水曜日のダウンタウン
電気イスゲームトーナメント 1回戦第2試合 ほか
11月20日(水)放送分
数々の映画、ドラマで主演やヒロインを務めるなど存在感を発揮している女優の松本穂香さん。主演を務めるWOWOWの連続ドラマ「グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ」では、格闘マンガの内容をボーイズラブ(BL)に置き換え、登場人物たちへ思いを寄せる“腐女子”児島あかねを演じる。松本さんに、ドラマの撮影エピソードを聞くとともに、これまでの道のりや今後の理想などについて聞いた。
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ドラマは、BL研究家の金田淳子さんが板垣恵介さんの人気格闘マンガ「グラップラー刃牙(ばき)」(秋田書店)シリーズを読んで「この作品、濃厚BLなのでは?」と発想して書いたエッセー「『グラップラー刃牙』はBLではないかと1日30時間300日考えた乙女の記録ッッ」(河出書房新社)が原案。文房具メーカーに勤める児島あかねは、身近にある、ごくありふれた物までBLに置き換えてしまうBL愛好家。「グラップラー刃牙」を読んでキャラクターたちの肉体美や言動にBLの可能性を見いだし、“腐女子”仲間と会話するのが幸せだったが、上司や後輩、同級生との再会で平穏な日々が揺らぎ始める……というストーリー。
普段は文具メーカーでそつなく仕事をこなしているが、実は身近なものまで“BL”に置き換えてしまうような“腐女子”を演じる松本さん。自身は「私は筋肉同士のぶつかり合いに特に美しさを感じたことはないんですけど……」としながらも「美しい男性と美しい男性の愛、みたいなものに、女性は『いいな』って思うかもしれないですね」とBLを愛好する気持ちに共感する。
あかねは、職場での落ち着いたまじめな顔と、家でもだえ、ジタバタする顔のギャップが印象的なキャラクターだ。そんなあかねの姿に、「家でジタバタしたり、何かを思い出してもだえたりするのって、たぶんみんなあると思う。みんな、オフモードのときのすごく恥ずかしい姿って、いっぱいあるんだろうなと思います」と理解を示す。自身にもそうした瞬間はあるといい、「恥ずかしいこととか、急に思い出したりするじゃないですか。それで『ああー』とか、ちょっと叫んでしまったり(笑い)」と楽しそうに共通点を語る。
ドラマであかねは、刃牙について語るとき、テンション高く思いをぶちまける。そのせりふ量とモノローグの多さは「今まで経験したことのないものだった」という。「モノローグの声録りだけで、1日に6時間、2日かけて録っているんです。モノローグにそんなにかかるというのは今後もないだろうな、と」と笑う松本さん。また、演じるうえでは、会話は明るすぎないようにという演出も。「単に楽しく腐女子仲間と話してしまうと、キャピキャピした感じになりかねないので、監督からは『もっと気持ち悪くしてほしい』とか『もっとニタニタしてほしい』と(笑い)。笑顔もカラッとしていない、ちょっと陰湿なジトっとした感じ、と言われていたので、そこは意識していました」と明かす。
これまで、格闘マンガに触れたことがなく、「刃牙」も初めて読んだという松本さんだが、「サラサラ読めました」と笑顔をみせる。あかねの“推し”キャラクターは空手家・愚地克巳だが、松本さん自身は「あかね目線で見ているので、『刃牙さんカワイイな』というところから入って、克巳が出たら克巳」としつつ、「見た目的には、(『バキ』に登場する死刑囚の)ドイルが好みですね。ドイルも活躍するので(笑い)」と楽しそうに打ち明ける。
あかねを演じてみて、改めて実感する思いもあった。「あかねは『日常が戦い』と捉えていて、確かにそうだな、と。みんなそうかもしれないですが、現実世界の方が戦わなきゃいけないことがたくさんあるんだなと思いました。現実の方が思い通りにいかないですし、自分と合う人ばかりでもない。うまいことやっていかなければいけない大変さはあるな、と思いました。『戦いは続いていく』みたいな(笑い)」
これまでに連続ドラマ「この世界の片隅に」(TBS系)や映画「みをつくし料理帖」(2020年)などで主演を務めるなど着実にキャリアを積み重ねている松本さん。昨年デビューから5周年を迎え、今後もさらなる活躍が期待される。松本さん自身、これまでのキャリアを振り返り「実感として、いろいろ出させてもらえているなと感じてはいます」と手ごたえをつかんでいるようだ。
ただ、一方で、不安を感じることも、ときにはあるという。「いろんな方とのいろんな出会いがあって、いろんなすてきな作品に関わることができたなと思いながら、もっともっと成長しなきゃいけないなと感じています。ありがたいことに、いろんな幅のある役を与えてもらって、いろんな経験させてもらっているなと感じつつ、『その実力が伴っているのかな』と不安になったりもします」と松本さん。「いろんな方とお芝居させていただいて、すてきな素晴らしい方ばかりでいつもいい影響をもらっているので、もっとがんばらなきゃなと感じています」と気を引き締める。
今作でも、これまでに経験したことがないほどの膨大なせりふがあるあかねを経験し、「かなり鍛えられたなと思います」と手ごたえを感じた。
「6ページとかある台本を、1日ずっとひとりでしゃべり続けて。『噛んでしまうんじゃないか』とか『しくじったらどうしよう』とか、そういう考えを一旦ポイっと手放して頑張る、と。ちょっとしんどい状況ではあったけど、周りの方たちが楽しんで撮っていたので、あまり考えすぎず、プレッシャーになりすぎず、いい塩梅、いい緊張感で……。全部が絶妙でした。1カ月でぎゅっと撮ったので、鍛えられたなと思います」と充実の時間を過ごしたようだ。女優として、さらに幅が広がったと感じた?と聞くと「ジメッとしたお芝居は、これでつかめたかなと思います」と笑う。
今後は「いろんな面白い役を演じられたら、幸せだなと思っています」と理想の姿を明かす松本さん。「今回のような役もそうですし、周りの方に面白がってもらえるような人になれたら、一番うれしい。『こういう役を与えたらこういうふうにできるんだ』というふうに。自分の中に、いろんな幅を持っていけたらと思っています」と前を見据えていた。
ドラマは8月20日午後11時からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信スタート、全7話。
※スタイリスト:道端亜未 ヘアメーク:尾曲いずみ
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2024年11月22日 13:00時点
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