青木志貴の魔王式随想:二宮飛鳥に出逢えた奇跡

二宮飛鳥のステージ衣装を着た青木志貴さん
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二宮飛鳥のステージ衣装を着た青木志貴さん

 人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二宮飛鳥役などで知られる新人声優の青木志貴さん。自身を「ボク」と呼ぶ“ボクっ娘”で、“魔王”のニックネームで「League of Legends」などのオンラインゲームをがっつりやり込むコアゲーマーという異色の経歴も併せ持つ青木さんが、その独自の視点で自身の歩みやさまざまな思いを語ります。

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 こんにちは、志貴です! 先日、11月10日、11日にメットライフドーム(埼玉県所沢市)で行われた「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 6thLIVE MERRY-GO-ROUNDOME!!!」にお越しくださった皆さん、そしてライブビューイングで応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました! 昨年の5thLIVEはツアーでいろんな場所を巡りましたが、今回の6thLIVEはなんとドーム公演! ドーム公演が発表されたときは「ドームかあ……」とどこか人ごとのようで、全然実感が湧きませんでしたし、実際本番前日くらいまではドームのステージに立つという実感がなかったです(笑い)。

 発表されてからは「まだまだ本番まで時間あるな~、どんな曲をやるのかな~」とのんびり考えていて、実際にレッスンが始まってからも「まだ遠いな! 本番までじっくり練習していこう」みたいな感じでずーーーーっと遠い先の出来事のような気がしていました。

 それが気がつけば6thLIVE開幕。ボクは11日のDAY2の方だけの出演だったので、今回DAY1の公演を実際にメットライフドームに見に行ってました。初めてのドーム公演、広さもなにもかも想像できなくて、わくわくしながら見に行きました。完全にプロデューサーの気分でしたね(笑い)。

 最初に客席からステージ、ドーム全体を見渡した感想はやはり「とにかく広い」。今までさいたまスーパーアリーナなどでライブをしてきましたが、そのときよりとても広く感じたような気がします。あとなぜか不思議なもので、ステージに立って歌っているときより、客席から見ている方が広く感じるんですよね。ボクは。なぜだろう(笑い)。とにかく広くて、「こんな場所に自分も明日立てるんだ」という期待がとても大きくなった瞬間で、ここで初めて「自分もここに立つんだ」という実感。開演してから、本当にステージの皆がきらきらまぶしくて、楽しそうで。自分がステージに立ってるときってイヤモニをしてるのでダイレクトの歓声はあまり聞こえないんですね。だから今回客席から皆を見て、生の歓声を聞いて、そのすごさに圧倒されました。

 ライブってすごい。それと同時に、「みんなすごい。なぜ自分はここにいないんだろう。自分も早くここに立ちたい」という期待と羨望と嫉妬と憧れ、そしてほんのちょっとの悔しさが入り交じったような、なんともいえない感情がこみ上げてきました。

 ステージのみんなが本当に楽しそうでとてもすてきで、応援しているプロデューサーさんたちも本当に楽しそうだったのでなおさらそんな感情になっちゃったのかな。とにかく「いいなあ。DAY2も楽しみだなぁ」という思いで、DAY1の皆さんの勇姿を眺めていました。

 いざ自分の出演本番のDAY2。早朝から皆集まってメークや場当たり、そしてリハ。ボクは以前も書きましたが、こういうライブや舞台などの場所で緊張って全然しないタイプの人間なので、このときもやはり同じように、不安や緊張は一切なく、とにかくわくわくしてました。とても早い時間から準備が始まったのに、気がつけば開場し、開演間近。

 今回の6thLIVEは、ボクが初めてシンデレラのステージに立った4thLIVEと同じ、それぞれのアイドルの個別衣装での公演でした。2年前、初めてステージに立ったときのことを思い出したりして。ボクにとって「二宮飛鳥」というアイドルに出会ってからの時間はあっという間に駆け抜けてきた時間だったので、「2年もたった」という事実が信じられません(笑い)。そんな思い出深い衣装に再度袖を通し、一層気が引き締まる思いでした。

 開演してからはそれはそれはあっという間で、寒い寒いと聞いていたドーム公演も寒さを感じる暇がないくらい。初めてオリジナルメンバーでそろって歌うことのできた「リトルリドル」。ソロもいいけど、やっぱり「ユニットメンバーがいる」っていう安心感と心強さはすごいなって思いましたし、応援してくれるプロデューサーさんとこの楽しさを共有できる仲間ってすてきだなって思いました。ボクはユニットのオリジナルメンバー全員がそろって歌えたのは今回が初めてだったので、とにかくうれしかったです。

 そして飛鳥のソロ曲「共鳴世界の存在論」。今回はなんとソロ歌唱ではなく、速水奏役の飯田友子さんとのデュオだったので、最初にセットリストを見たときにとても驚いたと同時にうれしかったです。

