ドラえもん
大みそかだよ!ドラえもん 1時間スペシャル 「年越しはスペインで」他
12月31日(火)放送分
CGやイラストの外見でYouTuberとして活動する「バーチャルYouTuber(VTuber)」。YouTuberの新たなスタイルとして注目されているが、日本テレビがVTuberの活動をサポートするネットワーク「V-Clan」を設立して注目を集めている。テレビ局とVTuberというと、一見すると近そうで遠い存在に見えるが、どうして事業をスタートさせることになったのか。「V-Clan」の共同代表を務める日本テレビ社長室企画部の大井基行さんに話を聞いた。
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「V-Clan」は、企業タイアップやイベント企画といった既存VTuberのサポートから、新規VTuberのプロデュースなど、VTuberに関するさまざまなプロジェクトを行う事業だ。キッズに人気で17万人以上のチャンネル登録者を抱える「クマーバチャンネル」のクマーバ・タブリスや、チャンネル登録者数13万人の「あおぎり高校」、忍者系バーチャルYouTuberで、チャンネル登録者数10万人の「朝ノ姉妹ぷろじぇくと」、さらに人気アニメから生まれた「ヤッターマンチャンネル」のカミナリアイなど、個性的なVTuberが数多く参加。約100人のVTuberが参加しており、YouTubeのチャンネル登録者数は合計で250万人を超えている。
新入社員の時から日本テレビで新規事業を起こしたいと考えていた大井さん。「エンターテインメントにテクノロジーを掛け合わせた新しいことをテレビ局でできないだろうか」という思いから、社内コンペに応募。入社2年目の2018年に社長室企画部の新規事業として始動した。
当初はYouTuberを集めたネットワークで考えていたという大井さんだったが、競合も多く、もっと範囲を絞れないかと考えていた中で出合ったのが、「バーチャルYouTuber」の草分け的存在、キズナアイの動画「体力測定をやってみる!」だった。キズナアイが、だだっ広い空間で、上体そらし、立位体前屈などにチャレンジするというもので、初期の人気動画として知られるが、大井さんは、奥行きのあるバーチャル世界や、細部まで動くキズナアイの姿に「こんな面白いものがあるのか」と衝撃を受けたという。
「キャラクターと会話ができるのってすごいじゃないですか。アニメは一方向ですが、VTuberは双方向。テクノロジーの発達で、モーションキャプチャーシステムが廉価に使えるようになった。実写ではできないような表現が映像でできるようになると思ったんです」と語る大井さん。VTuberに、視聴者もアバターになる世界での「バーチャルタレント」としての将来性を感じ、VTuber事業に軌道修正することとなった。
大井さんが、VTuberに感じたというもう一つのメリットは、「外見からの解放」だった。VTuberになることで、テレビで活躍しているタレントとも共演することもできるようになった。2019年7月の日本テレビの音楽番組「THE MUSIC DAY」の配信企画「裏配信☆大魔王の部屋」では、人気VTuberのミライアカリが松平健さんと共演。「VTuberとなじみのない方だからこその反応やリアクションがとても新鮮で、こういうシナジーが生まれるんだと驚かされました」と話す。11月には「バーチャルLOVE~デジタル彼氏はリアル彼氏になれるのか?~」を放送。芸能人たちがVTuberに変身し、見た目の先入観に惑わされず、性格の相性だけで理想の相手を探すという内容で話題を集めた。
こうしたさまざま企画でノウハウを集め、VTuberをどう活用すれば、ファンによろこんでもらえるか分かってきたという大井さんが今年5月に設立したのが「V-Clan」だ。6月からは、お笑いタレントの永野さんがMCを務めた「VTuberおバカぐらんぷり」をライブ配信アプリ「LIVEPARK(ライブパーク)」で開催して話題を集めたほか、7月には延期していたVTuberの大規模イベント「VILLS」をオンラインで開催。3000人以上がオンラインで接続したほか、ドラマ「半沢直樹」(TBS系)の初回放送と同時間帯での配信となったが、ツイッターのトレンドランキングで国内4位、9万ツイートを記録するなど、ヒットドラマのツイートに匹敵するほどの盛り上がりを見せたという。
テレビ局がVTuberをプロデュースする意味とは何なのか。「VTuberはYouTubeだけで収まる存在ではない」と語る大井さんは、「VTuberを次のステージへと持って行きたい」と明かす。「もちろんテレビ番組への出演もそうですが、番組制作のノウハウや、大企業とのタイアップは、日テレだからこそできることだと考えています」。
一方で大切にしたいと語るのはファンの目線だ。メジャー化に古参ファンからの抵抗があるのはよくある話だが、「VTuberについては、かなり喜んでいただいている印象です。まだ色メガネで見られることも多いので、メジャーに入ることで認められた印象を持ってもらえているようですね」と話す。
「『VTuberを知っているのって一部の人だけでしょ』とか言われるのがもどかしい。ファンの年代も広がっていますし、新たな人気キャラも生まれています。VTuberの可能性はこんなもんじゃないんです」と熱っぽく語る大井さん。「評価されなかった人たちがVTuberになって評価されることが出てくるかもしれない。どんな姿にもなれますし、いろんな壁を取っ払って夢をかなえることができるかもしれないんです」。
大井さんは「参加VTuberを1000人まで拡大したいですし、レギュラーで番組もやりたいですね。いろんな場を作ってイベントも企画して、かけ算にして盛り上がっていけたら」と意気込む。8月30日にはライブ配信アプリ「SHOWROOM」でVTuberのオリジナル番組「女子会できるかな?」が配信されるほか、今後もさまざまな企画が予定されている。VTuberと「V-Clan」の未来に注目したい。
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