内田雄馬:「あさチャン!」のナレーションは「毎朝戦い」 「届ける相手を常に考える」声優に

「あさチャン!」のナレーターを務める内田雄馬さん
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「あさチャン!」のナレーターを務める内田雄馬さん

 昨年9月末からTBS系の朝の情報帯番組「あさチャン!」(月~金曜午前6時)でナレーターを務める声優の内田雄馬さん。内田さんは「BANANA FISH」「アイドルマスター SideM」「マクロスΔ」などさまざまなアニメに出演してきた人気声優で、情報番組のナレーションを担当するのは初めて。「毎日毎日朝から戦いだな!と実感している」という。内田さんに、ナレーションの難しさや面白さ、声優として大事にしていること、2021年の意気込みを聞いた。

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 ◇「あさチャン!」が「誰かのきっかけに」

 「あさチャン!」のナレーションのオファーがあった際、内田さんは「自分にオファーがあるとは思っていなかった」と、驚きと共にうれしさを感じたという。

 「情報番組のナレーションの経験はないですし、僕が普段やっているアニメの仕事とは畑が違うとも思っていたので、お話をいただいたこと自体がうれしかったです。声の表現をする中で、声だけで情報を伝えることにすごく興味がありました」

 内田さんは毎朝、TBSのブースでその日の原稿を受け取り、収録をしている。生でナレーションすることもあり、「爽やかな朝を皆さんと一緒に過ごせるようなナレーション」を意識しているという。

 「毎日違うものを伝えていくというのは、かなり脳を使わなければいけないし、毎日毎日『朝から戦いだな!』と実感しています」

 情報番組のナレーションは、「僕が今までやってきたこととはかなり違う」といい、難しさと共に楽しさも感じているという。

 「感情を入れないのが一番難しいです。お芝居では、セリフでキャラクターの感情を伝えますが、情報番組のナレーションはその逆で、自分の感情が乗りすぎると、偏ったニュースになってしまいます。だから、情報だけをしっかり伝える。でも、それが聞き取りづらくならないように皆さんに分かりやすくお伝えする。これがすごく難しいです。一方で、原稿から『これは何を伝えようとしているのか』を読み取るのは、楽しさかなと思います。原稿から伝えたいことを読み取って精度を上げることが、視聴者の方の聞きやすさにつながる。それをどこまで突き詰められるかが楽しいです」

 「あさチャン!」でナレーションを務めることが「誰かのきっかけになれば」という思いもある。

 「周りの方々から『毎日楽しみにしています』『早起きを始めてみようと思います』といった声をいただくことがあるんです。『あさチャン!』のニュースを見て、何かを始めてみようとか、世の中の情報を追うことが習慣になるとか、見ている人が何かを始めるきっかけになったら、すごくうれしいですね」

 ◇声優は「聞いてくれる人がいるから成り立つ」 届く表現を

 内田さんは、2012年に声優デビューし、さまざまな作品でメインキャラクターを演じ、2018年にはアーティストデビュー。2019年には第13回声優アワードで主演男優賞に選ばれた。大活躍中の内田さんに声優として大事にしていることを聞いた。

 「お芝居でもナレーションでも、歌でも、声の仕事は聞いてくれる人がいてくださるから成り立っているので、全てにおいて届ける相手のことを考えることが大事だと思います。常にいろいろな人のことを見たり、聞いたり、意識したり、感じたりすることで、誰かに届く表現は生まれるんじゃないかなと思います」

 内田さんは2020年を振り返り、「コロナ禍もあって、一度立ち止まらなきゃいけない瞬間がありました」と話す。

 「家で一人でいろいろなことを考えていると、あまりいいことは思い浮かばないんです。僕は明日のことすら不安に思うタイプなので、『(コロナ禍で自分の)将来はどうなってしまうのだろうか……』と。でも、誰かと仕事で話をしたり、電話をしたり、コミュニケーションをとると、すごく自分の気持ちも明るくなったし、前向きなことがどんどん浮かんできました。それが自分にとっての楽しさなんだなと今の時代になって改めて気付けた。僕は人とのコミュニケーションが好きで、こういう仕事をやっているんだなと思いました」

 2021年は「よりたくさんの人とコミュニケーションできる形を模索していきたい」と力を込める。内田さんの今後のさらなる活躍に注目したい。

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