ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
「甲鉄城のカバネリ」「進撃の巨人」などのWIT STUDIOが制作するオリジナルテレビアニメ「Vivy - Fluorite Eye’s Song-(ヴィヴィ-フローライトアイズソング-)」。AIを滅ぼす役目を背負ってしまったAIのヴィヴィの100年の旅を描いている。宇宙ホテル・サンライズで働くAIスタッフのエステラを演じる日笠陽子さんは「AIなのかな?人間なのかな?と分からなくなる」と語るように繊細な演技でAI役に挑んだ。日笠さんにアフレコの裏側を聞いた。
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「Vivy」は、人気小説「Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)」の長月達平さん、アニメ「リゼロ」の脚本を手がけた梅原英司さんがシリーズ構成、脚本を担当するなど豪華スタッフが集結。歌姫として活動していたヴィヴィの元、マツモトと名乗るプログラムが転送される。マツモトは自身を100年後からやってきたプログラムといい、未来で起こる人間とAIの戦争を防いでもらいたいと依頼。ヴィヴィ、マツモトが戦争を回避しようとする。TOKYO MX、MBS、BS11ほかで放送中。
日笠さんが演じるエステラは3、4話に登場。正史ではサンライズを地球に落とす事件を引き起こしたAIとされており、ヴィヴィとマツモトが阻止しようとする。エステラは物腰が丁寧で、包容力があり、親しみやすい性格をしている。一方、エステラの双子機で、実験後に廃棄されたエリザベスは反AI組織トァクに拾われ、非常に攻撃的な性格となった。「Vivy」に登場するAIは、それぞれに個性がある。
「ヴィヴィはこれから人の心を知っていくAIなのに対して、エステラは人との関わりを知っていて、経験値がヴィヴィよりもある。仕事とはどういうものかも理解していて、全うしようとする意思、信念があります。そこをしっかり出そうと思っていました。大きく傷ついた心の穴をオーナーが埋めてくれて、人間っぽく成長させてくれたんだと思います。オーナーと出会ったからこそ、誰かに何かを伝えられるようになったのかもしれません。エリザベスは、エステラにとって双子の片割れのような存在と捉えています」
エステラはAIではあるが、AIであることを意識しすぎないようにしていたという。そこで“息問題”が発生したという。
「息をどの程度入れるのか?を考え、AIなのかな?人間なのかな?と分からなくなるように演じようとしました。一息多くする……など細かい部分なんですけどね。3話の終わりで、エリザベス役の内山夕美ちゃんがアドリブで息を入れているのを見たのは、見解が一緒!と思えた瞬間でした」
エステラと内山さんが演じるエリザベスは姉妹機だ。日笠さんは前述のようにエリザベスを「双子の片割れ」のように感じているというが、内山さんの演技を意識したのだろうか?
「寄せていこう!というわけではなくて、お互い思い思いに演じました。付き合いが長いので、信頼感がありますしね。声質、雰囲気が似た部分があると思んです。世界を三つくらいに分けたら、私と同じジャンルになるのかな? 姉妹というのも分からないでもないんですよね」
主人公・ヴィヴィ役の種崎敦美さん、100年後の未来からやってきたAIのマツモト役の福山潤さんら豪華声優陣の熱演も話題になっている。とにかく早口で説明ぜりふも多いマツモト役の福山さんの演技も印象的だ。日笠さんは「マツモトをやるために生まれてこられたの? 当て書きなのかな?と思うくらいぴったり」と絶賛する。
「福山さんには、マツモト口調で作品のことを説明していただきました。種崎ちゃんもゆったりしているし、私もゆったりなので、途中から空を見上げていましたが(笑い)。福山さんは、人間を超えたAIなのかな?ってくらい頭の回転が速い。福山さんの話を聞いた後に、種崎ちゃんに噛み砕いてもらいました(笑い)」
福山さんが演じるマツモトは、難しいであろう設定などを早口で説明する。早口だから、頭に入ってこない……ということもなく、すんなりと理解できるから不思議で、卓越した技術、演技力に圧倒された人も多いはず。日笠さんは、そんな福山さんの演技について「同じ役者として悔しいです」と明かす。
「本当にすごい!と思います。福山さんとは、これまで何度も共演させていただいていていますが、私とは真逆の存在で、犬猿の仲みたいな(笑い)。福山さんがワーッとしゃべって、私が理解できなくてキレるという流れがあって……。ネタですよ! 『Vivy』では、マツモトをどんどんパワーアップさせて、尺が決まっている中で、尺が余ってしまうことがあったらしいんです。すごいですよ。ズルいな!って」
「Vivy」は“深い”アニメだ。YouTubeで配信中のウェブラジオ番組でも種崎さん、福山さん、日笠さんら声優陣が考察を熱く語っている。日笠さんは「考察をすると止まらないんですよね。それぞれ感じることが違うはずですし、発見があります」と感じているという。
「3、4話は宇宙ホテルの話ですが、それぞれのエピソードで時代が違いますし、同じ作品だけど別作品に迷い込んだようで、不思議ですよね。演じている時は分からなかったけど、放送を見て、考えさせられるところもあります。AIの心のありかはどこなのか? 感情はどこからきているのだろうか?と。私の見解ですが、AIも誰かと関わることで、変わっていくのかな?と思っています。触れ合いがポイントになっているのかもしれません。2話でヴィヴィとマツモトが握手するシーンがあって、言葉だけでは気付けないことが分かる……とも感じました。4話もエリザベスとエステラの手のアップで終わります。そういうところに意味を見いだしたり」
今後の展開について「最後がどうなるか絶対教えてくれないんですよ。皆さんと同じく気持ちで一緒に驚いたりしたいです。エステラのようにお供をさせていただければ」と語る日笠さん。オリジナルアニメということもあり、ラストは分からないが、きっと驚きの展開が待っているはず。最後まで目が離せない。
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2024年11月22日 10:00時点
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