梅田修一朗×八代拓:アニメ「魔法使い黎明期」 繊細でアンバランスな感情を表現 初共演だが実は!?

「魔法使い黎明期」に出演する梅田修一朗さん(左)と八代拓さん
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「魔法使い黎明期」に出演する梅田修一朗さん(左)と八代拓さん

 テレビアニメ化された「ゼロから始める魔法の書」などの虎走かけるさんのライトノベルが原作のテレビアニメ「魔法使い黎明期」がTBSほかで放送されている。教会と魔女の和平が成立した魔法使いの黎明期を舞台に、魔法使いを目指す主人公・セービルが仲間と共に“自分”を見つける姿が描かれる。テレビアニメ「可愛いだけじゃない式守さん」でもメインキャラクターの和泉を演じている若手声優の梅田修一朗さんが、セービル役に抜てきされたことも話題になっている。梅田さん、セービルと共に旅をするクド-役の八代拓さんに同作への思いを聞いた。

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 ◇フットサルで助けられる

 --二人が共演するのは初めて?

 梅田さん 初めてなのですが、拓さんとは今回のアフレコ以前に、声優が集まってやっているフットサルでお会いしたことがありました。初めてそのフットサルに行った時、僕の脚がつって、拓さんが助けてくれたんですよ。遠くにいた拓さんが駆け寄ってきてくださって、最初に助けてくださったんです。

 八代さん そうだったね。

 梅田さん 実はフットサルよりも前に会っているんです。

 八代さん そうなの!? ごめん。

 梅田さん いえいえ。養成所生の時、とあるイベントで、アシスタントとして入って、ごあいさつさせていただいたことがあったんです。一瞬だったんですけど。

 八代さん あっ! あの時のね。梅田君だったんだね……。縁があるんだね。

 梅田さん 「魔法使い黎明期」の出演者の中で、拓さんのお名前を見て、一緒にできるんだ!とすごくうれしかったです。こんなに早く現場でお会いできるとは思っていなかったので。

 八代さん うれしいですね。

 --ちなみにフットサルの腕前は?

 梅田さん 拓さんは、すごくうまいんですよ。

 八代さん サッカー経験者の人もいるから、僕は全然だよ。バトミントン部だったんです。中学の時、サッカーで一番うまい素人になりたい!と思っていて、一人でずっと練習してた時期があったんです。フットサルは男だらけで、部活っぽくて、めちゃくちゃ楽しいです。

 ◇繊細にセービルを演じる

 --梅田さんが演じるセービルは記憶を失っていて、感情はありますが、感情をあまり表に出さない……と難しいキャラクターなのではないでしょうか?

 梅田さん 難しいキャラクターです。感情はあるけど、出さない。何か感情がなければ、しゃべらないわけで、無感情に見えるけど、感情がしっかりあります。感情を出す方法を知らないんです。自分の中でキャラクターを掘り下げながら表現させていただいています。

 八代さん 大変だと思います。自分の中で解釈して、言葉として発するのが難しいですし、テンション感をどこまで出すのかも難しい。ちょっと体の力の込め方を変えるだけで、表現が大幅に変わってしまうようなキャラクターだと思います。すごく繊細な作業で、一筋縄ではいかない。繊細かつ度胸もいる。第1話から真摯(しんし)に向き合っている梅田君の姿を見ています。

 梅田さん セービルと向き合う時間が増える中で、いらない緊張はなくなってきましたが、難しさはずっと感じています。セービルの新しい感情が出てくる度に、どうしようか?と考えないといけません。お芝居をする中で、音にとらわれすぎると、身動きが取れなくなってしまうことがあるので、そこも気をつけています。今でも、大丈夫かな?と不安がよぎることがあります。

 八代さん 梅田君とセービルの親和性を感じますね。大丈夫かな?という感覚はセービルにもあると思うんです。セービルは、例えば「うるさい」と言った時に、何で「うるさい」と言ったのか、自分が何に対してイライラしているかが分かっていなくて、そこまで噛み砕いて言っていないかもしれない。迷いながら生きているんです。僕はこの作品のキーワードとして「アンバランスさ」があると思っています。結果として、出たものは間違いなくセービルの言葉だし、どうだったんだろう?と思うのもセービルらしい。悩むのは宿命なのかもしれません。

