ポツンと一軒家:人気の理由は「予定不調和」 NHK大河、「イッテQ!」の日曜夜8時に“風穴”

人気バラエティー番組「ポツンと一軒家」に出演する所ジョージさん(右)と林修さん=朝日放送提供
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人気バラエティー番組「ポツンと一軒家」に出演する所ジョージさん(右)と林修さん=朝日放送提供

 2018年10月7日にレギュラー放送を開始し、2019年12月15日までの全放送回の平均視聴率が17.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)と好調の人気バラエティー番組「ポツンと一軒家」(ABC・テレビ朝日系、日曜午後7時58分)。番組が放送されている日曜午後8時台はNHK総合で大河ドラマ、日本テレビ系で「世界の果てまでイッテQ!」と人気番組がひしめく時間帯。これまで各局がこの“二大巨塔”を崩そうと試行錯誤をしてきた中、“風穴”を開けたといえる。同番組の植田貴之プロデューサーに、放送開始から約1年で人気番組の仲間入りをした理由などを聞いた。

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 ◇ターゲットは「シニア層」 若者層の取り入れで底上げ

 「ポツンと一軒家」は、タレントの所ジョージさんがMC、予備校講師の林修さんが「パネラー」として出演し、衛星写真や地元の人の情報を頼りに、日本各地の人里離れた一軒家で暮らす人を追う……という内容だ。番組は特別番組「人生で大事なことは○○から学んだ」(同)の一企画として誕生し、その後、8本の特別番組の放送を経て、レギュラー化され、これまでに約140軒の家を紹介してきた。関東地区の番組過去最高は2019年9月29日放送回の20.8%となっている。

 植田プロデューサーによると、「人生で大事なことは○○から学んだ」の企画として放送された当時の平均視聴率は「マックスで8%程度」。しかし、2017年10月22日放送の特番で「15%超え」を達成と、視聴者からの想定外の反響があったという。

 元々「シニア層をターゲット」に始まった番組。視聴者層は、現在も「シニア層が圧倒的に多いですが、(番組が続き)数字が上がってきたことによって若者層を取り入れることができ、底上げされたように感じています」と、裾野の広がりに手応えを得ている。

 ◇誰が? どういう人生が? 「予定不調和」が大事

 番組の魅力は、捜索隊が目的地となる一軒家にたどり着く過程に加え、一軒家に暮らす人の“ドラマ性”のある人生を紹介しているところだ。その点について、植田プロデューサーも「VTRに自信を持っています。それを視聴者の皆さんに、ちゃんと認めてもらえた」と自負する。所さんと林さんが番組の収録後に「VTRが本当によくできている」とスタッフの仕事ぶりを絶賛することもあり、「それがディレクターの自信にもつながっているんだと思います」と、裏話も明かした。

 植田プロデューサーは「今は、いろいろなデバイスで“すぐ答えが分かる”。僕らは、その予定調和ではなく『誰が住んでいるのか』『どういう人の人生が聞けるのか』という予定不調和を大事にしています。検索しても出てこない内容が登場するところに、支持が集まっているんだと思います」と分析していた。

 12月29日は午後7時58分から2時間スペシャルを放送する。長崎県・五島列島のある島で99歳の母と70歳の娘の親子が暮らす家、和歌山県で主人が炭焼職人として紀州備長炭を作り、田畑を耕してニワトリを育て自給自足の生活をしていた家族、熊本県の山奥で暮らす6軒の家など、これまでに訪れた一軒家の住人のその後を取材し、紹介する。

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