仮面ライダー:“平成”の高岩成二から“令和”の縄田雄哉へバトンタッチ スーツアクターがぶっちゃけトーク

「仮面ライダー」シリーズのスーツアクターを務める高岩成二さん(左)と縄田雄哉さん (C)2019 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
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「仮面ライダー」シリーズのスーツアクターを務める高岩成二さん(左)と縄田雄哉さん (C)2019 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

 9月1日に特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの令和初となる新作「仮面ライダーゼロワン」がスタートする。同作をもって、主演のスーツアクターが、多くの平成仮面ライダーシリーズに出演した高岩成二さんから、縄田雄哉さんへバトンタッチする。これを記念した2人のインタビューが8月11日、公開された。

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 最後の平成仮面ライダー作品となる「仮面ライダージオウ」では、高岩さんは仮面ライダージオウ、縄田さんは仮面ライダーゲイツのスーツアクターを務めており、インタビューでは演じる上でのこだわりや、“バディー”としてお互いへの思いを語っている。また、8月18日には「仮面ライダーゼロワン」の主題歌アーティストが発表されることも明らかになった。

 高岩さんは、平成仮面ライダーシリーズ全20作品中18作品で、主人公の仮面ライダーのスーツアクターを担当しており、「ミスター平成仮面ライダー」と呼ばれている。一方、縄田さんは、これまでドラマや映画、舞台など幅広い分野で活躍し、平成仮面ライダーシリーズでは、「仮面ライダーエグゼイド」に登場する仮面ライダーゲンムのスーツアクターとして独特のポーズを生み出し人気を獲得した。「仮面ライダージオウ」では、1年間にわたり仮面ライダーゲイツとして、高岩さん演じる仮面ライダージオウと共に戦ってきた。

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 ――高岩さん、この20年を振り返っての思いは?

 高岩さん 僕はずっと「スーパー戦隊シリーズ」のレッドを担当していて「仮面ライダーアギト」(2001~02年)からライダーに移ったのですが、実はずっとスーパー戦隊をやりたかったんです。だから、仮面ライダーをやる時は、渋々という感じでして(笑い)。

 縄田さん えーっ!? そうだったんですか!

 高岩さん だから撮影に入った時もテンションが上がらなかったんですが(笑い)、ある時、他の仮面ライダー役のスーツアクターと話しているときに突然プチッとスイッチが入って、絶対に「仮面ライダークウガ」(2000~01年/平成仮面ライダー第1作・主演スーツアクターは富永研司さん)を超えてやろう! 視聴率も上げてやる!と。そこから始まりました。「仮面ライダージオウ」(2018~19年)では20人のライダーがズラリと並ぶんですが、それを現場で見ていると、自分で言うのもなんですが圧巻ですよね。すごいなあ、よくやってきたなあ、というのが正直な思いです。ライダーを始めたきっかけはアレですけど(笑い)。

 ――縄田さんはいよいよ「仮面ライダーゼロワン」が始まります。

 縄田さん 僕は「仮面ライダーエグゼイド」(2016~17年)でゲンムをやらせていただいたのですが、半年間だったので。1年間やりたいと思っていたら、いきなりゲイツという2号ライダーだったんです。なので、今回、ゼロワン主役のオファーをいただいた時は驚きしかなかったですね。これまでドラマや映画などいろいろな現場を経験してきましたが、いつかは主役をやりたいと思っていたので決まった時は単純にうれしかったです。でも、そのあとは不安が襲いかかってきましたね(笑い)。今の自分のスキルで大丈夫だろうか、高岩さんの姿を見ていても表現の幅に差があると感じていたので。喜びと不安が入り交じった気持ちになりました。

 ――高岩さんがこの20年で印象に残っていることは?

 高岩さん 最初のころ、アクションではなくお芝居の部分で監督からのダメ出しが多かったんです。「スーパー戦隊シリーズ」では若干誇張した芝居が表現の一つとしてありまして、それが染みついていたんですね。それを「ちょっとやめていただけませんか」とよく注意されて、どうしようと思っていた時にうちの社長(ジャパンアクションエンタープライズ・金田治さん)が監督をやる回があったんです。

 その時も社長からいろいろ言われて、言い方は悪いですけどカチンときちゃって(笑い)。「分かりました! もう動きません!」と思っちゃったんです(笑い)。動かないと言っても、ただじーっとしているのではなく、感情を作って誇張せず自分の芝居をやったら「それ!」と言われて。動かない、というのもお芝居だなとそこで理解しましたね。それ以降、自分の感情や思いを先にやろう、そうすれば“マスクの表情”は後からついてくる、と思うようになりました。

 縄田さん 高岩さんのアクションは黄金比だと思っているんです。アクションの斬った軌道とか、抜けた後のたたずまいとか、映像の画角に収まった姿が黄金比と言っていいぐらい見栄えがいいんです。アクションの美しさはもちろんですが、高岩さんの演技からは表情を感じるんです。マスクは能面のように表情がないはずなのに。僕も演じていて動ぎすぎてしまった、という時もありますし、芝居を動きでカバーしようとしてしまう時もある。そういう意味で今のお話を聞いていると、高岩さんはさすがだなと思いますね。

 ――高岩さんから見た縄田さんは?

 高岩さん アドバイスするところなどは正直まったくないですね。安心して見ていられる部分が多々あります。これまでスペシャルなどで過去の平成ライダーにお手伝いで後輩に入ってもらった時があるのですが、見ていると「ちょっと違うな」ということもありました。でも、縄田に関してはすごく絵になるんです。アクションも手足が長くてカッコいいですし、「ジオウ」で初めてバディとしてやらせてもらいましたが、やっぱり安定している。ドラマや映画、舞台と経験もあるので、東映の特撮は特殊な部分がありますが、そのあたりを吸収していけば安心して見ていられます。

 縄田さん いや、今のお話を聞いて、ちょっとニヤッとしちゃいました(笑い)。そんなふうに思ってくれていたんだと(笑い)。

 高岩さん あまり俺も口に出さないからな(笑い)。

 ――最後に2人からひと言ずつお願いします。

 高岩さん 自分の中では本当にすっきりしていて、やり切った感が強いですね。本当に20年は長い、イチローは引退するわ、気がつけば自分も50歳という節目ですし(笑い)。いろいろな節目が来る中で、一つの区切りとして令和ライダーにバトンタッチできるのはすごくうれしいですね。とはいえ、僕も「ゼロワン」に関わりますので、これまでは僕が支えられてきた恩返しに、今度は僕が支える側で主役を押し上げられれば、と思っています。

 縄田さん 現在公開中の映画のワンシーンで、ジオウが平成ライダーみんなの思いを語る熱いシーンがあるんです。そこを高岩さんがお一人で芝居をされていたんですが、それを見ていた時におそらくその場にいた人全員が感じていたと思うのですが、本当にしびれましたね。すごく感動して、その後の芝居も変わったと思えるほどの影響を受けていたのが分かったんです。僕もそんな高岩さんのように周囲に影響を与えるような芝居を作っていきたいと思っています。

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