山本千尋:大河ドラマ初出演に涙止まらず 「鎌倉殿の13人」で“アサシン善児”に育てられたトウ役 得意のアクションも

山本千尋さん演じる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のトウ (C)NHK
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山本千尋さん演じる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のトウ (C)NHK

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)に出演する女優の山本千尋さん。山本さんは今作が大河ドラマ初出演で、数々の登場人物の「死」に関わってきたことから視聴者から「アサシン(暗殺者)善児」と呼ばれる善児に育てられた孤児(みなしご)のトウを演じる。大河ドラマ出演のオファーに「涙が止まらなかった」と喜びを明かす山本さんに、ドラマやトウ役への思いなどを聞いた。

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 今作が大河ドラマ初出演。出演の心境を尋ねると「この現場にいさせてもらえることが、正直『夢なんじゃないか』と思うぐらい。『本当に私、ここにいていいの?』と思う瞬間がいっぱいあります」と山本さん。「小栗旬さんがいて、トウの育ての父として梶原善さんがいて……私からすると、みなさんは画面の向こうの方。そんな方たちと、三谷幸喜さんの脚本で対面してお芝居ができていることにメンタルがぐらつきそうなぐらい、感動と恐縮でいっぱいです」と初出演の喜びを明かす。

 脚本を務める三谷さんとは、以前に三谷さんが監督、脚本を務めた別作品に出演するなど縁があった。三谷さんとの出会いが自身にとって大きなことだったと振り返る山本さんにとって、三谷さんと一緒に大河ドラマに挑戦できることがうれしかったという。

 「私はあまり積極的に人に連絡とかできるタイプではないんですが、三谷さんが2022年の大河ドラマの脚本を担当されるというニュースを見たとき、三谷さんに『鎌倉殿の13人に出たいです』とお伝えさせていただいたんです。そして『ぜひ出てください』というようなことを言ってもらったんですけど、月日がたって『私にはもう役がないかな』と諦めかけていたときに、トウ役でオファーをいただけて、本当に涙が止まらなかったというか……やっぱり大河、朝ドラは成し遂げたい一つの壁。その壁に、三谷さんと一緒に……挑戦できるということがうれしかったです」

 演じるトウは、視聴者から「アサシン善児」と呼ばれ恐れられる善児に育てられた孤児。「梶原さん演じる善児というキャラクターは、『鎌倉殿の13人』の中でもかなり人気の役で、まず善児が子どもを育てていた、ということにみなさま注目をしてくださっていて。私としては『これからなんです!』『まだそんなに盛り上がらないでください!』という感じなんですが」と山本さんは笑う。

 ◇善児とは違った色でアクションを

 中国武術の世界大会で優勝経験を持ち、アクション女優としても注目を集めている山本さん。トウ役では、得意のアクションも披露しているといい、「最初に三谷さんの作品に出させていただいたときはアクションのない役で、三谷さんが『ごめんね、アクションのない役で』と冗談交じりに言ってくださったことがあって。そのときにできなかったからか、今は撮影のほぼ全部で、何かしら動いているな、と(笑い)」と明かす。

 ドラマ公式ツイッターでは「狙うのは、何か」と紹介された。育ての親が善児ということもあり不穏な雰囲気が漂うが、そう水を向けると「そうですね……善児は一手で(相手を)殺しちゃうけど。(トウは)自分の特技を生かしながら、また善児とは違った色でアクションをしたいと思っています。みんなが『そっちで来たか』というような、(視聴者を)裏切れる存在でありたいなと思っています」と意気込む。

 台本は順次届けられるため、未知の部分も多いが、「これから彼女が何を狙うのか、どういった終わりを迎えるのか、私もワクワクしながら心待ちにしています。私自身が大河で初めて生きていくように、トウ自身も一日一日、私と同じように生きていくんだと思うと、すごくワクワクしますね」と声を弾ませる。

 最近では、映画「キングダム2 遥かなる大地へ」への羌象(きょうしょう)役での出演のほか、6月に最終回を迎えた連続ドラマ「未来への10カウント」にも出演するなど、話題作に次々に出演し活躍の場を広げている。「未来への10カウント」では、プロボクシングのライセンスを持つ山本さんは強豪校・京明高校のボクシング選手役を演じ、「ボクシングの美学にすごく胸を打たれているので、その魅力をひとつの形として見せられたら、と。その機会をいただけたドラマとの出会いは、感謝でしかなかったです」と思いを語った山本さん。今後のさらなる活躍にますます注目が集まりそうだ。

 「鎌倉殿の13人」は61作目の大河ドラマ。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷さんで、後の鎌倉幕府の二代執権・北条義時が主人公。野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く。

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