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10月31日(木)放送分
ABCテレビ(朝日放送)のヒロド歩美アナウンサーが、元プロ野球選手の古田敦也さんとキャスターを務める高校野球のダイジェストドキュメンタリー番組「熱闘甲子園」(月~金曜午後11時10分、土・日曜午後11時)が大会開幕日(8月6日)にスタートする。高校野球の取材は9年目、同番組で6度目のキャスターを務めるヒロドアナは、コロナ禍で高校野球が春夏大会とも中止になった2020年、全国の高校球児に500通の直筆の激励の手紙を送ったという。高校野球に魅せられ、球児をリスペクト、「過酷でも笑顔で」「全てに“愛”を持って」取材にあたり、“高校野球のお姉さん”とまでいわれるようになったヒロドアナに、高校野球への熱い思いを聞いた。
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ヒロドアナは1991年10月25日生まれ、兵庫県宝塚市出身。阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)の近くに住んでいたこともあり、阪神タイガースのファンの姿は「近所でよく見かけました。すごく面白いおっちゃんたちだな」と親しみを感じていたという。
当時は高校野球にはそれほど関心を持っていなかったが、2014年にABCテレビに入社が決まると、前年の内定者研修で、夏の大会を観戦する機会があった。「球場に入った瞬間、アルプススタンドのブラスバンドの響きや、試合中のカキーンというバットの音を聞いて、うわーっとなったんです。対戦カードは覚えていないんですが、もう『何、これ?』って(興奮状態に)なりました」と瞬時に魅了された。
入社した年から高校野球関連の番組に出演しているヒロドアナ。新人時代は、甲子園へ通い、取材をしている先輩たちの姿を見て勉強し、帰社するとスコアブックのつけ方を教わった。すると「それから『野球って楽しい!』となって、ルールもしっかり覚えるようになりました。局内で『ヒロド、スコアブックつけられるらしいよ』といううわさが独り歩きして(笑い)。スコアブックをつけられると現場で重宝されるので、試合の中継リポーターを担当するなど、どっぷりはまってしまったんです」と笑顔で振り返る。
そんな魅力的な高校野球だが、2020年はコロナ禍で春も夏も大会が中止に追い込まれた。「落ち込んでいる球児たちを見て、どうしたらいいんだろうってずっと考えていた」というヒロドアナは、「いろんな高校に手紙を書きました。デジタルが苦手なアナログ人間なので、手書きで500通書いたんです。人生で一番文字を書きました(笑い)」と明かす。
手紙の内容は、「頑張ってくださいというのも違うと思ったので、言葉を選んで、『熱闘甲子園』で一緒にキャスターを務める古田さんの言葉をお借りして」と語り始めた。
「古田さんが大学卒業の際にドラフトにかかるといわれながらも結局、『眼鏡のキャッチャーはいらない』といわれて指名漏れしたことがあって。古田さんにとって、それが人生で一番の挫折だったと。だけど、社会人になってからドラフトにかかり、プロに入ったら首位打者に輝くなど、素晴らしい成績を残された。振り返るとつらかった経験も、頑張って乗り越えたら人生は切り開ける、とおっしゃっていたのを聞いて、球児の皆さんにシェアしたいと思いました。私にはその言葉が心に響いたので、今、これが皆さんに一番伝えたいことです、という内容で手紙を書きました」
球児からの反応は「返事がたくさん届きました。チームメートで色紙を書いてくれたり、ビデオメッセージが入ったDVDが届いたり。インスタのDMにもビデオメッセージが届きました。私の手紙を部員分コピーしてみんなで持っている集合写真が送られてきたり」という。ヒロドアナと同じく手書きで返事をくれるケースも多く、「丁寧に書いてくれていることが分かる手紙や、下書きの跡が見える手紙もありました。一枚の便せんの中にいろんなことを想像できました」と手書きの温かさも再認識した。
ヒロドアナ自身、これらの返事を受け取って、「逆にパワーをもらいました。何かしてあげたいと思ってしたことが、逆にたくさんのものを返していただいた」と一生の宝物になった。
ヒロドアナが後輩のアナウンサーに伝えている「高校野球取材の心得」を手書きで書いた紙を特別に見せてもらった。心得は「取材は“お邪魔している”という意識を常に持つ」「球児にも敬語を忘れない」「過酷でも笑顔で」「スタッフのサポートで取材に行けることを忘れない」「全てに“愛”を持つ」の五つ。
「冷静に考えたら高校野球の取材ってすごく過酷なんです。スケジュールや気候などいろいろな意味で。でも、これまで倒れたことも、倒れそうになったこともなく。大会が終わったら倒れてます(笑い)。大会中は気が張ってるし、楽しいからかな。よく球児が『甲子園には不思議な力がある』って言いますけど、取材する私もそんな気がしています」と実感を込めて語る。
今回の大会に対しては、「ウィズコロナの大会になると思うんですが、まずは、それぞれの代表チームがやり切ってくれることが一番の願いです。取材する側としては、アルプススタンドの取材が久しぶりに解禁されるので、昨年に比べたら幅広い取材ができるのではないかと思います。また昨年は東京五輪があったので、7月中に高校野球の取材がなかなかできなかったけれど、今回は代表校の取材をしっかりできていると思います」と自信をのぞかせる。
現在、30歳のヒロドアナに「10年後どうなっていると思うか?」と尋ねると、「子供が欲しいな。高校球児になる子を育てている母になっていたいです。最近は女子野球も甲子園があるので、男女どちらでもいいので、子供には野球をやってほしい」という答えが返ってきた。
「子供は何人欲しい?」と聞くと「双子かな」と普通の答えが返ってきたので、「そこは『9人で野球チームを』じゃないですか」と冗談で振ると、「九つ子が生まれたらどうしよう(笑い)。でも、それめっちゃ憧れますね。ネタとしていただきます!」と楽しそうに笑った。
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