ダンダダン
第6話「ヤベー女がきた」
11月7日(木)放送分
小説投稿サイト「小説家になろう」などで人気の餅月望さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」が、10月7日からTOKYO MX、MBSほかで放送される。ティアムーン帝国皇女のミーア・ルーナ・ティアムーンが、なぜか12歳の自分にタイムリープする……というストーリーで、人気声優の上坂すみれさんが、主人公のミーアを演じる。上坂さんに、アニメへの思い、自身の12歳の頃について聞いた。
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同作は、わがまま姫とさげすまれ、民衆の革命により20歳の時に断頭台で処刑された帝国の皇女・ミーアが、なぜか12歳の自分にタイムリープし、ギロチン処刑の運命を回避するために奮闘する……というストーリー。TOブックスからライトノベルが発売されており、コミカライズも人気を集めている。シリーズ累計発行部数は170万部以上。アニメは、伊部勇志さんが監督を務め、SILVER LINK.が制作する。
キャラクターは可愛い。しかし、ストーリーを読むと「革命」「ギロチン」「処刑」などハードなワードが並んでいる。
「可愛い絵のタッチからは想像できないハードなところがあります。魔法などもなく、ギロチンが出てきて、民衆が飢饉(ききん)や貧困から革命を起こすなどリアルでもあります。ミーアは今度こそ絶対にギロチンを回避する!と気持ちのいいくらいの保身があり、ギロチンを回避するためには、民衆が苦しまなければいいので、そこから世直しにつながっていきます。魔法やスキル、奇跡、偶然に頼らずに、ミーアが人脈を駆使してギロチンを回避していこうとするところは骨太ですし、ミーアを応援したくなります。骨太で、ストーリーは重厚ではあるのですが、ミーアやアンヌなどのキャラクターが可愛く、魅力的です。いろいろな面から楽しめるお話になっています」
上坂さんが演じるミーアは、民衆からはわがまま姫とさげすまれるティアムーン帝国唯一の皇女。20歳の時に断頭台で処刑されてしまう。12歳にタイムリープした後も性格はそのままで、保身のために奔走する。基本的には素直でお人よしだ。
「ドラマCDでも演じさせていただいて、すごく愛されている子という第一印象がありました。アンヌや学園のみんな、政府の人々からもある意味、一目置かれていて、行動力もあります。主人公らしい主人公というイメージだったのですが、前の人生での数々の失敗を繰り返さないぞ!というのが出発点にあり、いろいろな人と触れ合う中で、成長して、民や国を思い、帝国の姫たる風格が備わっていく成長物語でもあります。演じていて、どんどん何か変わっていくところを感じていました。ミーアの帝国の姫としての為政者的な側面を楽しめますし、年相応に12歳らしく、お菓子を食べたり、紅茶を飲んだり、友達とお弁当作りをしたり……という側面もあります」
12歳にタイムリープするが、中身は20歳で、処刑された経験もある。
「処刑される直前は、絶望感があり、無気力で『どうして?』というせりふも多く、20歳ではあるのですが、疲れていて、実年齢よりも上に聞こえるようなお芝居をイメージしていました。12歳に戻ってからは、言動などは幼いのですが、20歳の経験があるので『幼なくなりすぎなくても大丈夫です』というディレクションをいただきました」
ミーアから絶大な信頼を寄せられていているメイドのアンヌ・リトシュタイン役に楠木ともりさん、優れた内政能力と幅広い知識を持つティアムーン帝国の文官であるルードヴィッヒ・ヒューイット役に梅原裕一郎さんら豪華声優も出演する。
「分散収録の時期ではあったのですが、アンヌとは一緒に収録できました。アンヌは、ドラマCDでもお声を聞いていたので、イメージしやすかったのですが、アニメになって動いていると、すごい想像以上にドジっ子なんです。前の人生では、最後までミーアを見捨てなかったですし、心が優しく、悪意が全くない……というのが、ともりさんの真っすぐな声色にぴったりです。ミーアは言っていることと考えていることが全然違いますが、アンヌはキラキラしていて、真っすぐです。ともりさんの声を聞いていると、ミーアとの対比がすごく面白いです。ほかにも、登場するキャラクターたちは、本当にぴったりな方ばかりなので、収録していて、すごく楽しかったです」
