坂東彌十郎:「クロサギ」御木本役で示す存在感 「鎌倉殿の13人」北条時政の好演が決め手に ドラマP明かす魅力

連続ドラマ「クロサギ」で御木本を演じる坂東彌十郎さん(C)TBS
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連続ドラマ「クロサギ」で御木本を演じる坂東彌十郎さん(C)TBS

 夏原武さん原案による黒丸さんのマンガ「クロサギ」シリーズ(小学館)を実写化した連続ドラマ「クロサギ」(TBS系、金曜午後10時)。詐欺師をだます詐欺師“クロサギ”として生きる主人公・黒崎高志郎(平野紫耀さん)の姿を描く物語で、黒崎の宿敵である詐欺師・御木本を演じるのが、歌舞伎俳優の坂東彌十郎さんだ。ドラマを手がける武田梓プロデューサーは、御木本役について「ただ者ではない存在感を出したかった」と語る。武田、那須田淳の両プロデューサーに、彌十郎さんの起用理由と魅力を聞いた。

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 ◇意識した黒崎&桂木とのコントラスト “普通じゃない”キャラに

 ドラマは、詐欺で家族を失った黒崎が“クロサギ”となり、詐欺師への復讐(ふくしゅう)を果たす物語。御木本は、黒崎の父親を陥れた張本人で、黒崎が追い続けている獲物で、詐欺師界のフィクサー・桂木敏夫(三浦友和さん)ともつながりを持っている。

 「クロサギ」は2006年にも山下智久さん主演で連続ドラマ化され、2008年には映画化もされた。今作では2022年を舞台に、今の日本でリアルに起こっている詐欺を描き出している。

 登場人物の描き方について、武田さんは「我々がイメージする詐欺師の在り方が16年前とは大きく変わっているので、詐欺犯罪監修の夏原先生にも相談しながら“今の詐欺師”を描いています」と説明。「そうすると黒崎や桂木の在り方も自然と変わっていく。社会に溶け込んで、普通に生活しているほど詐欺師として優秀なんじゃないかと。なので、あまり浮世離れさせずにキャラクター作りをしています」とこだわりを明かす。

 一方で、御木本は「この人は普通じゃないな、というキャラクターにしたかった」と話す。「黒崎や桂木は人物像の陰影を丁寧に追っている分、御木本は分かりやすく、ただ者ではない存在感を出したかった」と、コントラストをつけたという。

 ◇坂東彌十郎の起用理由は… “奥行き”感じさせる力

 そんな御木本役には彌十郎さんをキャスティング。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で北条時政を演じる姿を見て、オファーを決めたという。

 那須田さんは「大河ドラマを見て、間違いないなと思いました。時政というキャラクターをとても個性的に演じていらっしゃって、とにかく面白いなと。クロサギでも、本人が持っている雰囲気を存分に発揮してくださっているので、その魅力をたっぷりと堪能していただけると思います」と語る。

 「それから、見えない部分を想像させる力があって。こんなに悪役でありながらも、そうでない部分もあるんじゃないかと感じられるというか。もちろん徹底して悪役を演じていただいているのですが、そこの奥行きに皆さんがいろいろ感じるのも面白いだろうと思います」

 11月11日に放送された第4話では、黒崎との直接対決に突入したが、黒崎に仕掛けられてもどこか余裕すら感じさせる表情で挑発する御木本の姿が描かれた。視聴者からも「憎ったらしいくらいのお顔……さすがでした」「静かな怖さも最高に良い」などと熱視線が注がれている。果たして黒崎は御木本を喰(く)うことができるのか……。18日放送の第5話にも期待したい。

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