南沙良:80年代アイドル趣味 きっかけは「中森明菜さん」 すべてに品、表現者として「憧れ」も

主演映画「この子は邪悪」が公開中の南沙良さん
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主演映画「この子は邪悪」が公開中の南沙良さん

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の大姫役で注目を集めた女優の南沙良さん。9月1日から公開中の主演映画「この子は邪悪」では、家族が大きな交通事故に遭ったことで心に深い傷を抱える女子高生の主人公・窪花(くぼ・はな)を演じている。今年は同作を含めて、映画にドラマと出演作が続いて、女優として充実した時間を過ごしている南さんだが、以前から「80年代アイドル」が趣味の一つだとか。「この子は邪悪」に加えて、趣味を通じた「憧れの人」への思いなども聞いた。

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 ◇主人公・花の中にある罪悪感を意識

 映画は、 長澤まさみさん主演の「嘘を愛する女」、土屋太鳳さん主演の「哀愁しんでれら」などを輩出してきたオリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017」準グランプリ作を映画化。予想外のストーリーと想定外のラストが待ち受ける、世にも奇妙な謎解きサスペンスで、人気グループ「なにわ男子」の大西流星さん、女優の桜井ユキさん、俳優の玉木宏さんらが出演。大西さんは花と出会い心を通わせていく高校生・四井純(よつい・じゅん)、桜井さんは花の母・窪繭子(くぼ・まゆこ)、玉木さんは花の父・窪司朗(くぼ・しろう)をそれぞれ演じる。

 心理療法室院長・窪司朗の娘である花は、かつて一家で交通事故に遭い、司朗は足に後遺症が残り、母・繭子は植物状態に、妹は顔に重度のやけどを負う。心に深い傷を抱える花のもとに、母の心神喪失の原因を探る高校生・純が訪れる。花は、純と次第に心を通わせるが、ある日突然、司朗が5年間の植物状態から目を覚ました母を連れて家に帰ってくる。司朗は「奇跡が起きた」と久しぶりの家族だんらんを喜ぶが、花は「この人、お母さんじゃない」と違和感を覚える……というストーリー。

 南さんは「こういうジャンルの映画に出させてもらうのは初めてだったので、素直にうれしかったです。最初に台本を読ませていただいたときは、『この後、どうなるんだろう』というのをすごく想像しながら、楽しみながら、それをお芝居で表現する、映像に落とし込むことへの期待感も抱きました」と印象を語る。

 役を演じるにあたっては、家族で交通事故に遭って、一人だけ無事だったことに対しての花の中にある罪悪感を意識した。「そういう部分を表現できたらいいね、という話は監督ともしましたし、自分でも気をつけた、意識したポイントかなと思いますし、監督がシーンを撮影する前に、意図や役の心情を説明してくださって、ありがたかったですし、その中で自分で答えを探しながら演じていました」と振り返る。

 その上で「物語として、現実離れしている部分もあるのですが、見進めていくうちに、リアルな描写があって、本当に起こりうるのではないかって思わせてくれる。見てくださる方も、一緒に考えて推理してもらえたらいいな」とアピールしていた。

 ◇10代という10年間で「自分の中の道が見えた」

 今から5年前、2017年公開の映画「幼な子われらに生まれ」(三島有紀子監督)で女優デビューを果たし、着実に作品を重ねてきた南さんは今年の6月に二十歳の誕生日を迎えた。

 二十歳らしいことは「まだ何もできていないし、気持ち的にも特に変わってはいないのですが、責任感のある人にはなりたいと思っています」とほほ笑む。

 かつてはローティーン向けファッション誌「nicola(ニコラ)」(新潮社)の専属モデル(ニコモ)を務めたこともあったが、今は女優一本。「元々、女優になることが夢だったので、10代という10年間は、自分の中の道が見えた、すごく意味のあるものになりましたし、これからも女優としてやり続けたいです」と改めて強い思いをのぞかせた。

 放送的に、10代最後の作品となったのが大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。最後の出演回となった第24回「変わらぬ人」(6月19日放送)では、大姫役の南さん、政子役の小池栄子さん、丹後局(たんごのつぼね)役の鈴木京香さんの3人のシーンも話題となった。

 「大河ドラマ出演はすごく光栄なことで、先輩方がたくさんいらっしゃって、吸収することばかりといいますか、学習することが多い現場でもありました。学んだことを生かして、またここから頑張れたらいいなって思っています」と気を引き締めた。

 ◇小学生のときに中森明菜の映像を初めて見て

 20代へと突入し、女優として、ここからさらなる活躍を見せていくであろう南さんが、以前インタビューなどで明かしていた「80年代アイドル趣味」。

 きっかけについて、「中森明菜さんがもともと好きで。小学生のときに映像を初めて見て、そこから他のアイドルに興味を持つようになりました」と告白する。

 2002年生まれの南さんにとっては当然、リアルタイムで見てきたものではないが、「最初はなんとなく、触れたものではあるのですが、すべてに品があるというか。パフォーマンスもそうですし、話をしている姿や、その仕草にも品があって、美しいなと思ってなんか見ちゃいます。同じ表現者として憧れている部分はあると思います」と思いを語ってみせた。

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