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ひとり暮らし長~い芸人
11月21日(木)放送分
ラグビー日本代表の指揮官として今年1月に着任したエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が、日本代表のSH(スクラムハーフ)として2019年、2023年のワールドカップ(W杯)で活躍した流大(ながれ・ゆたか)選手とこのほど対談した。対談は、エディーさんのコーチング哲学などに迫るWOWOWのコンテンツ「エディータイムズ2024」の企画で、近くWOWOWオンデマンドで配信される。
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エディーさんは2012〜2015年に日本代表のHCを務めた。当時、エディーさんの指導を受けたことがある流選手は、現在は日本代表を退いているが、「東京サントリーサンゴリアス」でリーグワン屈指のトッププレイヤーとして活躍している。対談では選手、指導者という異なる立場ながら世界を舞台に戦った経験を踏まえ、これまでの流選手の活躍、SHというポジションの重要性、日本代表の未来などについて熱いトークを繰り広げた。
対談の主なやりとりは以下の通り。
エディー・ジョーンズHC:こんにちは。元気ですか?(日本語で)
流大選手:元気です。サンゴリアスのクラブハウスでは普通にお話しできていたのに、こういうシチュエーションだと緊張します。
エディーHC:リラックスしてね(笑い)。
流選手:大学3年生の時(2013年7月)、日本代表の菅平合宿に呼んでもらったのがエディーさんとの最初の出会いです。
エディーHC:当時、若い大学生を合宿に招こうという話になり、日本代表に選ばれるだろうとすでに言われていた流選手がそこに入りました。常にまじめに取り組んでいた一人で、可能性のある選手だと感じていました。
流選手:エディーさんは怖い方だというイメージがあったのですが、実際に会ってみるとすごく親切に話してくれて、ワン・オン・ワン(ミーティング)の時間も設けてもらい、いろいろ話していただいたのを覚えています。
エディーHC:(当時から)成功を常に意識している選手でしたから、こちらも常に気にしながら見守っていました。合宿に来た選手たちの中でも特に向上心の強い選手はよく見ていましたね。
流選手:(W杯イヤーの)2015年に入ってから最初の合宿には行かせてもらいましたが、その後は外れてしまいました。正直なところ、当時の自分のレベルでは日本代表を追い付いていない、もっと自分のレベルを上げないといけないと実感していました。そう感じられたという意味でも本当にタフな経験をさせてもらいました。
エディーHC:流選手はサイズこそ小さいものの、その後も国際的な場面で高いレベルでプレーし続け、常に上達していました。キャプテンを務めたサンゴリアスでリーダーの資質も見せていましたし、そして何より常にチームを強くしようとしていました。「常にベストな選手になる」という流選手の気持ちの根源がいつも気になっていたのです。
流選手:ありがとうございます。僕もサンゴリアスでエディーさんから新しい刺激のある話をしていただいてきたので、常に発見がありました。やはり現状維持ではダメだな、と常に気付かせていただいていました。
エディーHC:流選手は日本のために多大なる貢献をした選手です。2019年W杯は本当に素晴らしかったですし、2023年大会でもハーフバックとしての才能を存分に見せてくれました。ハーフバックはチームを引っ張る存在であり、強豪チームには常に強力なリーダーがいます。流選手はまさにそんな存在です。
流選手:今エディーさんが言われたことを僕自身も全うしてきた自負があります。その一方で、次世代の若い選手にもどんどん出てきてほしいという思いもあります。才能のある選手はたくさんいると思いますので、これからエディーさんがどういう選手を選んでいくのか、すごく興味を持っています。エディーさんはラグビーにおけるSHの役割についてどのようにお考えですか?
エディーHC:この15年で大きな変化がありました。ディフェンスが進化しており、さらに(チームとしての)一体化が進みました。その中で9番の選手(SH)は攻守ともに中心的役割を担っています。特に注目すべきはその選手がいかにボールを動かす能力があるか、ラック時にどのように攻撃に転じるか、という点です。一瞬の隙を完全なブレイクに切り替えられる能力ですね。実に重要な役割を担っています。
流選手:そのような要素も踏まえつつ、今の世界一のSHは誰だと考えていますか?
