のん:声の演技の活躍は「すずさんのおかげ」 「かいじゅうステップ ワンダバダ」で可愛いムゲちゃんに

テレビアニメ「かいじゅうステップ ワンダバダ」の第2シリーズに出演するのんさん
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テレビアニメ「かいじゅうステップ ワンダバダ」の第2シリーズに出演するのんさん

 特撮ドラマ「ウルトラマン」シリーズの怪獣たちが子供になった姿で登場する絵本「KAIJU STEP(かいじゅうステップ)」のテレビアニメ「かいじゅうステップ ワンダバダ」の第2シリーズが、NHK・Eテレで9月25日から毎週金曜午後5時20分に放送されている。第2シリーズには新キャラクターも登場し、ムゲラがモデルの新キャラクターのムゲちゃんを演じるのが女優ののんさんだ。劇場版アニメ「この世界の片隅に」で主人公・北條すずを演じたことが話題になるなど声の演技でも活躍するのんさんにインタビューした。

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 ◇「ウルトラセブン」を見てびっくり

 「かいじゅうステップ ワンダバダ」は、小さな星を舞台に、個性あふれる子供の怪獣たちの日常を描く。テレビアニメ第1シリーズの初回放送は、2019年9月~2020年3月。第2シリーズは、「爆笑問題」の田中裕二さん、金田朋子さん、飯田里穂さんも出演する。

 のんさんが演じるムゲちゃんのモデルとなったのは「ウルトラマンコスモス」に登場するムゲラ。物静かな性格で、家で本を読んだり、花に水をあげたりするのが好き。マイペースで、気づくと空想にふけっていることがある。かいじゅうパワーで壊れたものやケガをなおすことができるが、パワーを使うと反動でとても疲れてしまう。

 「可愛いですね。癒やされました。『コスモス』は見ていたんですけど、ムゲラは覚えていなかったです。ムゲちゃんを演じるにあたって、ムゲラが登場するエピソードも見ました。ムゲラも可愛いですね。悪い子じゃないんですよね。ムゲちゃんは、癒やしのパワーを使うと疲れてしまうのですが、そこがツボでした。可愛い怪獣が二頭身になって、可愛さが増して、フォルムの面白さも際だっています。ダダちゃんもオシャレですよね。アートな怪獣がいたり、可愛かったり、オシャレだったり、元の怪獣を見るのも楽しいです。今も色あせないデザイン、フォルムですよね」

 のんさんとの「ウルトラマン」シリーズとの関わりは本作が初めてではない。今年7月に公開された映画「8日で死んだ怪獣の12日の物語」で、ペロリンガ星人を飼っている女性・丸戸のんを演じた経験もある。

 「『8日で死んだ怪獣の12日の物語』は、怪獣映画だけど、怪獣が出てこない不思議な映画で、ペロリンガ星人を飼っているという設定の女の子の役でした。舞台あいさつの日に、岩井俊二監督が『ウルトラセブンを見よう!』と言って、ペロリンガ星人が出てくるエピソードを見たんです。すごく面白くて、すてきなお話でした。不思議な空気の映像で、こういう感じだったんだ……と新しいものを見たような気持ちになりました。実相寺(昭雄)監督が手がけたエピソードだったのですが、アートな作品で、びっくりしたんです」

 ◇マイペースなムゲちゃんはハマり役?

 人間ではなく怪獣の役ということもあり、アフレコは「大丈夫かな?と最初は緊張した」という。

 「緊張していましたが、探っていくうちに、ムゲちゃんを演じることが、どんどん楽しくなっていきました。キャラクターデザインの方や監督と相談しながら演じました。癒やしのパワーを使う時に『ムゲ~』と言うのは、台本にはなかったのですが、現場で決まったり、試行錯誤しました」

 のんさんは、ムゲちゃんについて「本が好きで、植物が好きで、空想好き。夢見る乙女みたいな子なのかな? マイペースで、おとなしいけど、頭の中でいろいろ考えている」と説明する。のんさんと重なるところがあるようにも見える。

 「私も空想にのめり込むと浸っちゃうところが似ていると思います。気持ちがすごく分かるんです。振り回されて、こういう遊びは好きじゃないんだ……と言っちゃったり。ほかのキャラクターも感情表現が素直で、見ていて、すごく楽しいです。のんのままでも、このアニメの世界に入っていけそう。それくらい好きな世界観です」

 ムゲちゃんはまさにハマり役で、のんさんは「うれしいですね。子供の素直な感性を描いたアニメですし、雑念が伝わらないようにしていました」と話す。

 ◇「この世界」で学んだこと

 のんさんは、劇場版アニメ「この世界の片隅に」で主人公・北條すずを演じたほか、テレビアニメ「鬼平」にも出演した。その活躍を「すずさんのおかげです」と話す。

 「現場に入るまでは同じなんですけど、現場に入ると、女優の時は身体表現込みで見せていたものを全部、声で表現しないといけません。声に情報量を詰め込まないとなじまないんです。そこが難しいんです。すずさんを演じる中で分かってきたことで、『この世界』がすごく勉強になりました。私は、声だけでニュアンスを伝えるのが、苦手だったんです。『この世界』で片淵(須直)監督からの演出をいただきながら演じ、映像を見ると、こういうことなんだ……と気付くことがたくさんありました。これができるようになったら、もっといろいろなことができるんだろうな……と」

 アニメの経験が女優としての活動にフィードバックされることもあった。

 「瞬発力がよくなるといいますか。表現の幅が広がりました。昨年、『私の恋人』という舞台に出演させていただいたのですが、声の演技の経験がないとできなかったなということもありました。舞台もせりふで表現するところが大きく、すずさんを演じた経験が役に立ったんです」

 今後挑戦したい役は「いつか少年の役、格好いい女性の役をやってみたいです」と意気込むのんさん。アニメなどさまざまな作品でのさらなる活躍が期待される。

衣装協力: mintdesigns

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