森七菜:「恋あた」で初の連ドラ主演、「エール」で初の朝ドラ出演も… 大活躍の今年は「また作品に助けられた年」

ドラマ「この恋あたためますか」で主演を務める女優の森七菜さん(C)TBS
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ドラマ「この恋あたためますか」で主演を務める女優の森七菜さん(C)TBS

 「今年はすごい一年だね、って言われ始めたことに、ちょっと驚きもあったり……。自分の中とか、周りの人たちの顔ぶれもそんなに変わらなかったから、ナチュラルに、フラットにいけてるなと思っています」。初の朝ドラ出演に、初の連ドラ主演と、活躍が続いた今年を振り返ったのは、火曜ドラマ「この恋あたためますか(恋あた)」(TBS系、火曜午後10時)で主演を務める女優の森七菜さん(19)だ。森さんに、自身が演じる井上樹木の印象や、女優としての今の思いを聞いた。

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 ◇回を重ねて「樹木が自分の中に浸透」

 ドラマは、21歳のコンビニアルバイトの井上樹木(森さん)と、樹木が勤めるコンビニチェーン「ココエブリィ」の社長・浅羽拓実(中村倫也さん)が、コンビニスイーツの開発を通して、次第にお互いを意識し、引かれ合うようになる……というオリジナル脚本の物語。スイーツ制作専門の会社「ドルチェキッチン」に所属し、樹木と共にスイーツ開発をする新谷誠役を仲野太賀さん、「ココエブリィ」商品部スイーツ課に勤務する北川里保役を石橋静河さんが演じている。

 撮影終わりで取材に応じてくれた森さん。今作が初の連ドラ主演ということから、「『(これまでとは作品に向かう気持ちが)違うのかな?』と思って、身構えそうにもなったんですけど」と明かしながらも、「今までも必死でやってきたし、(自身が出演した)今までの作品を見て選んでくださったので、今まで通りのスタンスでやっている方がいいんじゃないか」と思い、撮影に臨んでいる。

 森さん演じる樹木は、「ココエブリィ」上目黒店・アルバイト店員だったが、ある日浅羽と出会ったことがきっかけで、コンビニオリジナルのスイーツ開発を手掛けることになった。

 第1話の台本を読んでいるときから、樹木は「制限がない子」と感じたという。言葉遣いが悪く、あぐらをかいたりするキャラクターでもあり、「気持ちを抜いて、家にいるような感覚でカメラの前に立つことで、よりラフにお芝居できているような……。そのままの素直な気持ちでお芝居できている気もします」と明かす。

 回を重ねるにつれて、「樹木が自分の中に浸透していっている」ような感覚があり、楽しみながら演じているが、「日常生活でも結構支障が出てきて、ずっと力を抜いているから、普段の口数がめちゃくちゃ減ったり、ずっとぼーっとしていたり、あぐらをかいちゃったりするので、そこが弊害です(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話す。

 ◇中村倫也の“浅羽”? 仲野太賀の“新谷”? 好きなタイプは…

 樹木はこれまで、浅羽に思いを寄せる姿が描かれてきたが、12月1日放送の第7話では、仲野さん演じる新谷と付き合う展開に。森さん自身は、「あれだけまっすぐ言ってくれるし、なんでまこっちゃんにしないんだろう」と思っていたと振り返る。樹木、新谷、里保の3人でいるシーンでの、新谷の名前の呼び方が違うと話し、「樹木に言うときの方が優しいんですよね。私の見どころポイントです!」とにっこり。

 「“まこっちゃん”みたいな優しい人がいい?」との質問には、「え~! タイプってタイプが本当になくて……」と答えた森さん。「……話していて、『うん』とか『ん?』とかがすごく優しい人がいいなって。それは一番自然と出ちゃう言葉だから、そこが優しい人は、本質から優しそうだなって思って。そういう人がいいです」と告白した。

