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第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
3月28日に最終回を迎えたフジテレビ系“月9”ドラマ「ミステリと言う勿(なか)れ」(月曜午後9時)。田村由美さんの同名人気ミステリーマンガ(小学館)が原作で、社会で当たり前とされていることに疑問を持ち、持論を展開していく主人公・久能整(菅田将暉さん)の姿が話題を呼んだ。最終話に向けてのラストスパートでは、整以外の登場人物からも名言が続々と飛び出し、「興味深い」「響いた」「グッとくる」などと注目を集めた。第10話~最終話での“人生の教訓”ともいえるせりふの数々を紹介する。
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第10話では、整が関わるようになった女性・ライカ(門脇麦さん)の秘密が明らかになった。ライカが妹だと話していた「千夜子」という人物は、幼少期に父親から性的虐待を受け、一人の人間に複数の人格が現れる解離性同一性障害になったという。そしてライカは、千夜子が作り出した人格の一人だった。
「千夜子の痛みを引き受けるためだけに生まれてきた」というライカに、整は自身の首元にある傷を見せて「この傷はライカさんの傷と同じ痛みです」と告げた。そんな整に対し、ライカは「整君の痛みも代わってあげられたらよかったな」と言葉をかけ、「ありがとう、整君。君と友達になれて、初めて少しだけ生まれてきてよかったと思った」と感謝した。
視聴者からは「千夜子の痛みを引き受けるためだけに生まれたというライカさんの、これ以上の愛の言葉はないよな……」「整くんはこの一言にすごく救われたんじゃないかな」「整君の痛みはライカが半分持って行ってくれたんだと思う」といった声が上がった。
ライカとの出会いを通して、自身の考えに変化が生まれた整。「そのことに驚いている」と天達に話すと、天達は「『若いってことは若いってこと。まだ何もしてないってことなんだ』って言ったの誰だったかな。とにかく、これから変わっていけるってことだよ」と言っ
て、整に人生のアドバイスをした。
「あなたはまだ頭でしか知らないことが多いけど、この先体験することで考えが変わることもあるだろう。それは恥ずかしいことじゃない。人に会い、人を知りなさい。それは自分を知る旅だよ」
第11話では、ある連続殺人事件が発生。既に犠牲者3人が出ているこの事件では、交差点の真ん中にはりつけのように遺体が遺棄されていた。大隣警察署にも応援要請が入り、風呂光聖子(伊藤沙莉さん)が捜査本部へ向かう。そこで風呂光は、備前島警部(船越英一郎さん)から「お客様じゃないんだ、さっさと動け!」と活を入れられた。
そんな中、風呂光宛てに電話があり、事件に関するタレコミが入る。倉庫街で闇カジノが開かれているといい、事件とも関係がありそうだという。「逃げられないうちに早めに踏み込んだほうが」と言われた風呂光は、備前島に言われた言葉を思い出し、一人で現場に急行。結果的に備前島から「誰にも相談せずに一人でのこのこ出て行くやつがあるか!」と叱られてしまった。
今回の事件で風呂光とバディーを組むことになった備前島の部下である刑事・猫田十朱(松本若菜さん)、備前島が言う“お客様体質”について「主体性がないとか、積極性がないとかじゃなくて、むしろ逆」と風呂光に説明。自身も若いころに一人でむちゃをしていたところ、「お客様体質もいい加減にしろ!」「お前は客じゃなくて、このチームの一員だろうが! もっと俺たちを頼れ!」と指導されたことを明かし、風呂光に「自分の手に負えないことがあったら人に助けてもらえばいいんだよ」と伝えた。
最終話では、整が新幹線で美樹谷紘子(関めぐみさん)と美樹谷サキ(高畑淳子さん)親子に出会った。しかし、実はサキは育ての親で、親友だという実の母から紘子の子育てを頼まれたという。実の父が怒ると暴力を振るう性格だったことが原因だった。
結婚を控えた紘子は、式で実の父とバージンロードを歩きたいと思っていたが、サキから父の事実と共に、既に亡くなっていることを知らされた。2人の会話を聞いていた整は、「常々不思議に思っているんですけど、どうしてバージンロードは父親と歩くのが基本なんでしょう」と話し始める。
「大抵、一番手間と時間をかけて育ててくれているだろう母親を脇に立たせておいて、どうして父親とだけ歩くんだろう。どうして父親のものから夫のものになる引き渡し式みたいな形で今もするんだろう。巣立ちというなら、どうして新郎は親と歩かないんだろう。新郎は巣立たず親元にいて、新婦だけが移動する。今もそれでいいんだろうか」と持論を展開し、紘子に「一番大事な人と歩いてください」と語りかけた。
整の意見を聞いた紘子は、「私を生んでくれたお母さんと、育ててくれたお母さんと3人で歩きたい」と望んだ。一方、サキから整に対しては「バージンロードを父親と歩く娘を、そっと見守りたい母親も多いのよ」という言葉もあり、整の持論と合わせて視聴者からは「バージンロードの発想、私にはなかった」「ハッとした」「確かにって思った」と反響を呼んだ。
いわゆる常識、定説とは異なる角度からの持論を披露してきた主人公の整。見ている人の固定観念を揺るがせる新たな驚きをもたらしてきた。一方、若くて経験の乏しい整を取り巻く人々による優しい“異論”やフォローによって、それもまたあくまでも“一つの考え”であることに気付かされる。そんな魅力的なキャラクターたちによって紡ぎ出された数々の名言は、これからも見た人の心に残っていくはずだ。
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