世界最高峰の映画の祭典「第90回アカデミー賞」授賞式が5日(日本時間)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開かれる。WOWOWの生中継番組「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」で高島彩さんと共に案内役を務めるジョン・カビラさんに、今回のアカデミー賞授賞式の見どころなどを聞いた。
ウナギノボリ
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前回は、アカデミー賞の作品賞発表で、本来の受賞作「ムーンライト」を間違えて「ラ・ラ・ランド」と発表してしまう前代未聞の大失態があった。賞の発表を任されたのは、ウォーレン・ベイティさんとフェイ・ダナウェイさんで、最初に「ラ・ラ・ランド」と受賞作を読み上げたが、2人に渡されていた封筒は主演女優賞のものだった。間違いが分かると慌てて訂正したものの、当然ながら現場は大混乱だった。
カビラさんは「同じようなミスがこの国で起きたら、ああいう展開になっていたでしょうか」と、アカデミー賞の“真の価値”があの場面で見えたと指摘する。歓喜の渦から一転、最高の栄誉を“没収”される形になった「ラ・ラ・ランド」。プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツさんが、関係者や主催者を悪く言わなかった振る舞いについて、カビラさんは「あのギリギリの状況ですからね。本当に賞やお互いをリスペクトしていると思った。これは本当になかなかできないこと」と振り返る。
カビラさんは、ノミネート作品について「アカデミー賞はアメリカの今を反映します。そして映画を生業(なりわい)とする皆さんが、お互いをリスペクトして評価している。諸々の課題をどういうふうに映し出すのかが映画の命題で、(アカデミー賞はそれが)一気に表現される時間」と見る。またアカデミー賞は「日本人の偉大な予告編ですね。『ダンケルク』と『ゲット・アウト』は既に公開されていますが、分かりやすく、素晴らしい形で紹介される。ノミネート作品をすべてを見れば、いろいろな思い、気づきがあるのは間違いありません」と語る。
今回のアカデミー賞について「雲が立ち込めているアメリカなので。主義主張、肌の色の違いがあっても分断を強くするような内容ではなく、融和を促すような方向ではないでしょうか。もちろん上から目線の“お説教”ではなく、ユーモアをちりばめながらの内容になることを期待しています」と話す。
カビラさんに「憧れのキャラクター」を聞くと、しばらく考えてから「究極は(ジェームズ・)ボンド」と照れくさそうに話す。「究極のジェントルマンで、あり得ないからこその存在。ショーン・コネリーさん、ロジャー・ムーアさん、ダニエル・クレイグさんと、それぞれのテイストがありながら、どの作品に品格がありますよね」と表現する。さらに「時代の流れなのですが、お相手をされる女性の数も減りましたよね。最近だと人間くさい、悩める、影のあるボンドだったりしますから。必ずボンドムービーは見てしまいますね」と明かす。
ボンドと同じく、スーツ姿でスマートな体形を維持することについて「昨年まではケアをしていましたが、月木のレギュラー(NHK総合『4時も!シブ5時』)が始まったお陰で、なかなかトレーニングが……。すみません、言い訳です。ちゃんとします」とジョークを交えて場を和ませていた。
アカデミー賞授賞式は5日(日本時間)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。WOWOWでは「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」と題して、WOWOWプライムで5日午前8時半から同時通訳で放送。午後9時からは字幕版を放送する。
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