「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」。MBS・TBS系で12月14日に放送された第45話(第2期第21話)「変身」では、虎杖悠仁、東堂葵、無為転変によって姿を変えた真人によるすさまじい“呪い合い”が描かれ、虎杖が真人を追い詰めた。虎杖役の榎木淳弥さん、真人役の島崎信長さんが、虎杖と真人の激闘について語った。
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榎木さん 虎杖を演じる時にいつも思うのが、彼を理解することは難しいということ。彼の陥っている状況を自分に当てはめることも難しいので、「このせりふはどう言えば臨場感がでるのか」と毎回悩みます。特に第45話(第2期・第21話)「変身」前後の状況を自分の日常に当てはめることができなくて、どうにか共感できるようにアイデアを持ってくるのが大変でした。
島崎さん 真人が特段残酷だから、こうしようというアプローチはしていないかもしれないです。台本を読み解いて考えたり感じたりする中で、自分なりに真人と向き合って、そのまま演じるだけ。また、真人や呪霊側からしたら「残酷なことをしている」という意識はないと思います。真人的に言うと、呪術師も「お前たちはこれまではらってきた低級呪霊のこと、いちいち覚えてんの?」という感じ。逆の立場からすると、呪術師たちの方が“残酷”なんですから。
島崎さん 真人は、こういう人格になった道筋がきっちり追えるキャラクターなので、作り上げる上で難しいと感じた部分はなかったです。もちろん、考え方に共感できない部分はありましたけどね。その共感できない部分は、榎木くんと同じように自身の日常に当てはめたり、またパーツを拾い集めて積み重ねていくことで絶対に共感できるようになるので。そして何より、真人は基本的に全てを楽しんでいるキャラクター。そんな役を演じる時は、やっぱり自分も楽しいです。真人を演じる面白さは、彼が自分本位に楽しんでいるところにあったと思います。
榎木さん 東堂とのシーンも、僕にとって演じるのが難しかったことを覚えています。東堂にとっては虎杖を励ます言葉をかけているのですが、七海(建人)の最期や釘崎(野薔薇)の敗北を目の当たりにした虎杖が、それらの言葉をどのように受け取り、彼の中で「全体で勝てば良い」という考えに至るのか……。気持ちを作るのにすごく悩みましたね。
島崎さん あのシーンは録(と)り方も工夫して気持ちを作っていたよね。うずくまってアフレコしたり。
榎木さん そうですね。虎杖と同じような体勢をとった方が気持ちが入りやすかったので、スタッフさんに協力してもらって、うずくまってアフレコしました。
島崎さん 僕はその隣にいたのですが、榎木くん(虎杖)が苦しんでいると視覚的にわかる分、真人を演じるのがすごく楽しかったです。僕は立っていて、相手はうずくまっているんだから。圧倒的な勝者の構図ですよね(笑い)。この回は、冒頭から最後のシーンまでずっと楽しかったです(笑い)。
榎木さん うん。なんか、すごい楽しそうだった(笑い)。
榎木さん 真人を追い詰めるシーン。真人が優勢だった立場が逆転して、狩人(虎杖)と獲物(真人)の構図に変わります。じっくりと、でも確実に真人の命を絶とうとしている虎杖が印象に残っています。
島崎さん 僕もそのシーンは印象的。榎木くんと目を合わせて録ったのですが、すごく怖かった。せりふはないのですが、「もうやめてくれ」と助けを乞う僕の目線に対し、榎木くんはゆっくり無言で首を振るんです。「もうダメだ、こいつは絶対に俺を殺す」という真人の感じている絶望が、僕にも伝わって来ました。
榎木さん 中村悠一さん(五条悟役)もおっしゃっていたのですが、信長くんは感覚派の俳優さん。ルールにあまり縛られずに、目の前にあるものに集中して、反射で演技できる人なので、迷いがないんですよね。いつも見ていてすごいなと思っています。そして、そんな信長くんと一緒に演技すると、自分も迷っていられない。それにいつも助けられています。
島崎さん いや、それは僕の方こそ。榎木淳弥との芝居だから、僕が迷っていられないんです。芝居はどうしたって“嘘(うそ)”になりますが、それをどう“本当”にしていくかが役者の役目だと思っています。榎木くんは、その嘘を浮き彫りにしてくる役者。榎木くんの表現が本物すぎて、こっちも本物でいないと嘘が浮いてきてしまうんですよね。「呪術廻戦」はもちろん、それ以外の作品でも“本物”として彼と肩を並べられる役者であり続けたいと思わされます。
榎木さん ここからは、夏油との戦いが見どころになってきます。「渋谷事変」がどういう結末を迎えるのか、各地で戦っている仲間たちの行く末と共に見守ってください。
島崎さん そうですよ! 最後に夏油が助けに来てくれたんでね。きっと真人のことを助けてくれるはず……! 今後は夏油の活躍にご期待ください!
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