 --八代さんが演じるクドーもアンバランスさがあるキャラクターです。

 八代さん 見た目はトカゲ人間、この世界では獣落ちと言われているキャラクターで、差別をされるなどいろいろな人に素直に見てもらえなかったことが彼の根幹にあると思うんです。ちょっと斜に構えたり、素直じゃなかったり、乱暴な口調だったりするのは、彼が素直に見てもらえなかった過去があるからだと思うんです。彼は純粋で、選んだ言葉が素直じゃないだけなんでしょうね。そのアンバランスさが演じていてすごく楽しいです。

 梅田さん クド-の存在が一番のスパイスだと思います。ロス先生もホルトも味が濃い。クド-が締めてくれています。

 八代さん そういうポジションだよね。

 --岡咲美保さんが演じるロー・クリスタス(ロス先生)もアンバランスなキャラクターです。

 八代さん あの見た目で300歳ですから(笑い)。

 梅田さん でも、子供もみたいにしゃべるんですよね。

 八代さん 太陽みたいな存在ですね。ずっとしゃべっているよね。物知りだから説明するせりふも多いし。

 梅田さん 大変ですよね。難しい用語もあるけど、当然のようにしゃべらないといけない。岡咲さんは、すごいです!

 ◇梅田修一朗がセービルをやっていれば大丈夫!

 -ー収録の様子は?

 梅田さん 温かい現場で楽しいです。拓さんはすごく優しいです。岡咲さん、(ホルト役の)鈴代(紗弓)さん、僕もお兄ちゃんのように感じています。

 八代さん 僕は、現場で一番年下の時もあるのですが、「魔法使い黎明期」は、みんなよりちょっと先輩でして。梅田君とは違うポジションで引っ張っていかないと!とも思うけど、現場の雰囲気はやっぱり座長が作るものだと思います。「魔法使い黎明期」の現場が温かいのは、梅田君が座長だからだと思っています。積極的にみんなにお話していただいていますし、照れくさそうに差し入れを持ってきてくれたり、すごく気遣いがある人なんです。梅田君がセービルをやっていれば大丈夫!という雰囲気を感じます。周りが付いてくる。同業者として、すごい!と思っています。

 梅田さん ……ありがとうございます。

 八代さん 何かしゃべってよ(笑い)。

 梅田さん 感極まってしまいまして……。マネジャーさんに「座長、頑張れよ!」と言われて、何をすればいいんだろう?と悩んだこともありました。コロナ禍で分散収録になっていますし、座長がどうするのか?をほとんど見たことがなかったんです。とにかく役のことを考えよう!と臨みました。頑張りすぎないようにもしています。自分がすごく頑張りすぎたら、周りに気を遣わせてしまいますし。緊張はするけど、自然体でできればと思っていました。

 八代さん セービルは微妙に変化していくキャラクターです。徐々にいろいろな人と触れ合い、変化していきます。梅田君がすごいのは、お芝居で格好付けすぎないところなんです。それがすごく魅力的。それがセービルの飾らない生きざまにマッチしている。すごく好きですね。

 梅田さん ありがとうございます。幸せです。

 -ー今後の展開は?

 八代さん 世界観、個性豊かなキャラクターなど作品の面白さはいろいろあるのですが、その中に深い問題が潜んでいて、それぞれのキャラクターがいろいろな問題に直面していきます。佳境に向けてキャラクターがどんどん変化し、さまざまな展開を見せていきます。ぜひ最後までこのアンバランスなキャラクターたちを楽しみにしていただければ!

 梅田さん セービルがどうやって歩んでいくのか、ロス先生の変化、ホルトがホルトらしくなり、クド-がどんどん頼もしくなり……と変化していきます。僕らの思いを皆さんに届けていきたいです。ぜひ、4人の旅、実習を見届けいただければうれしいです。
 

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