女子サッカーがテーマのマンガが原作のテレビアニメ「さよなら私のクラマー」。「四月は君の嘘」で知られる新川直司さんの「さよならフットボール」「さよなら私のクラマー」が原作で、劇場版アニメ「映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ」が6月11日に公開されることも話題になっている。蕨青南(わらびせいなん)高校女子サッカー部1年生の白鳥綾を演じる古城門志帆さんは「場の空気が変わるように表現したい」とアフレコに臨んだという。古城門さんに、同作への思いを聞いた。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
女子高生が泥臭く、がむしゃらに、自分の夢に向かって突き進むストーリーに魅力を感じました。高校生の夢は、将来に直結する夢ではないかもしれませんが、夢を抱いて、夢をつかむために努力する彼女たちに強い魅力を感じました。
白鳥綾はイタリアに憧れている女の子で、常に目立っていたい!輝いていたい!と思う気持ちがダダ漏れている女の子です。作品の初めの頃は、フォワードなのに点を決めることができず、決められてもごっつぁんゴールばかり。サッカーのルールをあまり理解しておらず、がむしゃらにボールを追いがち、オフサイドをとられがちで、足を引っ張ってばかりいます。でも、回を重ねるごとにチームに貢献していけるようになっていくので、うまくなるための努力もがむしゃらにしているんだと思います。
白鳥がシーンに入ってくることで、場の空気が変わるように表現したいと思いました。白鳥はとてもポジティブでマイペースなんです。強豪チーム相手でも、空気に飲まれない強さをもっています。ワラビーズがピリッとしてる時も、気おされている時も、よくも悪くもゴーイングマイウエー。そのおおらかさがチームの緩衝材になればいいな、と思っています。「しらとりいぃぃぃぃ!!」とみんなからつっこみを入れられることが多いですが、そのやり取りで、ワラビーズの団結力が高まったらいいなと思って演じました。
コロナ禍ということもあって、みんなで一緒に録音するという形はとれなかったのですが、現場の空気は和気あいあいとしていて、とても楽しかったです。「クラマー」の現場にいると、役者さんみんな同い年なんじゃないかと思ってしまうような、チーム感がありました。それは座長の島袋(美由利)ちゃんをはじめ、スタッフさん、キャストの皆さんが醸し出して下さっていた雰囲気によるものだと思います。アフレコしている時はもちろんのこと、そうでない時も、会話の端々につっこみを入れてくれて、私は常に白鳥でいられるような現場で、役に入り込みやすかったです。
サッカーの専門用語や、有名なプレーシーンのオマージュなどが多数出てくるので、事前に調べてから収録に臨むようにしていました。少しでもサッカーファンの方々と同じ温度感で「このプレーはこうだからたぎるんだ!」というのを感じたくて。実際に調べてから現場に臨んでも専門用語のアクセントなどは難しく、監督の宅野さんや音響監督の鶴岡(陽太)さんが細かくアクセントを調整してくださることもありました。
ーーサッカー経験は?
小学生の頃は球技が得意だったので、学校のサッカー大会の時にチームリーダーに選んでもらったことがありました。でも、その時にオフサイドというルールを理解していた記憶が全くないので、今思うと、よくファールをとられていたのは、オフサイドが原因だったのかも……。サッカーのオフサイドとバスケットボールのダブルドリブルのルール内容を知ったのは成人してからだったような気がいたします……。
中高生の時、部活動は演劇部で、朝練、放練、土日練習と、毎日お芝居漬けの日々を送っていました。物心ついた時からお芝居をすることが大好きだったので、毎日とっても楽しかったです。その頃はお習いごとでもミュージカルをやっていたので、頭の中は常にお芝居のことでいっぱいでした。元々、一人遊びも好きだったのですが、一人ではできない創作物の面白さに気づいたのは中高生の頃だったように思います。
決して一人ではできないスポーツ、フットボール。一人では生み出せないプレーや、一人では味わうことのできない感情が細かく描かれている作品です。「さよなら私のクラマー」に出てくる登場人物たちは、一人一人の魅力がチームの魅力につながることを知っています。だからこそ罵声も飛び交いますが、個性を潰すことはしません。自分の居場所を探して、ピッチにたどり着いた少女たちの努力と熱量を、ぜひ目に焼き付けてください!
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