速水もこみち:「ごくせん」から14年 俳優、料理…これからも「常に挑戦」

ドラマ「緊急取調室」に出演する俳優の速水もこみちさん
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ドラマ「緊急取調室」に出演する俳優の速水もこみちさん

 女優の天海祐希さん主演の連続ドラマ「緊急取調室」(テレビ朝日系、木曜午後9時)で、警視庁捜査1課の刑事・渡辺鉄次を演じている俳優の速水もこみちさん(34)。2014年の第1シーズンから同役を務めており、今回の第3シーズンでの天海さんらおなじみの面々との再共演に「うれしい。この現場だと一番年下なので、メンバーの中で一緒にいられるだけで幸せ」と笑顔を見せる。自身は「あれもこれもと、いろいろやりたいタイプ」で、俳優としてだけでなく、料理上手のタレントという顔も持つ速水さんの“34歳の現在地”とは……。

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 ◇「年をとればとるほど面白い」が分かってきた…

「緊急取調室」は、可視化設備の整った特別取調室で容疑者を取り調べる警視庁捜査1課の専門チーム「緊急事案対応取調班」(通称・キントリ)のメンバーたちが、数々の凶悪犯と心理戦を繰り広げる姿を描く人気シリーズ。第1シーズンは14年1月期、第2シーズンは17年4月期に放送され、15年9月にはスペシャルドラマも放送された。今シーズンでは被疑者にもかかわらず、さまざまな立場の“油断ならぬ女たち”がキントリチームを翻弄(ほんろう)する中、天海さん演じる真壁有希子たちが決死の覚悟で事件の裏にある真実を暴いていく。

 速水さん演じる渡辺は、上司の監物大二郎(鈴木浩介さん)とコンビを組み、周囲から「モツナベコンビ」と呼ばれており、監物の命令ならば、どんなことでも従順に従うが、キントリをうまく利用していけばいい、という合理的な面も垣間見える優秀な刑事という役どころだ。

 撮影現場での自身は「静かに真面目に物事を見ているタイプ」と分析する速水さん。「大先輩の人たちのお話をしっかりと聞くことは常に大切にしている」といい、この現場でも学びがあった。「『年をとればとるほど、すっごい面白いよ』っていうことを先輩たちが教えてくれた。まさにそれが分かってきた」と明かす。

 ◇「ごくせん」「東京タワー」「料理」が転機に

 速水さんは、1984年8月10日生まれ、東京都出身。2002年に俳優としてデビューし、連続ドラマ「ごくせん」(日本テレビ系、05年)で注目され、“月9”ドラマ「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」(フジテレビ系、07年)など数々の作品に出演。06年に「第30回エランドール賞」新人賞、「第30回日本アカデミー賞」新人賞を受賞した。

 また、料理上手としても知られるが、11年4月から今年3月まで務め上げた朝の情報番組「ZIP!」(日本テレビ系)の料理コーナー「MOCO’Sキッチン」では、8年間で1896レシピを紹介。13年には同番組発のレシピ本がフランスの「グルマン世界料理本大賞」の「Best Japanese Cuisine Book」部門でグランプリに選ばれたこともある。

 02年のデビューから15年以上がたった。速水さんにこれまでを振り返ってもらうと、「いろいろな人たちに知っていただけたのは、やっぱり『ごくせん』。それがあって、『東京タワー』でしっかりと心で演じていく(ことができた)。また一つ、料理をやって、さらに知ってもらえたというのはある」と自らの転機を語る。

 「東京タワー」では、母親役を演じた倍賞美津子さんから「大事なことを教えてもらった」といい、「(作品に)取り組む姿勢や、現場での姿勢だったり。(倍賞さんの)『私たちは親子だから、心でキャッチボールをしましょう』という言葉がきっかけで、そこから僕も考えるようになって……。すごく感謝しています」と明かす。

 ◇「自分だけの表現の仕方がある」

 3月に最終回を迎えた「MOCO’Sキッチン」では、普段の食卓に並びそうな家庭的な料理から特別感のあるごちそう料理まで多ジャンルに及ぶ料理を披露。自身にとっての「料理」は「とりあえず、なくてはならないもの。食べなきゃ生きていけない」と語る。「僕がよく言っているのは、スイーツは幸せな時間を与えてくれる。でも食は生きるためのエネルギー。子供の時から当たり前のように(料理を)作ってきた。もともと好きですからね」と話す。

 俳優業のほかにも活躍の場がある現在のスタンスを、「昔からいろいろなことをしたいタイプなので、ドラマから離れて違うことをやっているっていうのも、そういう自分の性格がある」と説明し、「全部が良い方向に展開していければと思っています」と笑顔を見せる。年齢を重ねて「いろいろなことを知るようになった」といい、「やっぱり、発信していくというのが僕は好き。自分で考えて、いろいろな人たちと面白いことをやっていくのが好き」と話す。

 さらに「自分の中では、特に役者の仕事に固執しているというわけではありません」と語り、「料理をやっていないんだったら、たぶん役者だけの道を選んでいるんですけど、僕はあれもこれもと、いろいろやりたいタイプなので、『こういう人たちと一緒にやったら、もっと面白いものができるんじゃないか』とか、『こんなの開発したら面白いんじゃないか』とか」と明かす。

 今後の俳優業について聞くと、「この作品(緊急取調室)のようにシリーズで出演させてもらっているものもあれば、新しくお話をいただくこともあります。そういったご縁を大事に取り組んでいけたら」と語り、「あとは人間関係も大切にしていきながら、やっていきたいなと思います」と話す速水さん。今後も俳優業に限らず、「常に挑戦」していきたいといい、「自分だけの表現の仕方があると思う。自分は自分で、根本に持っているものはしっかりと貫き通してやっていくだけ」と力を込めていた。

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