ジブリパークとジブリ展:ジブリパークのこだわりが伝わる 多数の検討模型や試作品も 愛知会場29日開幕

「ジブリパークとジブリ展」展示の模様
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「ジブリパークとジブリ展」展示の模様

 スタジオジブリ作品の世界観を表現する公園施設「ジブリパーク」が、愛・地球博記念公園(モリコロパーク、愛知県長久手市)に11月1日にオープンすることを記念して、「ジブリパークとジブリ展」が10月29日から愛知県美術館(名古屋市東区)で開催される。これに先立ち28日、メディア向け内覧会が行われた。

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 展覧会は、入口を入るとプロローグとしてジブリ作品のポスターが両側に掲示された通路があり、その奥に大きなトトロが待ち構えている。さらに奥へと進むと大きなネコバスが出迎えてくれる。ネコバスは外観の写真撮影と乗車が可能で、実際に座ってみると毛のフワフワ感とクッションの柔らかさに驚かされる。

 「はじまりは三鷹の森ジブリ美術館」と題したエリアでは、三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)のコンセプトやイメージボート、立体模型が展示されている。宮崎吾朗監督が手がけた「ゲド戦記」「コクリコ坂から」「アーヤと魔女」のイメージイラストやコンセプトスケッチ、キャラクターデザインや背景美術に関する資料展示も充実。特に「アーヤと魔女」については、2021年6月から2022年5月まで三鷹の森ジブリ美術館で開催されていた企画展示「アーヤと魔女展」を再現し、スタジオジブリ初の3DCGアニメーションの制作に取り組んだ吾朗監督の苦労が伝わってくる。吾朗監督は内覧会前の会見で「2020年春までの3年間は『アーヤと魔女』とジブリパークの作業を同時進行で行っていました」と明かした。

 ジブリパークの出発点といわれているサツキとメイの家は2005年の愛・地球博のパビリオンとして建設され、「本当に人が住める家をつくる」というコンセプトで作られた。同展ではサツキとメイの家で実際に使われていた初代のパーゴラ(書斎前のテラスに設置された日よけ棚)、サツキとメイの家5分の1モデル、建物の計画から完成まで1年半の工程が分かる資料も展示されている。

 「ジブリパークのつくりかた」と題したエリアではジブリパークの制作過程とその裏側が見られる。「青春の丘」に作られた「地球屋」の中には「耳をすませば」に登場するからくり時計が完全再現されていると話題になっているが、同展ではからくり時計の制作過程や細かいパーツの検討模型、試作品が壁一面に展示されている。

 回転木馬をイメージした「黒木馬」の油土模型や着色済みの原寸模型、バロンとルイーゼの検討用模型も。展示では並んでいるバロンとルイーゼだが、ジブリパークの「地球屋」にはバロンのみを展示。会見で吾朗監督は、「作ったのはいいんですが、いつ出すのかが決まっていなくて」といい、期間を限定して展示する計画があることをうかがわせたが、「“いつがいい”というのがあったらツイートしてほしいです」と呼びかけた。

 「ジブリの大倉庫」のネコバスルームの内部模型や検討資料、原寸大のネコバスの足が並び、「天空の庭」「小人の庭」「床下の家」の模型も細部に渡るまでこだわって作られたことが伝わってくる。

 企画展示「ジブリのなりきり名場面展」を体験できるコーナーでは、「千と千尋の神隠し」に登場するカオナシの隣で撮影も可能だ。1人で来場しても撮影しやすいようにカメラ台が置かれており、来場者への配慮が感じられた。ジブリパークの第2期(2023年秋)オープンの「魔女の谷」エリアに建設中の「ハウルの城」は、全高約20メートルになる予定で、同展では前足部分の着色済み原寸大模型や、構造や設備の模型、赤字で修正が書き込まれた資料などが展示されていて見応えたっぷりだ。

 同展は12月25日まで愛知県美術館(名古屋市東区)で開催、月曜は休館(10月31日は開館)。チケットは日時指定の事前予約制。第1期(10月29日~11月25日分)が販売中で、第2期(11月26日~12月25日分)は11月1日午前10時から販売。観覧料は平日大人1700円、高校生・大学生1100円、小学生・中学生600円。土・日・休日は大人1900円、高校生・大学生1300円、小学生・中学生800円。当日券は日時指定券に残部がある場合のみ会場のチケット売り場で販売される。展覧会は長野会場を皮切りに全国5会場を巡回。愛知は2会場目で、2023年1月20日~3月26日に熊本、同年4月15日~ 6月25日に兵庫、同年7月15日~ 9月24日に山口で開催。

(C)Studio Ghibli
(C)Museo d’Arte Ghibli

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