からは「E-girls」の中心メンバーとしても活躍。15年に「Dream Ami」として、E-girls初のソロデビューを飾る。16年にはディズニー映画「ズートピア」で日本語吹き替え版の主題歌「トライ・エヴリシング」や、映画「ひるなかの流星」主題歌などを担当。17年6月にはソロ活動に専念することを発表し、10月にソロ初のアルバム「Re:Dream」を発売した。
(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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