MD松尾の月間ヒットランキング:ポケモン“ダイパ”がワンツースリーフィニッシュ 「マリオパーティ」も好スタート 2021年11月

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが毎月のTSUTAYAでのソフト販売ランキングを基に市場の動向を振り返る。

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 2021年11月の売り上げは、昨年と比べるとやや減少といったところ。ただし、これは昨年PS5が発売されたことによるもので、ソフト部門は昨年を大幅に超える好調ぶりでした。ただ、ハード部門は昨年から大きく落ち込んでいます。

 ソフト部門は「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール(ダイパ)」(NS、ポケモン)一色の展開。両方入ったダブルパックと合わせてワンツースリーフィニッシュを飾りました。スイッチ本体のけん引はまずまずといったところで、既存ユーザーが多かったものの、それでも3バージョン足すと今年1位で、「モンスターハンターライズ」(同、カプコン)を上回りました。

 ユーザー層でいえば、ファミリー層よりはコアな印象。20代前半、それも20歳に近づくほど層が厚くなる印象で、小学生の頃に10年前のオリジナル版を遊んだユーザーが購入しています。

 TSUTAYAの実績では昨年の「ソード・シールド」には及ばなかったものの、想定通りよく売れており、ロングテールも期待できそう。今のところ前述の通りファミリー層が少ないですが、逆に年末のクリスマス需要も大きく見込めそう。「ブリリアントダイヤモンド」と「シャイニングパール」の比率は大体6対4で、これはブリリアントダイヤモンドで仲間にできるディアルガのタイプがはがね・ドラゴンという強い複合タイプであることも影響しているとみています。

 また、購入者の6割以上が来年1月に発売される「Pokemon LEGENDS アルセウス」(NS、ポケモン)を予約しており、こちらへの期待も持てそうです。

 「マリオパーティ スーパースターズ」(同、任天堂)も前作の初動を上回る好スタート。昨年の「桃太郎電鉄~昭和 平成 令和も定番!~」(同、コナミデジタルエンタテインメント)以来、パーティーゲームの市場が広がっており、年末商戦でのさらなる伸びも期待できそうです。

 今年の12月は“魔の12月”。厳しい感じになりそう。「ダイパ」は良さそうですが、前年比で70%程度とみています。「ブリリアントダイヤモンド」「シャイニングパール」「マリオパーティ スーパースターズ」と上位は11月発売のタイトルが残りそう。新作では「やわらかあたま塾 いっしょにあたまのストレッチ」(同、任天堂)などに注目。「世界のアソビ大全51」のスマッシュヒットも記憶に新しいですが、本作も3278円という手ごろな価格もあってよく売れるのでは。

 ◇2021年11月のゲームソフトランキング(TSUTAYA調べ・限定版含む)

 1位 ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド(NS)
 2位 ポケットモンスター シャイニングパール(NS)
 3位 ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド シャイニングパール ダブルパック(NS)
 4位 マリオパーティ スーパースターズ(NS)
 5位 真・女神転生5(NS)
 6位 Call of Duty:Vanguard(PS4)
 7位 Battlefield 2042(PS4)
 8位 Minecraft(NS)
 9位 あつまれ どうぶつの森(NS)
 10位 パワプロクンポケットR(NS)
 11位 スーパーロボット大戦30(NS)
 12位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
 13位 リングフィット アドベンチャー(NS)
 14位 スーパーロボット大戦30(PS4)
 15位 Battlefield 2042(PS5)
 16位 ダンガンロンパ トリロジーパック+ハッピーダンガンロンパS超高校級の南国サイコロ合宿(NS)
 17位 ポケットモンスター ソード(NS)
 18位 ドラゴンクエスト10 天星の英雄たち オンライン(NS)
 19位 Call of Duty: Vanguard(PS5)
 20位 マリオカート8 デラックス(NS)

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