俳優の水谷豊さんの映画監督第2作のタイトルが「轢(ひ)き逃げ 最高の最悪な日」に決定し、中山麻聖さん、石田法嗣さん、小林涼子さん、毎熊克哉さん、檀ふみさん、岸部一徳さんが出演することが5日、明らかになった。映画には水谷さん自身も出演する。また、公開日が2019年5月10日に決定したことも発表され、特報も公開された。
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同映画では、水谷さんが初めて脚本を担当。物語の発端は、とある地方都市で起こった交通事故。一人の女性が命を落とし、ひき逃げ事件へと変わる……。車を運転していた青年・宗方秀一(中山さん)と助手席に乗っていた親友の森田輝(石田さん)。2人は秀一の結婚式の打ち合わせに急いでいた。婚約者は大手ゼネコン副社長の娘・白河早苗(小林さん)。一方、悲しみに暮れる被害者の両親、時山光央(水谷さん)と千鶴子(檀さん)。そしてその事件を担当するベテラン刑事・柳公三郎(岸部さん)と新米刑事・前田俊(毎熊さん)。平穏な日常からいや応なく事件に巻き込まれ、それぞれの人生が複雑に絡み合い、抱える心情が浮き彫りになっていく……という内容。
特報には、「悲しくて、寂しくて、やりきれなくて、それでも朝が来てしまう。その中で、あの人に何をしてあげられるだろうか? 絆を持ち続けられるだろうか?」という意味深なナレーションとともに、住宅街に止まった車や、男性の後ろ姿が映し出されている。
――初の脚本執筆から2作目の監督について。
若いころから、人間に対してずっと興味を持ち続けています。時に人間は常識では考えられない行動をとることがあります。このような時に、人間はどうするのか? 興味は尽きません。本作では、他人には見せることのない“人間の心の奥底にあるもの”を描いてみたいと思いました。そして、着想したのが“轢き逃げ”という事件によって出会ってしまった人々。この作品には、加害者、被害者、それぞれの家族、その事件を追う刑事という7人が登場します。それぞれの人間が、その時、その瞬間に、どう行動するのか? このことを表現するために、初めて脚本の執筆に挑戦することとなりました。
脚本を執筆する際にストーリーを作る上で、まず描きたい事柄が映像として浮かんできました。その中で登場人物たちがどう行動するのか?などを考えていくと、ストーリーが膨らみ、自然と登場人物が動きだし、物語を紡いでくれました。特段に脚本を執筆する際のスタイルを意識しているわけではなく自然体で取り組むことができ、脱稿後には「なんで、このような脚本が書けたのだろう」と不思議な感じがしました。
また、脚本の執筆を終えると、監督としての新たなアイデアが出てくるのも不思議な経験でした。今になると、僕の場合は脚本執筆と監督が地続きになっており、自分の構想を監督として映像化するにあたり、脚本の執筆は必要不可欠であったと思っています。
そして、何より自分の想像を上回る映像や音、音楽を作り上げてくれた才能あふれるスタッフたちへ感謝の気持ちでいっぱいです。
――キャスティングについて。
今回の作品ではドキュメンタリーを見ているようなリアルな映像が必要であったため、中心となる若いキャスト4人のうち、中山麻聖くん、石田法嗣くんは、オーディションも実施するなど有名無名問わず、さまざまな可能性を考慮して選考しました。小林涼子さん、毎熊克哉くんは、僕の作り上げたキャラクターに合う俳優をキャスティングさせてもらいました。
現場では、彼らの長所をいち早く見つけ、その長所を役にプラスしていくことを心がけて、作品を通しての役のバランスやポジションも彼らと話をしていきました。
――岸部一徳さん、檀ふみさんについて。
お二人は私が望んでいることを瞬時に理解され、毎回私の想像を大きく上回る芝居を見せていただきました。このような方々とご一緒できる時間は監督として大きな喜びの一つでした。
いよいよ、完成間近です。もう少しだけ、お待ちください。
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