モンスター
#6 変わらないもの
11月18日(月)放送分
連続ドラマ「七人の秘書」(テレビ朝日系、木曜午後9時、初回は20分拡大SP)が10月22日から放送される。「ドクターX~外科医・大門未知子~」(同局系)、「ハケンの品格」(日本テレビ系)、NHK連続テレビ小説「花子とアン」など、数々のヒットドラマを生み出してきた中園ミホさんが脚本を手がけ、女優の木村文乃さんが主演を務める。今作に東京都知事秘書・風間三和役で出演する大島優子さんに、役作りや撮影現場の様子、コロナ禍での仕事やプライベートに対する意識の変化を聞いた。
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今作は、“影の軍団”としてひそかに集められた秘書たちが、副業として「人助け」を請け負い、金や権力にまみれた非情な支配者たちを一掃するというストーリー。大島さんは自身が演じるホテルオーナーの令嬢にして秘書という役どころについて、「ホテルオーナーの令嬢でバイリンガルという役は初めてだなと思い、自分も留学経験があったからすごく楽しみでした」と笑顔を見せるも、「令嬢、お金持ちの娘の役を今までやったことがなくて、どんなだろうと最初はなかなかつかめなかった」と役への第一印象を明かす。
本読みの段階でも大島さんは、「(役を)まだつかめていなくて、他の方もうかがっている様子だし、フェースシールドもしていたので、テンポもなかなか生まれなくて」と不安を覚え、「三和のいろいろな要素をどう表現してキャラクターになろうかなって。ほかのキャストの方の役はキャラがすごく立ちそうだし、自分は立たなかったらどうしよう……みたいなことは思っていました」という。
そうした状況で「痛快に面白く読ませていただき、すごく遊ばせてもらえる脚本。中園さんも含めて『ドクターX』のチームなので、そこに対しての信頼感はありました」と脚本やスタッフ陣が助けになったと語り、「撮影が始まり、みんなのリズムが思っていた以上に早くできたのは、演出などはもちろん、中園さんのト書きやせりふの作り方、各キャラクターの言い回しなどのおかげ」と感謝する。
わずかな報酬で人助けをする影の軍団は、大島さん扮(ふん)する三和のほか、東都銀行の常務秘書・望月千代役の木村さん、銀行頭取秘書の照井七菜役の広瀬アリスさん、警視庁の警務部長秘書・長谷不二子役の菜々緒さん、大学病院院長秘書・朴四朗(パク・サラン)役のシム・ウンギョンさんらが演じている。
大島さんが「和気あいあいで仲が良い」と評する撮影現場で印象に残っている出来事を聞くと、「毎回、水泳のシーンが出てくるのですが、初めて撮影した時に朝から夜までずっと泳いでいた。50メートルのプールを行ったり来たりして結構へろへろだったのですが、木村さんは疲れ知らずなのか、休憩の間もずっとプールに入っていて水と戯れていて、人魚のようでした」と驚いたことを明かす。
さらに「全然疲れないのか上がってこない木村さんとは逆に、菜々緒さんは、疲れて糖分を欲し、更衣室でイスに座って甘栗を食べていました。(菜々緒さんは)運動神経が抜群そうだしすごくタフそうじゃないですか。正反対で面白いなって」とにっこり。自身は、「撮影中だけ入って、あとはシム・ウンギョンさんとおしゃべりしていました」と楽しそうに話す。
新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛期間中、料理をよくしていたという大島さんだが、「“おうち時間”は得意です。インドア派というわけではないけど、ずっと家にもいられる。なかなか外に出られなくて気がめいっちゃう方もいらっしゃると思いますけど、私は換気して気持ちいいなと思ったり、観葉植物に話しかけたりとかして、結構大丈夫ですね」と話す。
自宅での過ごし方のコツを聞くと、「自分の好きな時に寝て食べてって感じですかね(笑い)。それって幸せですよね」といい、「家の中で楽しめるものを見つける技術は学びました。(家の中でも)意外といろいろできて、DIYをやってみたり、手をつけていなかった本を読んだりしました」と自宅での過ごし方の一端を明かす。
“ステイホーム”後には「ソーシャルディスタンスが取れるようなアクティビティー、ゴルフをちゃんと始めました」という大島さんに、仕事に対する考え方や価値観の変化があったかを尋ねると、「無理なく楽しく、ということですね」と答える。
その理由について、「スケジュール的に大変な時もあるとは思いますが、一緒に働いている方とどれだけコミュニケーションがとれるか」と切り出し、「芝居でのコミュニケーションだったり、監督やプロデューサーとも話したりして、一つの作品を作りお届けするのが私たちの仕事。どれだけ結束して通じ合ってできるかに楽しみを見つけられるようになりました」と語った。
今作で演じる秘書のイメージを「おもてなしのプロで、タイムスケジュールなど管理がしっかりしている」と話す大島さん。自身は向いているか?と水を向けると、「向いていないと思います(笑い)。時間にルーズではないのですが、そんなに管理できないと思います。それに昔は結構なタイムスケジュールで動いていましたが、今それを……というのも難しいし、管理する側になるとキリキリしちゃいそう」と苦笑いを浮かべていた。
秘書と影の軍団という二つの“顔”を使い分ける三和だが、大島さん自身、仕事とプライベートの切り替えは「自然に切り替わっているか、コーヒーを飲んでスイッチを入れるかとかですね。でもセットに入ってもボーッとしてしまう時もあり、自分でもよくわからない(笑い)。なるべくスイッチのオン・オフとか表裏とかはないようにはしていて、心のスイッチがあるぐらい」と話す。
三和の注目ポイントについて、「秘書はなるべくクールというかトーンをおとなしく静かめな感じで、普段は令嬢でもあるので、自分をすごく信念を持っていてアピールや主張もするタイプの人間だろうということで、全然違うギャップがあると思います」とアピール。「バイリンガルなので、監督と話しながらその要素を入れていますが、そこが皆さんにうざいなと思われないようになっていたらいい。秘書メンバーそれぞれ、いろいろなキャラクターがいるので、その一つとして楽しんでもらえれば」と語った。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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