阿部サダヲ:主演ドラマ「スイッチ」で検事役初挑戦 ヒロイン・松たか子の「『HERO』で勉強」

6月21日放送の「ドラマスペシャル『スイッチ』」に出演する阿部サダヲさん(左)と松たか子さん=テレビ朝日提供
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6月21日放送の「ドラマスペシャル『スイッチ』」に出演する阿部サダヲさん(左)と松たか子さん=テレビ朝日提供

 俳優の阿部サダヲさんが、6月21日放送の「ドラマスペシャル『スイッチ』」(テレビ朝日系)で主演を務めることが6月8日、分かった。「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)「Mother」(日本テレビ系)などを手がけた坂元裕二さんが脚本を務める“大人のリーガルラブサスペンス”で、阿部さんは初の検事役を務める。阿部さん演じる検事と対峙(たいじ)する元恋人の弁護士役は、テレビ朝日のドラマ初出演となる女優の松たか子さんで、阿部さんは、「勉強のために松さんも出ていらっしゃる(フジテレビ系の連続ドラマ)『HERO』を見ました(笑い)」と語っている。

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 阿部さんと松さんは、映画「夢売るふたり」(2012年)で結婚詐欺をはたらく夫婦を演じたほか、舞台や映画で何度も共演しており、阿部さんが“相性100%”というほどの黄金コンビ。今回、阿部さんは横浜地検みなとみらい支部勤務の検事・駒月直(こまづき・なお)、松さんは直の元恋人で横浜ゴールド法律事務所の敏腕弁護士・蔦谷円(つたや・まどか)をそれぞれ演じる。

 学生時代から7年間交際し、別れた後もお互いの恋人を紹介し合うなど、何かにつけて顔をつきあわせ、憎まれ口をたたきあうという微妙な関係を13年間続けている検事の直(阿部さん)と弁護士の円(松さん)。ある日、直が担当する「みなとみらい連続突き飛ばし事件」で死者が出てしまう。事件が一気に深刻化する中、絶対に刑事事件を引き受けないと決めていたはずの円が、連続突き飛ばし事件の被疑者を弁護することになり、元恋人同士の2人が、検事と弁護士として対峙するというストーリー。監督は映画「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」「響 -HIBIKI-」などの月川翔さんが務める。

 「スイッチ」はテレビ朝日系で6月21日午後9時から放送。

 ◇阿部サダヲさんのコメント

 僕、女優さんの中では松さんとの共演が一番多いかもしれないくらい、ご一緒させていただく機会が多いんですよ。なので、今回もまず松さんと共演できると聞いてすごくうれしくて、「台本読みました?」って連絡しました。僕はまだ読む前だったので「どうでした?」って聞いたら、「一回閉じました」っておっしゃっていたんですね。その後に僕も読んだんですけど……。やっぱり一回閉じました(笑い)。なんだろう……。ちょっと多いな、文字がまぶしいなって(笑い)。でも、この会話の応酬って坂元さんの脚本の魅力ですよね。自分では言わない言い回しが出てきて、最初はどうなんだろうって思っていても実際に言ってみると面白いんです!

 とはいえ、ここまでのせりふ量の掛け合いとなると、あまり知らない方とだとなかなか難しいので、本当に松さんとできてよかったなと思います。セリフ合わせもしてくださるし、本番で僕が急に言ったことも全部受け止めてくれるし、僕がセリフを変えちゃってもそれに合わせてくれる……。本当にありがたいです。そんな松さんとの役者としての相性。僕は100%だと思っています。もし今、松さんに100%じゃないって言われたらどうしよう(笑い)。

 僕が演じる直、松さんが演じる円をはじめ、この作品には、普通の人が出てきません(笑い)。みんな一見普通に見えるんだけど、「なんだ、この人?」っていうキャラクターばかりで面白いんです。

 僕自身、検事の役が初めてだったので、勉強のために松さんも出ていらっしゃる「HERO」を見ました(笑い)。あと、こういう大人の難しい恋といいますか、一筋縄でいかない恋愛ものをやったことがなかったので、すごく新鮮でした。ヒリヒリするような男と女の掛け合いを見てほしいですね。

 ◇松たか子さんのコメント

 阿部さんともお話ししたんですけど、最初に台本を読んだ時、とてもせりふが多くて……。一回閉じました(笑い)。坂元さんはドラマを作る時に「これってストーリーに必要なのかな?」って思うような人間の側面まで書かれる方なんです。人への愛情がとても深いのか、ものすごい観察眼で人を見てらっしゃるのか。坂元さん自身は本当のところ、どういうことを思って書いてらっしゃるのか知りたいような、知りたくないような(笑い)。この作品にもちょっとおかしな……。というか、とても変わった人がたくさん出てくるんですけど、普通に生活している人たちの中にも結構いるのかもしれないと思って、生々しい話かもしれないなと感じました。

 役者としての阿部さんとの相性……。私は阿部さんにとって100%でありたいと思っています。そうありたいと思わせてくださる俳優さんなんですよ。ご本人にもお伝えしたんですけど、二人だけの長いシーンでも「阿部さんとだからできたんだ!」と思いました。

 以前に坂元さんのドラマ「カルテット」に出させていただいた時もそうだったんですけど、私は特に意識していなかったところを、視聴者の皆さんが深読みして「あそこにあれが映っているから……」とか、いろいろな意見を出し合って盛り上がってくださったんです。今回もそういうふうに、思ってもなかった見方をしてくださる作品になるのか、私も楽しみにしています! どうぞドキドキしながらご覧くださいませ。

 ◇坂元裕二さんのコメント

 阿部サダヲさんと松たか子さん演じる離れられない二人の話です。詳しく言うと、離れられないの前に離れたいけどが付きます。離れたいけど離れられない二人の話です。好きじゃないけど好きだったり、好きだけど好きじゃないだったりもします。ラブストーリーだけどラブストーリーじゃない、サスペンスだけどサスペンスじゃないドラマかもしれません。最高だ最低だ、最低だ最高だと思いながら見ていただけたら幸いです。

 ◇月川翔監督のコメント

 阿部サダヲさん演じる検察官と、松たか子さん演じる弁護士。離れたそうで離れられない二人を、まるで二人で一つの人格であるかのように感じながら演出していきました。お二人の達者な芝居に感嘆し、念願の「坂元裕二脚本」を監督できた幸運をかみ締めつつ。このご時世に新作ドラマをお届けできることをうれしく思っております。

 ◇中川慎子プロデューサーのコメント

 2010年に坂元裕二さんを訪ねて以来、「テレ朝でオリジナルドラマを!」という10年越しの夢が、今回ついにかないました。「40歳を過ぎても、まだまだ生きづらい」そんな不器用で愛すべき40代の元恋人たちを、阿部サダヲさんと松たか子さんという最高の組み合わせでお届けできる幸せ。さらに、大人の恋とサスペンスを見事に映像化してくださった月川翔監督。坂元さんが紡いだ物語を起点に、キャスト・スタッフともに、テレビドラマの枠にとらわれない素晴らしい才能が結集してくださって誕生した今作。どうかご覧ください。

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