薬屋のひとりごと
第33話 先帝
3月7日(金)放送分
「キル・ビル」のアニメパートなどを手がけた中澤一登さんが監督を務め、「攻殻機動隊」シリーズなどのプロダクションI.Gが制作するオリジナルアニメ「B:The Beginning」がNetflixで配信されている。先の読めない展開、ダークな世界観などが魅力でオリジナルアニメで、ゲニ(天才)と呼ばれる伝説の捜査官のキース・風間・フリックが、凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人鬼、通称「Killer B」を追う姿が描かれている。バイオリン工房で職人として働く謎の少年・黒羽を演じる梶裕貴さん、キース役の平田広明さんにアフレコの様子を聞いた。
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梶さん 骨太で、さまざまキャラクターが登場する。外国映画のようなところがあり、日本らしいファンタジー要素もあります。オリジナル作品なので、シナリオに触れてから、先の展開をその都度知っていくことになりました。黒羽は謎が多いので、毎週新鮮な気持ちでアフレコに臨んでいました。
平田さん オリジナルなので、展開を想像できなかった。キースについては何かひねくれたおじさんという印象でした。(天才だけど)超人的という印象はありませんでした。
梶さん これまでも共演させていただいたことはありますが、ここまでガッツリはなかった。大先輩ですし、僕はうれしかったです。キースは天才だけど、愛らしいところもある。僕が言うのもおこがましいけど、その雰囲気が平田さんにも通じる。格好いいけど、おちゃめで、みんな好きになる。
平田さん 天才ではないの?
梶さん もちろん、天才ですよ(笑い)。
平田さん 梶君の芝居を見ていて、真面目だな……と。芝居がしっかりしているし、演じることが好きなんでしょうね。みんな好きだからやっているんだけど、梶君は本当に楽しんでいるんだなと感じます。
梶さん 恐縮です。変な汗が出てきた……。今回のアフレコが終わった後、平田さんが別の現場でお会いした時、話しかけてくれてうれしかったです。
平田さん 僕の役はあまり声を張らないシーンが多い。技術的な話ですが、ノイズを立てないようにしていました。“いろはのい”みたいなことだけどね。皆さん、細かなニュアンスの芝居をする。梶君もそうだよね。緊張感が漂うんですよ。
梶さん 黒羽がどういう存在かをざっくり聞いていたけど、どういうキャラクターと関係するのかの詳細を把握しない状態でアフレコが始まった。表向きの彼、本来の彼を考えていました。アフレコの段階で絵が完成していたので、そこにいる黒羽を感じ取ることも意識しました。思いが強いキャラクターでしたので、そこの難しさはありましたね。
平田さん 明るい現場だったよね。梶君と差し入れのチーズパンを取り合ったり。ベテランから若手までバランスもいいですし、音響監督のノリがいい。
梶さん 芝居の時はピリッと繊細な雰囲気だったので、緩急がありましたね。僕は平田さんの横に座らせていただいたのですが、芝居の道しるべにしていました。
平田さん そういうことは、先に言ってよ!
梶さん 今回の現場までは、平田さんが真顔でボケても、ツッコミを入れることができなかった。恐れ多いですよ。
平田さん ストーリー、映像、音楽、キャラクターがとにかく重厚です。質のいい映画を見ているような気持ちになる。静かなところでじっくり見てほしいですね。
梶さん 監督を中心としたスタッフの方々の情熱、フェティシズムが詰まっています。玄人向けで、幅広い人に楽しんでいただける作品です。
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