異世界魔王の“裏側”:第2回 桑原智監督 女性キャラの一瞬の素の可愛さを 異世界設定のこだわり

「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω」の一場面(C)むらさきゆきや・講談社/異世界魔王Ω製作委員会
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「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω」の一場面(C)むらさきゆきや・講談社/異世界魔王Ω製作委員会

 講談社ラノベ文庫(講談社)のライトノベルが原作のテレビアニメ「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」の第2期「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω」がTBS、BS-TBSで放送されている。同作のスタッフが制作秘話を語る「異世界魔王の“裏側”」。第2回は桑原智監督に作品の魅力などを語ってもらった。

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 ◇異世界ものは癒やし、ビタミン剤として求められているのかも

 --原作を読んだ印象は?

 それぞれのキャラクターが非常に魅力的でひきつけられましたし、何より主人公のディアヴロが格好いい! シリアスとギャグのバランスも心地よく、世界観にグイグイ引き込まれました。新ヒロインのルマキーナを始め、ホルン、ロゼ、ラムニテスと今回初登場のキャラクターも濃くて(いい意味で)、いろいろな角度で感情移入を楽しめる作品だと思います。また、ディアヴロが今期は結構ピンチになるので、ハラハラドキドキしましたね。

 --アニメ化にあたり、一番大切にしようとしたことは?

 原作の世界観とキャラクターを壊さないように表現しつつ、その上でさらにアニメーションならではの魅力をプラスできたらと思いました。原作ファンの方はもちろん、第1期からのファンの方、このシリーズから初めて見るという方にも喜んでいただけたらうれしいです!

 監督をやるにあたり、ディアヴロを正義のヒーローのような扱いにするのだけは避けるように注意しました。そうなってしまうと原作の魅力が半減してしまいますからね。また、可愛い女の子がたくさん登場するので個性を大切にして表現するように気を付けました。第1期からのレギュラーキャラクターであるシェラ、レムが非常に強いキャラクターなので(魅力といった意味で)それに負けないようなキャラクター作りに気を付けました。

 --女性キャラクターを可愛く見せるために意識していることは?

 ビジュアルの可愛さ美しさはもちろんのこと、内面の可愛さを伝えられるように気をつけています。また、キャラクターの素の表情、例えばボーッとしているとか、少しアホっぽいとか、ワタワタしているとか、一瞬の素の可愛さを大事にしています。あ、こんな表情見せるんだ!的な発見をしてもらえたらうれしいですね。泣いたり、怒ったり、笑ったり、いろいろな表情を見せてキャラの内面の魅力を表現していますので、そんなところも注意して見てくださると我々制作スタッフもうれしいです。

 --主人公のディアヴロの魅力は?

 やはり、なんといっても内面と外面のギャップですね。実は、慌てたり焦ったり動揺しまくりなのに、実際のディアヴロは、誰よりも頼りになる異世界の魔王で、真っすぐに敵に向かっていく。そしてめちゃくちゃ強くて熱い! この振り幅が、非常に魅力的です。彼は自分を持っている人だと思うんですよね。自分の判断基準があって、自分の正義がある。それを侵略されることを許さない人なのかなと思っています。それは視聴者にとってはキャラクターの揺るぎない信念に感じることができると思うんです。

 --異世界ものブームをどのように分析している?

 日常って思うようにならないし、嫌なことも起きます。このご時世、自粛疲れもあり、先が見えづらい。だから異世界に思いをはせるのではないかと思います。癒やしとかビタミン剤として求められているのかもしれないですね。また単純に、閉塞感のある現実社会から飛び出して、ディアヴロのように暴れまわりたいって気持ち、私もあります。可愛い女の子も側にいてくれますし(笑い)。


 ◇お色気シーンは内面を表現するために必要不可欠

 --お色気シーンも魅力の一つですが、表現で気をつけていることは?

 ちょうどいいお色気って、本当に難しいです。やりすぎて押し売りになってもいけないですし、キャラクターのイメージを守りつつ、魅力を最大限に引き出すことができる着地点を探しながらいろいろ挑戦しています。あと、ディテールには気を使って作画してもらいました。美しい肌の表現であったり、下着の表現だったりと。私はこの作品で、お色気シーンと呼ばれるものはキャラクターの内面を表現するために必要不可欠なものだと思って描いています。強そうなキャラクターが実は内面では弱かったり、またその逆もあったりと。キャラクターとキャラクターの絆を描くことでも大切だと思っております。

 --作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 この作品が大好きなので監督をできたことがうれしいことですね。登場するキャラクターは全て好きなので、いろいろなキャラクターの表情を表現できたことが楽しかったです。制作していると大変なことだらけなのですが、この作品は設定が非常に多く、スタッフにも大変な苦労をお掛けしたと思います。登場するキャラクター自体が多いですからね(笑い)。それが魅力でもあるのですが……。

 例えばディアヴロ、レム、ホルンのコスチュームが作品途中で変わるので結構大変でした。また、たくさん登場する召喚獣のデザインも個性的なキャラクターにしなければいけないので、一体ずつ丁寧に制作してもらいました。細かいところですが、食べ物なんかもこだわっていて、ファルトラで食べているものと王都で食べているものは違うんですよね。このような異世界設定だと現実のものが使えないので全て想像をして作らなければいけないので、スタッフには苦労かけましたスミマセン。

 あとは役者さんにも収録で苦労をお掛けしまして、新キャラのルマキーナ、ホルン、ロゼとキャラづくりでいろいろとお願いをして、チャレンジしてもらいました。ありがとうございました。

 --終盤に向けて見どころは?

 シリーズのラストに向けて大きな闘いがあるので、ディアヴロの前に登場する最強、最大の敵との壮絶なバトルを楽しみにしていてください。この旅の結末はどうなるのか、ルマキーナは正義を貫けるのか?ディアヴロはどうするのか?

 レム、シェラ、ロゼそしてホルンも大活躍します。あと新キャラも続々と登場しますので、お見逃しなく。当然、皆さん期待する方も多いと思いますがお色気シーンもバッチリありますのでご期待ください。あとあと、最後の最後に「えええーっ」っていう衝撃の事実が判明しますので絶対に見てください、お願いいたします。

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