上坂さんは、アニメのオープニングテーマ「ハッピーエンドプリンセス」も担当する。大石昌良さんが手掛けた楽曲で、上坂さんと大石さんが初めてタッグを組んだことも話題になっている。
「大石さんとは、フェスなどでお会いしたことがありますし、自分が出演しているアニメの主題歌を手掛けていることもあったのですが、なかなかご一緒する機会がなくて、いつかお願いしたいなと思っていた時、オファーができることになりました。大石さんは、一つ一つの作品に世界から向き合っている印象がありました。今回、大石さんが仮歌を入れてくださっていたのですが、こちらからリクエストすることは何もなく、完成していたので、やっぱりすごい!となりました。ミーアのシニカルなところ、平坦な道ではないけど、自分の人生の主人公は自分なんだという作品のテーマも表現されていて、エールが届くようなとてもすてきな曲だなと思いました。難しい曲なのですが、歌っていてすごく楽しく、突然ジャズっぽくなったり、落ちサビでちょっと静かになったりと曲の展開も面白い楽曲です」
上坂さんが白いドレスをまとったジャケットも印象的だ。
「これまで赤系の色のジャケットが多かったので、まず色が新鮮です。ブルーと白のコントラストがキレイです。姫のような純白なお衣装で、大胆にペイントされているところは、自分で自分の人生を好きな色に染めていくお姫様の象徴にもなっています。大胆ではあるのですが、品があって、大ぶりのティアラも印象的です。背景はランダムなペンキの模様でして、姫のような衣装がすごく合うところが、意外な組み合わせで新鮮です」
上坂さんは、アーティストデビュー10周年を迎えた。
「10年、アーティストをやらせていただき、タイトルとしては卒業するみたいですけど、そういう予定はありません。10周年をお祝いするのに、これ以上ない歌になっています。歌っていてもハッピーになりますね」
ミーアは、12歳にタイムリープすることになる。上坂さんに「自身はどんな12歳だったのか_?」と聞いてみた。
「小学生の頃、ノストラダムスの大予言で、1999年に、地球が滅亡すると信じていたんです。7歳くらいで死ぬんだったら、友達とか部活とかはいいや……と自我がない小学生でした。でも、地球は滅びませんでした。12歳の頃、クラスに一人、親友がいて、ほかの友達は全然いませんでした。その子は今でも私のライブに来てくれるんです。幼なじみは今から作ることはできないですし、すごく大事ですね。モデルのお仕事もさせていただいていましたが、人見知りで、オーディションが苦手でした。門限が厳しい家だったのですが、お仕事で外に出て、シティーポップや昭和歌謡が好きでして、歌の舞台になっている銀座ってこんな街なんだ!となったり、都会への憧れがありました。」
その頃には既に声優への憧れもあったというが「声優になるには養成所に行かなきゃいけないと思っていたのですが、親から養成所に行く許可が取れなかったので、何もできずにいたんです」と話す。
「12歳に戻ってやってみたいことは?」と聞いてみると「声優になってみて、基礎体力が必要であることがよく分かったので、まずは体育を諦めないことですね。ちゃんと参加すればよかったです。走るのも苦手で、諦めていたので。体力をつければ、大人になってからもっと楽だったかもしれません。もうちょっと友達を作る努力もすればよかったですね。ただ、違う人生をやりたいというのはないです」と語る。
アニメの放送に向けて「アニメが発表された時から、原作ファンの方がすごく喜んでくださっていて、しっかりその期待を超えていけるような第1話になっていると思います。オープニング、エンディングもすごくすてきですし、第1話を見たら、ミーアを好きになっていただけるはずです。ギロチンを回避するために、過去の自分の過ちを正していく強い意志に、皆さんもきっと勇気づけられるところがあると感じています。いろいろなキャラクターも登場するので、ぜひ最後までお見逃しなきよう、よろしくお願いします」と語る上坂さん。12歳に戻ったミーアの活躍に注目が集まる。
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