人気アニメ「ルパン三世」の新作テレビアニメ「ルパン三世 PART6」が、10月9日に日本テレビ系でスタートする。「PART6」はアニメ化50周年記念作品であり、「ミステリー」をテーマにルパンとシャーロック・ホームズが対峙（たいじ）するという夢の共演も話題になっている。新作を手がけるトムス・エンタテインメントの野崎康次プロデューサーは「新作は次の50年への新たなスタート。改めて多くのお客様に『ルパン三世』を知ってもらうために新たなルパン、チャレンジングなルパンにしたい」と思いを語る。新作の見どころを聞いた。

あなたにオススメ

来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹”　朝ドラヒロインまで手が届くか

　◇ルパンをひもとくテーマ「ミステリー」

　「ルパン三世」は、故・モンキー・パンチさんの人気マンガ・アニメシリーズ。テレビアニメは、「PART1」が1971～72年、「PART2」が1977～80年、「PART3」が1984～85年、「PART4」が2015～16年、「PART5」が2018年に放送された。「ルパン三世」シリーズの約23年ぶりとなる劇場版で、シリーズ初の3DCGアニメ「ルパン三世 THE FIRST」が、2019年に公開された。

　新作「PART6」は、ルパン三世をひもとく二つのキーワードでストーリーが展開され、1クール目のキーワードは「ミステリー」。メインエピソードとなる「ルパンVSホームズ」は、ロンドンを舞台に、英国政府を陰で操る謎の組織・レイブンが隠したお宝と、その手がかりとなる一枚の絵を狙うルパン三世の前に、探偵シャーロック・ホームズが現れる……というストーリー。ゲスト脚本家の押井守さん、辻真先さん、芦辺拓さん、樋口明雄さん、湊かなえさんによるオムニバスエピソードも描かれる。10月9日から日本テレビ系で毎週土曜深夜0時55分に放送。

　新作のテーマとなる「ミステリー」は、アニメ化50周年にあたり、ルパンをさらに掘り下げる方法を探り、たどり着いたアイデアだという。

　「『PART5』では、現代のデジタル社会を生きるルパンが描かれました。アニメ化50周年記念作でもある今作は、もう一度原点に立ち返ったアプローチからルパンを掘り下げられればと思い、それには普遍的な魅力を持つ『ミステリー』がピッタリだと考えました」

　新作では、推理作家の大倉崇裕さんがシリーズ構成を手がける。大倉さんは、前作「PART5」の第17話「探偵ジム・バーネット三世の挨拶（あいさつ）」の脚本を担当した。野崎プロデューサーは、ルパンが探偵として謎解きをする姿が描かれた同エピソードが「非常に面白かった」といい、ミステリーというチャレンジングなテーマを決めたと話す。

　◇ルパンたちの見たこともない表情を引っ張り出す

　野崎プロデューサーは、テーマを「ミステリー」に設定した理由の一つを「キャラクターのさまざまな表情が引き出せるため」とも語る。

　「多くを語らないミステリーの構造にすることで、ルパンたちの今まで見たことがない表情を引っ張り出せるのではないかというねらいがありました。知的な推理シーンも多い今作ですが、菅沼（栄治）監督はじめスタッフの方たちにカーアクションなどルパンらしい動きも作ってもらい、見どころ満載の新作になっています」

　新作では、押井さん、湊さんらゲスト脚本家が手がけるオムニバスエピソードも見どころとなる。

　「プロデューサーとして『この人だったらどういうルパンを書くんだろう』というのは、やはり見てみたいんです。今回、豪華な脚本家さんが集まっていただいたというのは、非常にうれしく思っています。『ミステリー』という共通のテーマはあれど、皆さんが書かれる脚本で、キャラクターが見せる表情が本当に違うので、アニメの絵のテイストも違ってくるんです。皆さんの脚本と、アニメの映像がそれぞれに見事にはまっているのではないかと思います」

　チャレンジングなルパンとしてスタートした新作「ルパン三世 PART6」。新作では、ルパンが「PART1」をほうふつさせるグリーンのジャケットを着ているのも印象的だ。テレビアニメでは、「PART1」は「大人向けアニメ」、「PART2」は「コミックアクション」と、シリーズごとにテーマが異なり、ルパンがまとうジャケットの色も変化してきた。

　「50周年で原点回帰という思いもありつつ、次の50年へ向けて、もう一度新たなスタートを切る意味で、ジャケットの色を設定しました。また、大倉さんが『PART5』で手がけた『探偵ジム・バーネット三世の挨拶』のルパンのジャケットもグリーンなんです。これはもうグリーンだろうと（笑い）」

　グリーンのジャケットをまとったルパンが、どんな活躍を見せるのか。「ルパン三世」で描かれる本格ミステリーに注目だ。