放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
荒木飛呂彦(あらき・ひろひこ)さんの人気マンガを高橋一生さん主演で実写化するNHKのドラマ「岸辺露伴は動かない」(総合)の第3期が12月26日、27日に放送される。26日放送の第7話「ホットサマー・マーサ」は、今年発表されたばかりの原作の新エピソードの実写化となるが、高橋さんは「ホットサマー・マーサ」を読んだとき、「荒木(飛呂彦)先生に、僕のこり固まった露伴像を溶かされた感じがしました」と語る。第3期の意気込み、今作の撮影などについて高橋さんに話を聞いた。
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ドラマは、荒木さんの人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ(集英社)のキャラクター・岸辺露伴を主人公としたスピンオフ「岸辺露伴は動かない」(同)が原作。人を本にしてその記憶や性格などを“読む”能力を持つマンガ家・露伴が、奇怪な事件や不可思議な現象に遭遇するサスペンス・ホラー。アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」にも参加した小林靖子さんが脚本を手掛ける。
第3期となる今回は、26日に第7話「ホットサマー・マーサ」、27日に第8話「ジャンケン小僧」を放送。「ホットサマー・マーサ」は今年発表されたばかりの新作エピソード、「ジャンケン小僧」は「ジョジョの奇妙な冒険」第4部「ダイヤモンドは砕けない」で描かれた露伴が活躍する人気エピソードの実写化となる。
2020年にスタートした実写化も3期目に突入する。高橋さんは「ここまで多くの方に期待していただける作品になるとは思いもしませんでした。ただ浮かれることはなく、視聴者の反応をうかがって石橋をたたきすぎることもなく、スタッフの皆さんと一緒に毎シーズン全力で作品を作っています」と話す。
「非常にお芝居をしやすい現場」と続ける高橋さん。「スタッフの皆さんがアットホームな雰囲気作りをしてくれるおかげで、いつも時間をおいた感じがしないんです。久しぶりな感じが全然なくて、1期、2期、3期とずっと続いているような錯覚さえ感じます。最高の制作陣と一緒に作品作りをすることができて、この作品に携われたことは幸福です」と笑顔を見せる。
約1年ぶりの放送となる第7話「ホットサマー・マーサ」では、露伴がペットの子犬「バキン」を飼い始めた姿などが描かれる。高橋さんは「面白い(ゲストの)方々とご一緒できて充実した1期、2期だったのですが、まさか3期では犬とお芝居ができるとは……。僕自身あまりない経験だったので非常に楽しかったです」とほほ笑む。
「ただ驚いたのは子犬の成長速度。ずっと抱えていたのですが、日に日に体重が明らかに重くなっているのが分かるんです。(撮影終盤では)『こんなに引っ張り回されてしまうのか』という感じでした」と撮影の裏話も明かしていた。
露伴の役作りについて「『岸辺露伴は動かない』の露伴よりも、どちらかというと『ジョジョ』の第4部の頃の露伴を参考にしながら、これまで演じてきました」と語る高橋さん。「変人で奇人で……それでいて一本筋は通っている。僕自身の露伴との出会いが第4部だったので、自然とあの“露伴像”を常に意識していました」と話す。
そんな中、今年発表された「ホットサマー・マーサ」で、自身の中の“露伴像”を考え直したという。「荒木先生が新しいエピソードを発表する度に、露伴のキャラクターの膨らみがどんどん増していると思うんです。岸辺露伴が涙目のような表情になったり、子犬を飼い始めたりするなんて思いもしなかった。『またこういう側面が出てきたのか!』と驚かされました。僕のこり固まった“露伴像”を溶かされてくれるようなエピソードでした」と述べていた。
新たな露伴の一面を知り、役作りを見つめ直した高橋さん。「今回は改めて『岸辺露伴は動かない』という原点に立ち返りました」という。「演出の渡辺(一貴)さんと相談して、自分から能動的にお芝居をしていくことをあまりしていません。翻弄(ほんろう)される露伴を、受けの芝居を意識しました」と撮影を振り返った。
原作ファンの期待も大きい新作2作。「実写化の出来」を聞くと、「『なるべく荒木先生の原作に近いものを』というのは意識していますが、実写化にあたってどうしても原作通りにいかない部分もある。その点、小林さんの脚本はそのバランスがとても考えられたもので、完璧であると思っています。あくまで僕の肉体で演じる露伴が、(原作と)整合性のとれたものになっている。僕は小林さんの脚本を信じて演じています。1期、2期とやってきましたが、今回も原作ファンの方々も納得できるようなエピソードにできているのでは、と自信はあります」とアピールしていた。
第7話「ホットサマー・マーサ」は26日午後10時~同54分、第8話「ジャンケン小僧」は27日午後10時~同54分に放送される。
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