堀越正己:ラグビー元日本代表がW杯1991年大会語る アイルランド戦で「殺されるかもしれない」と…

ラグビー元日本代表の堀越正己さん=WOWOW提供
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ラグビー元日本代表の堀越正己さん=WOWOW提供

 ラグビー世界最強を決めるラグビーワールドカップの第1回大会(1987年)から2019年の日本大会まで、歴史に残る名勝負19試合が6月7日からWOWOWで放送される。番組では、1991年大会のアイルランド対日本戦も放送。同試合に出場したラグビー元日本代表の堀越正己さんがゲスト解説を務める。今回の放送を前に、自身が先発出場した試合やラグビーワールドカップの魅力などを堀越さんが語った。

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 --堀越さんにとって、ラグビーワールドカップとはどんな大会でしょうか。

 1991年大会でイギリスに行った時、とにかくラグビーというスポーツが人々から愛されていて、みんなが一つになって応援する様を目の当たりにし、「ラグビーってすごいな」と感じたことをよく覚えています。昨年の日本大会開幕前は「本当に盛り上がるのだろうか」という心配もありましたが、国民の皆さんに想像以上の感動が伝わったと思います。地元の埼玉県と熊谷市のアンバサダーとして、大会が盛り上がったことにホッとしています。

 --ホスト国の日本代表は初の予選プール突破、ベスト8という過去最高の結果を残しました。

 この4年間だけではなく、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ時代からの集大成だったと私は思います。2015年大会までの4年間も含め、南アフリカ代表を相手に番狂わせを演じたことが、昨年のベスト8という結果につながったのではないでしょうか。もちろん、ホームで日本の皆さんの応援が後押ししたこともベスト8の大きな要因だと思います。

 --堀越さんが出場した1991年大会、1995年大会の思い出を教えてください。

 1991年大会で、宿沢広朗監督やコーチの笹田学さんたちが食事を作っていたのが強く印象に残っています。電圧の違いでごはんがうまく炊けず、日本大使館に泣きついてお米や炊飯器を用意してもらったという話も聞きました。今の日本代表は非常にいい環境で、戦うことだけに集中できる環境にあると思うのですが、あの時はそうではありませんでした。

 --今回、WOWOWでは過去のワールドカップの中から19試合を放送します。日本代表戦は堀越さんが出場した1991年大会のアイルランド戦とジンバブエ戦も放送予定です。

 特に負けた試合は、映像を見てみないと細かいことを鮮明に思い出すのが難しいのですが、アイルランド戦では初めて国と国との本気の戦いを経験し、 “これがワールドカップか”と思い知ったことはよく覚えています。それまでラグビーをしていて“恐い”と思ったことはありませんでしたが、そのアイルランド戦で初めて“殺されるかもしれない”と感じました。

 --昨年以降の日本のラグビーの盛り上がりをどのように感じていますか?

 すごくうれしかったですね。昨年のワールドカップではお客さんが隣の人と大いに盛り上がり、敵味方関係なく拍手を送って褒めたたえていました。日本のファンも海外の方々からラグビーの楽しみ方を教わったと思います。今年1月に開幕したトップリーグも大いに盛り上がっていましたので、新型コロナウイルスの影響による打ち切りは本当に残念です。

 --今、選手やファンにどのようなメッセージを送りたいですか?

 自分が今できることに力を注ぐことだと思います。世界がONE TEAMになって新型コロナウイルスと戦っていかなければならない時ですから、そのために自分たちに何ができるかを考え、自分にできることに集中してウイルスをやっつけて、収束した暁にはぜひみんなでラグビーをプレーし、観戦し、支えて、思いっきり楽しみましょう!と言いたいですね。

 *……WOWOWでは、「ラグビーワールドカップTM 感動と興奮の名勝負選! ~日本代表 激闘の軌跡~」「~全9大会 決勝の記憶~」を連日放送。堀越さんがゲスト解説を務める「1991年大会 アイルランドvs日本」は、6月7日午後0時45分からWOWOWプライムで無料放送される。また、6月28日午後2時半からWOWOWライブで放送する「1991年大会 日本vsジンバブエ」にも出演する。

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