 実はボクの初めてのステージ、4thLIVEで速水奏さんのソロ曲「Hotel Moonside」にお手伝いとして参加させていただいたんです。Hotel Moonsideはボクの大好きな曲で、偶然にも4thLIVE前のインタビューで好きな楽曲にHotel Moonsideを挙げていたので、一緒にこの曲を歌わせていただけると知ったときはとてもうれしかったです。

 そんな速水奏役の飯田さんが今回の6thLIVEでは飛鳥のソロ曲を一緒に歌っていただけることになって、衣装の件も相まって、なんか個人的にとてもぐっとくるものがあったんですよね。しかもレッスンの段階から飯田さんがオントロジー(飛鳥のソロ曲)にかなり気合を入れてくれていると知って、本当にうれしくて。オントロジーを歌ってるときのイヤモニ越しにもわかるプロデューサーさんたちの歓声はやっぱり最高でした。

 歌い終えてハケきるまでの時間、本当に気持ち良すぎて何度でもこの時間がくればいいと思った。ステージを降りてからひとりで歩いていくと、一緒に歌ってくださった飯田さんが舞台裏で待っててくれて。その時点でもすっごいうれしかったんですけど、そのときの飯田さんが泣きそうな顔をしてボクを見てたんですね。それを見て思わず走って飯田氏をハグしてしまったのですが(笑い)。

 飯田さんが「オントロジー大好きな曲だったからすごい不安だったけどよかった……」って目に涙をためながらも安心したように少し笑って言ってくださって、つられてボクまで泣きそうになってしまいました。本当に感動したし、飯田さんと、奏さんと一緒にこの曲を歌えたことがうれしかったです。奏さん、ボクも4thLIVEから、少しは頼もしくなれたかな?

 そしてLIVEの最終ブロック、最後の曲での「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」。直前のニュージェネのお三方の最高にかっこいい「Absolute NIne」を聴きながら舞台袖で待機しているとき、この曲を披露するのが楽しみすぎて若干武者震いしてました(笑い)。

 いろんな意味のこもった曲だと思っているので、この曲を最後に歌わせていただけるということもとてもうれしくて。レッスン時から「この曲は少し攻撃的に歌ってもいい。強さとかっこよさをもっと強調したい」とディレクションしていただいてたので、最高にかっこよくキメてやらねば!と意気込んでました。意気込むほどプレッシャーが強くなりそうなものですが、やっぱり一緒にステージに立つメンバーがいるというのはすごいもので。頼もしすぎるメンバーのおかげでのびのびとパフォーマンスできた気がします。何よりやっぱり、応援してくださるプロデューサーさんたちの声援が心強かったです。

 ライブ、ステージに立つことって本当に麻薬みたいなもので(笑い)。たやすく得られるものではない分、一度あの快感を味わってしまうともう二度と抜け出せないような中毒症状、あれを超えるものはないだろうなって言い切れるぐらいの達成感と快感があるんです。

 本当に最高の時間でした。ボクがここに立つことができたのは全て応援してくださるプロデューサーさん、そして飛鳥のおかげです。プロデューサーさんが全力で飛鳥をプロデュースしてくださって、飛鳥が頑張ってそれに応えた結果。ボクのお仕事はプロデューサーさんとは別の角度から飛鳥さんのお仕事を「手伝う」ことなんだけど、そんなボクがこんなすごいステージに連れてきてもらえたのは、飛鳥とプロデューサーさんのお陰なんです。ボクが頑張ったからとかじゃなくて、飛鳥とプロデューサーさんの頑張りの結果なんですよね。

 だから本当に、ドームのステージに立たせてもらえたことに感謝です。2年前と同じ衣装だけど、立っているステージも変わって、うたえる歌も踊れる曲も増えて。飛鳥とプロデューサーさんのおかげで、少しでも成長した姿を感じてもらえてたらうれしいなと思います。

 ボクの出番は終わったけど6thLIVEはまだまだ終わらなくて、次は12月のナゴヤドームですね! ここが終着点じゃなくて、まだまだシンデレラたちは進んでいくんだと思います。これからも飛鳥さんとプロデューサーさんのお仕事に少しでもお力添えできるように、ボクも頑張ります! どんどんシンセカイの扉を開いて次のステージに向かっていく飛鳥。君に出逢えた奇跡に改めて感謝したいです。

 そしてまた飛鳥と一緒に、早くステージに立ちたい。だからこれからも、「二宮飛鳥」というアイドルのプロデュース、よろしくお願いしますね!

 ◇プロフィル

 あおき・しき=1月14日生まれ。162センチ、AB型。「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二宮飛鳥役など。声優、タレントと多方面で活動中。ゲーマーとしても「魔王」の愛称を持つコアゲーマー。

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