ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
藤子・F・不二雄さん原作の人気マンガ「ドラえもん」の3DCGアニメの続編「STAND BY ME ドラえもん 2」が公開された。同作は、原作でも名作として知られる「おばあちゃんのおもいで」がベースで、前作に続き俳優の妻夫木聡さんが大人のび太、女優の宮本信子さんがのび太のおばあちゃんを演じた。妻夫木さんはのび太を演じることを「誇らしい」「とにかくのび太に恥じないように頑張りました」と語る。妻夫木さん、宮本さんに作品への思い、演技のこだわりを聞いた。
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前作「STAND BY ME ドラえもん」は、藤子・F・不二雄さん生誕80周年記念作品として、「ドラえもん」史上初の3DCGアニメとして2014年に公開され、興行収入約83億8000万円を記録。世界中で公開され、全世界興行収入が100億円を突破するなどヒットを記録した。続編は、「おばあちゃんのおもいで」をベースに、オリジナル要素を加えて再構築。のび太としずかの結婚を巡るラブストーリーが描かれた前作に続く物語で、2人の結婚式当日が描かれる。前作と同じく八木竜一さんが監督、山崎貴さんが脚本・共同監督を務める。
――出演が決まった時の感想は?
妻夫木さん 前作でものび太(大人のび太)を演じさせていただいたので、また呼んでいただけるといううれしさがありました。それと同時に、今回は大人のび太がメインで登場するので、より一層大人ののび太らしさを出すことを念頭に置いてやっていました。「ドラえもん」という国民的マンガで、のび太を演じさせていただくのは、僕自身誇らしいことなので、とにかくのび太に恥じないように頑張りました。
――今作は「おばあちゃんのおもいで」がベースとなっています。脚本を読んだ時の感想は?
妻夫木さん 僕は「ドラえもん」の中でも「おばあちゃんのおもいで」が一番好きなエピソードなんです。それがベースになりつつ話が進んでいくので、最初からがしっと心を掴まれた感じがありましたね。
宮本さん おばあちゃんとしてはひたすらのび太が可愛いので、妻夫木さんでよかったなと思います(笑い)。
――宮本さんは、おばあちゃんにどんな印象を持ちましたか?
宮本さん おばあちゃんのお顔を拝見していると、えも言わず素晴らしいお顔ですよね。おばあちゃんは、どういうふうに生きてきたのかしら、どういうふうに息子を育てて、家庭を築いてきて、こういうお顔になったのかしらと、その人生を想像しました。非常に演じるのは楽しかったですね。おばあちゃんが生きた時代的に相当な苦労もあったと思いますし、そういうことも全部自分の中にないとせりふを言えないので、いろいろなことを想像して演じました。
――妻夫木さんは、宮本さんが演じるおばあちゃんを見て、どう思いましたか?
妻夫木さん もう素晴らしかったです。最初におばあちゃんが出てきて、宮本さんが一声発した時、それから涙腺が崩壊しちゃって。おばあちゃんが出てくるたびに、泣いてしまっていました。宮本さんが表現される全てを包み込むようなおばあちゃん像が素晴らしいんです。母性の塊というか。そういう温かさをすごく表現されていて、これは宮本さんでしか出せなかったことなんだろうなと思いました。
宮本さん いやいや、そんなことないと思いますよ。褒めすぎですよ(笑い)。私は妻夫木さんがのびちゃんに見えちゃうんです。だから普段も丸いメガネをかけていただいたら……(笑い)。それは冗談ですけど、それぐらいお声とのびちゃんの性格が本当にぴったりで、妻夫木さんじゃなきゃできなかっただろうなと思います。
――妻夫木さんは、前作に比べて大人のび太を演じる上で変わったことや、気をつけたことは?
妻夫木さん 今回は感情が揺れ動くことが多かったです。コミカルな部分も大いにありますし、のび太のふがいなさや、それでも負けないという力強さ、温かさとか、いろいろな場面がありました。そのメリハリをとくに気をつけようと思いました。ただ、普段声優をやっているわけではないので、感情のお芝居に持っていきがちなのですが、その中でも声のお芝居ということを頭に置いて、声で表現することを意識していました。
――印象的なシーンを教えてください。
妻夫木さん 最後の結婚式ののび太のスピーチの場面ですね。僕自身が感情的になりすぎると、見ているお客さんには冷めた目で見られちゃうかなと思ったりもしましたし、かといって感情を入れなさすぎると淡々としすぎて物足りなくなる。そこは監督と相談しながらやらせていただきました。
宮本さん 私はおばあちゃんの「おばあちゃんは、ここで待ってるから」とのびちゃんに話すシーンが印象的でした。「いつでも来ていいのよ」とのびちゃんに言ってあげているような、本当に好きなせりふです。
――本作の見どころは?
宮本さん そういうことはこちらから言うことではありませんので、ご自由にこの「STAND BY ME ドラえもん 2」を見て、何かを感じたり、泣いたり、笑ったりしていただけたらと。今、心に鬱々としたものがあれば、それを慰めることができたらいいなと思いますけど、強要はいたしません。映画はそういうものだと思っていますので。
妻夫木さん 僕も宮本さんと同じく、こういうふうに見てほしいとは思わないですね。「ドラえもん」って、国民的マンガだし、みんなのマンガだと思うんです。それぞれに思い入れがある。「STAND BY ME ドラえもん 2」は、「ドラえもん」の中でもすごく人気があるとても有名なお話を大事に扱って、本当に宝箱のような映画になっていると思うんです。だから、皆さんにとっての宝物を、この宝箱の中から探せると思うんです。それぞれの思い出を照らし合わせながら映画を見てもらえると、なお一層思い入れが深くなるんじゃないかなと思います。
――本作は「ドラえもん」誕生50周年記念作でもあります。「ドラえもん」の魅力は?
宮本さん 50年続いているというだけで、どれぐらい皆さんに支持されて、愛されているかということですから。それも日本だけじゃなくて世界に波及している。その魅力は言葉で説明することではなくて、「ドラえもん、好き!」「愛してる!」という思いで、皆さんご覧になるんじゃないかと思いますね。
妻夫木さん やっぱり「ドラえもん」には、夢がいっぱい詰まっていますからね。「ドラえもん」を通じてこの50年、いろいろな子供たち、大人たちが夢を見てきたんだと思います。それに、40歳になる僕も「これからも夢を見続けさせてほしいな」と思っています。それはこれからも変わらないと思いますね。
宮本さんが表現するおばあちゃんはとても温かい。そんなおばあちゃんから愛情を注がれ、頼りないけれど真っすぐに育ったのび太を妻夫木さんが好演している。2人の優しいやり取りを見守りたい。
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