関水渚:初大河「どうする家康」で半年前から乗馬の練習 “女城主”田鶴として悲しい最期も「感無量」

NHK大河ドラマ「どうする家康」で田鶴を演じた関水渚さん (C)NHK
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NHK大河ドラマ「どうする家康」で田鶴を演じた関水渚さん (C)NHK

 松本潤さん主演のNHK大河ドラマどうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)で田鶴(たづ)を演じた関水渚さん。3月19日放送の第11回「信玄との密約」では、“女城主”としての悲しい最期を迎えた。役を演じきった関水さんの現在の心境は? 大河初出演の感想と併せて振り返ってもらった。

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 田鶴は、今川家の重臣・鵜殿長照(うどの・ながてる、野間口徹さん)の妹で、瀬名(有村架純さん)とは幼少からの友人だったが、今川と徳川が敵対関係になり、家康(松本さん)が瀬名の“奪還”に成功すると、2人は離ればなれに。第11回では、夫の飯尾連龍(渡部豪太さん)の死後、引間城(曳馬城)城主となった田鶴は、瀬名からの求めに応じず、今川側の人間として最期を迎えることを選んだ。

 第11回の台本について「最初は読んだときは、こんな悲しい世の中、嫌だなって、ものすごく悲しくなってしまった」というが、「自分の気持ちは後回しにして、田鶴として、周りにいる自分の大切にしている者を守ることを第一に、お芝居できたらいいのではないかなと思いました」と気持ちを切り替えた。

 一方で、これまでのドラマを振り返って、印象に残っているシーンに、第11回での田鶴と瀬名の“楽しい思い出”を挙げた関水さん。町で、今でいうところの“こっそり買い食い”する2人の姿が描かれた。

 「2人で、走ったり、無駄に笑ったり、まだ若くて、真っすぐな子たちだからこその姿。現代だったらあふれかえっている何気ない幸せが、あの時代にはとても少ないからこそ、本当に幸せをかみ締めることができて、ものすごく楽しめました」と振り返る。

 演出の村橋直樹さんから「高校生みたいに楽しんでほしい」と言われたという関水さんは、「大人になってからだったら、面白くはないようなことでも、ケラケラと笑って。本当に15歳くらいの田鶴と瀬名でいられた気がして。唯一の田鶴の楽しいシーンということもあるのですが、本当に少女に戻ったかのようでした」と思い入れの強さをのぞかせた。

 家康の兵と対峙(たいじ)する戦シーンでは、甲冑(かっちゅう)姿を披露し、馬にも乗った。

 甲冑の重さなど、身体的な大変さと共に、「私の場合、乗馬は時間がかかりました」と告白。「馬に実際に乗る半年前から練習を始めました。最初はものすごく怖くて、馬が意外と背が高いから、『ここから落ちたら』とかいろいろと考えたのですが、だんだんと乗り方が分かったら、楽しくなってきて、プライベートでも、また乗りたいなって思えるくらいにはなりましたが、最初はすごく苦戦しました」と明かした。

 そんな苦労が実って(?)か、田鶴は勇ましく馬を駆り、正面から家康に戦いを挑もうとしたところ、胸を撃たれて最期を迎えた。

 「田鶴としては負け戦と分かってはいました」と話す関水さんは、「ただ引間城についてきてくれたみんなのことを『自分が守るんだ』と決めたから、やるしかないと。自分の生きる死ぬはこの際、関係ないという気持ちで挑んだのですが、実際にお芝居していたら、家康さんが思っていた以上に田鶴のことを考えていてくださったんだなって感じることができて。私(田鶴)ばかりが、人のことを考えて行動していると思っていたのですが、そうではなくて。自分を思ってくれている人、それは家臣や瀬名だけではなく、ほかにもいたんだと胸を打たれて、撮影順としては決して最後ではなかったのですが、撮影が終わったあとは感無量といいますか、思い出深い日になりました」と語った。

 改めて大河ドラマ初出演の感想を聞くと、「撮影初日はセットの重厚感やスタッフの方々の職人感、あとはキャストの皆さんの衣装とか、私自身も今までにない役柄にものすごく緊張してしまったのですが、最後まで楽しんで臨むことができました」とほほ笑むと、「大河ドラマって、“おとぎ話”的な部分もあると思っていて。今の時代ではありえないことが起こるし、役を通して、今までのドラマ(現代劇)ではできないことが作品中ではできるというのはものすごく面白い。時代劇をまたやれたらなって思っています」と次への意欲をのぞかせた。

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