幼いころから仮面ライダーファンを公言している俳優の鈴木福さんが、特撮ドラマ「仮面ライダーギーツ」(テレビ朝日系、日曜午前9時)で念願のレギュラー出演を果たしたことは大きな話題となった。そんな鈴木さんが2月12日放送の第22話で仮面ライダージーンに変身し、もう一つの夢であった「仮面ライダーへの変身」をついに実現。仮面ライダーに関する夢をかなえた鈴木さんに、出演が決まったときの心境、変身してみての感想や変身ポーズのこだわり、今後の特撮に関する野望を聞いた。
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鈴木さんの仮面ライダーシリーズへの出演は、「仮面ライダーオーズ」第10話(2010年11月14日放送)の少年役、映画「スーパーヒーロー戦記」(2021年)の物語のカギを握る少年役に続き3回目。3度目にして初レギュラー出演となった心境を、鈴木さんは「本当にうれしいし、人生が最高に今楽しいです」と喜ぶ。
発表の際、SNSでも大いに盛り上がったが、周囲からの反響を聞くと「情報解禁のタイミングで特撮に出演されていた方々や仮面ライダーシリーズに関わる方々には連絡させてもらい、そのほかの友達も含めて『仮面ライダーおめでとう』と連絡をもらいました」と話し、「母や祖父母の周りでもそう言われたという話を聞きうれしかった。ネットニュースのトップになったのには一番びっくりしました」と目を丸くする。
鈴木さんは第16話から出演。仮面ライダーギーツ/浮世英寿(うきよ・えーす)役で主演を務める簡秀吉さんら「ギーツ」メンバーとの共演に、「みんな面白いし、いい雰囲気。仲が良いのがすてきで、ウェルカムな感じで話してくれる」と印象を語る。
さらに「杢代(和人)君(仮面ライダーバッファ/吾妻道長役)と(星乃)夢奈ちゃん(仮面ライダーナーゴ/鞍馬祢音役)は同い年だし、ほかの方も同じぐらいの年なので、一緒にできるのはうれしいし楽しい」と同世代との共演を喜ぶ。
鈴木さんが演じているジーンは、デザイアグランプリを見守るオーディエンスの一人でギーツのサポーターという役どころ。まだ謎の多いキャラクターだが、鈴木さんは「今までにやったことがない役なので楽しい」とにっこり。
青と白のメッシュを入れたヘアスタイルに黒いジャケット姿も、「メッシュは入れたことがなく、気に入っています。ギーツ推しなので、簡君の分け目とは違うけど英寿の雰囲気も感じる髪形も面白い。衣装もカッコよく、お気に入りのポイントです」とうれしそうに話す。
役作りについては当初、「不思議な役ですし、(人物の)ヒントを少しずついただく感じだったので、最初はつかめず探りながらやっていました」と試行錯誤したことを明かし、「最近はだんだん見えてきて。やりたい形やこうしていきたいというものがあるので、そこは自分でも良かったと思いながらやっています」と方向性が固まってきたという。
演じる際に特にこだわっているのは「声」といい、「普段の僕のしゃべり方と変えて、大人の余裕というか。しっかりハキハキと、少し抑え目のトーンで話すことで余裕感を持ったしゃべり方を意識しています」と意識している点を語る。
以前のインタビューで、変身について「目標として頑張っていきたい」と語っていた鈴木さん。今作でその夢を実現させた鈴木さんは、「3歳からの夢が15年後にかなっているとは思っていなかった。かなえてもらえてうれしい」と感慨深げに語る。
「『仮面ライダーに君もなれるよ』というのは、現実にかなえた存在として、小さなころから仮面ライダーが大好きだからこそ、それをずっと発信してきたからこそ言える部分はあるのではと思う。それは良かったなって」
自身の仮面ライダー愛や夢は、「小さなころからタモリさん、黒柳徹子さん、明石家さんまさん、ダウンタウンさん、みんなの前で仮面ライダーが好きだという話をしてきた」といい、「今度は仮面ライダーになったという話を持っていけるのが楽しみ。仮面ライダーは局の垣根を超える存在だと思っているので、いろんな番組で宣伝したい」と意気込む。
初めての変身シーンの撮影は、「意外とすんなり『やるぞ』みたいな雰囲気だなと思いつつ、これが僕の夢をかなえた瞬間かというのは感じて感慨深いものはありました」と振り返り、「映画で一回現場に入り、ニチアサの現場特有の雰囲気を感じていたので、今回すんなりできたのかも」という。
変身ポーズのこだわりを聞くと、鈴木さんは、「まずレーザーレイズライザーの持ち方は(仮面ライダーWの)左翔太郎の雰囲気」と切り出し、「ジャケットの裾をバサッとやるのがカッコいいのと、レーザーレイズライザーをカチャッとするタイミングで、IDカード にある顔と僕の顔が重なる瞬間があり、お気に入りのポイントですね」と見どころを解説する。
さらに「ガチャンとはめた後は腕をまわし、(手で)軽くキツネを作ってから指をパチンとするタイミングで『変身!』と言う。最終的に胸に手を当て、ジーンの求める“感動”を表現しているのがポイントです」と続け、「ちょっと長い丈のコートを着たらバサッというのもできるし、そこがジーンならではのポイント。まねしてほしい」と呼びかける。
仮面ライダージーンのビジュアルに関しては、「マジでカッコいい!」と絶賛。「新しさのある雰囲気でカッコいいし、可愛らしさというか何とも言えない若さのようなものをデザインに感じてワクワクする。カラーリングは青黒白がメインで紫がちょっと入っていて、もう僕の好みドンピシャ。最近、日常に水色や青っぽいものが増えてきています(笑い)」と全力でカッコよさをアピールする。
過去のインタビューでも好きな仮面ライダーについて熱く語ってきた鈴木さんに、好きなライダーは更新されたか質問すると、「仮面ライダージーンが好き(笑い)。一番好きなのはやっぱり自分がやったのにはなるかな」とうれしそうに応じる。
それでも「見始めたころはタイクーンやバッファがいいなと思っていたけど、(ジーンが)ギーツ推しなので、だんだんギーツが好きになっている自分はいます」と役同様、今作ではギーツも推しているという。
仮面ライダーシリーズで着実に夢を一つ一つかなえている鈴木さんに、さらなる“野望”として、今後“1号ライダー”への変身意欲を聞くと、「やらせていただけるならぜひ! スケジュールはいくらでもあけます(笑い)」とユーモアを交えつつも前のめりで答える。
「1号に限らず、2号でも3号でも、物語の最初から出てくるのも楽しいだろうなと思う。まだ自分の年齢的にもチャンスはあるはずなので、どこかのタイミングやらせていただけるならぜひやりたいですね」
近年は、「忍者戦隊カクレンジャー」「ウルトラマンパワード」「仮面ライダーリバイス」に出演経験を持つ俳優のケイン・コスギさんのように、1人の俳優による“三大特撮ヒーロー”制覇が注目を集めるが、鈴木さんにその話題を振ると、「スーパー戦隊もやりたいですね。戦隊なら緑か黒、紫とかゴールドあたり。赤から外れたところがいいな」と目を輝かせる。
今後の見どころについて、「話の展開が早くて面白いとしか言いようがない。ジーンの秘密、オーディエンスの秘密、ギーツの秘密もそうですけど、どんどん明かされていき、『そのタイミングでそれをやるんだ!』というのがあるので楽しみにしてほしい。ジーンがどう活躍し、どんな戦い方をするのかにも注目してほしいです」と語った。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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