 第4話では、浅羽への気持ちを諦めようとして、ポロポロと涙を流す樹木の姿が描かれ、第6話では、樹木が浅羽に対して勢いで「好き」と伝えるシーンも登場した。そんな樹木の恋愛スタイルは、森さん自身は「理解できない(笑い)」といい、「とっさに『好きなの』と言っちゃうのも難しくて……。好きな気持ちをあきらめないといけないときに、あれだけ気持ちがこぼれるというのも、私の人生上で初めてですね」と明かす。

 新谷から樹木への不意打ちキスシーンもあったが「緊張しました。今回、受け身だったからよかったんですけど……」と振り返る。家族や友人もドラマを見てくれているといい、「ラブストーリーだからこそ、注目される部分もありますし……みんなびっくりしています(笑い)」と照れ笑いしていた。

 撮影現場の雰囲気は良く、とくに第6話で描かれた上目黒店の研修旅行の撮影は「めちゃめちゃ楽しかった!」という。「本当に同じコンビニで働いているような気分になったり、あの撮影でぐっとまた仲良くなったなと思います」と話す。

 「みなさん、本当に面白い方で、だんだんそれぞれの役割が決まってきたというか(笑い)。(『東京03』の)飯塚(悟志)さんは基本的にツッコんでくださって。みんなすごい年下なのに、飯塚さんのこといじったりして、『違うだろ!』っていう流れがあったり(笑い)。みんな撮影を楽しんでるから、うれしいです」と話す。

 中村さんからは、「台本を読んでてわからないこととか、気になったことがあったら、全部言ってね。相談してね」と声をかけてもらっているといい、「本当に頼らせていただいてます。いろいろなことを教えてくれて、その全部を吸収したいと思って。すごく居心地がいいです。中村さんを絶対的に信頼しています」と話す。

 ◇今年大活躍 コンプレックスも明かす

 そんな森さんは、2001年8月31日生まれ。大分県出身。2016年に大分県内でスカウトされ、芸能界入りした。昨年は、連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)、NHK「少年寅次郎」などに出演したほか、新海誠監督の劇場版アニメ「天気の子」ではヒロイン・天野陽菜の声優を務めた。

 今年1月公開の岩井俊二監督の映画「ラストレター」では一人二役をこなし、主題歌「カエルノウタ」で歌手デビュー。窪田正孝さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」(総合)で、ヒロイン・音(二階堂ふみさん)の妹・関内梅を演じ、大きなメガネがトレードマークの文学少女“梅ちゃん”として人気を集めた。

 ドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」(読売テレビ・日本テレビ系)ではナレーションを担当。映画「青くて痛くて脆い」(狩山俊輔監督)、「461個のおべんとう」(兼重淳監督)も公開された。

 さまざまなジャンルで大活躍となった今年について、「『エール』も、『この恋あたためますか』の主演っていうのも、ホントにすごいことだなって思いますが、『天気の子』も、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』も、本当に作品の力が大きくて。また作品に助けられる年だなというのをすごく感じていて……」と話した森さん。

 街中で声をかけられることが多くなるといった変化もあったが、森さん自身は、変わっていない。“女優”という肩書きにも、「『女優さん~?でもないですよ?』と思う(笑い)」と話し、「『女優の森七菜です』ってカンペに書かれていたりしますが、なかなかこの文字難しいな、と思ったりもするんですよ(笑い)」と率直に明かす。

 「これから自信を持って(女優の森七菜と)言う日が来るのかなって。そんな自分を想像するとちょっと恥ずかしくもなりますけど(笑い)」と表現しつつも、求められる限り、女優業は続けていきたいと考えている。

 「このお仕事を始めて、まだ4年しかたっていないんです。それでも、私よりももっとやって来た方と対等に“大人”として扱われるから、そこがちょっとだけコンプレックスでもあるんです。(キャリアが)短くて、その分未熟だなと思う部分もあるので、早く埋めないといけないという焦りはちょっとあります。そこを埋めていくことを頑張りたいというのはありますね」。 

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