エディーHC:昨年のW杯を見るとアーロン・スミス(2015・2019・2023年W杯ニュージーランド代表。現トヨタヴェルブリッツ)ですね。現在35歳ですが、まだスピードもあってパスも正確で、チャンスを仕留めにいきます。そしてディフェンスでも他の選手との大きな違いを見せています。特にラックではディフェンスをうまくまとめていますね。
流選手:もちろん僕もアーロン・スミス選手は素晴らしいトッププレイヤーだと思っていますが、ここ最近ではアイルランドのジェイミソン・ギブソン=パーク選手を挙げたいです。彼がゲームに与える影響はすごく大きいですし、SO(スタンドオフ)ジョナサン・セクストン選手が現役を引退した今、彼と次なる10番(SO)の選手がどのようにして新しいアイルランドを作っていくのか、というところを楽しみにしています。
◇
対談を終えた流選手にエディー・ジョーンズHCの言葉の数々から得たものについて振り返ってもらった。また、現在開催中のラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」と、ニュージーランドやオーストラリアなどの強豪12チームによる南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー パシフィック」の注目ポイントや優勝予想について聞いた。
ーー今回の対談、流選手にとってどのような時間でしたか?
すごく学びのある時間でしたし、話していくことによって自分の考えも整理できました。こちらからの質問にもすぐに答えられていたので、常日頃からいろいろなこと考えていてご自分の考えを確立していらっしゃるんだろうな、とあらためて感じました。
ーー今回の対談による学びや刺激が今後の選手生活にもプラスに作用しそうですね。
もちろん現役中に生かせることもたくさんありますし、それと同時に、僕はコーチングを勉強していきたいと考えていますので、指導経験が豊富なエディーさんとの対談はすごく貴重な機会になりました。サンゴリアスでも常にそういう視点で話を聞かせていただいていましたし、もちろん一プレーヤーとしても学びになり自分の成長につなげられるお話もたくさんあったので、その両面でエディーさんから学ぼうとしてきました。
ーー流選手を日本代表合宿に初招集したのもエディーHCでした。あらためてどんな存在ですか?
日本代表を勝つ集団に変えたのは間違いなくエディーさんだと思っています。日本のラグビーへの貢献はすごく大きいですし、次の新しい日本代表を作っていくうえでもすごく大事な方だと思っています。
ーースポーツ史上に残る歴史的勝利となった2015年W杯の南アフリカvs日本をご覧になった時はどう感じましたか?
サンゴリアスの同期とスポーツバーで見ていたのですが、心の底から感動して泣きそうになったのを覚えています。いろいろな試合を見てきましたのでもちろん感動したことは過去にもありましたが、心が震えるほど感動したことはなかったので、次のW杯(2019年日本大会)には絶対に出たい、という思いがさらに強くなりました。
ーーその思いをかなえて2019年W杯で初の決勝トーナメント進出に貢献され、2023年W杯は2試合に出場。そして惜しまれつつ代表を引退されました。
2023年W杯で自分の持てるものはすべて出し切りましたし、やり切った大会でした。日本代表としては目標に届きませんでしたが、実力を出し切ったうえでの敗戦だったと思いますので、それをどのように若い世代が引き継ぎ、もっと日本が強くなるためにこれからどうしていくか、というところだと思います。これは日本代表だけではなく、日本のラグビー界全体で考えていかないといけないポイントです。エディーさんのもとで一貫して強化できるようなシステムを作っていくことが今後大事になってくると思っています。
ーー新たな日本代表がまもなく始動します。3年半後には2027年W杯を迎えますが、流選手はその時、日本代表をOBとしてどのような視点でご覧になるでしょうか?
僕自身はOBというような感覚はなくて、元日本代表ともあまり名乗りたくないんです。今後は一人のファンとして、そして日本ラグビーに携わる者として日本代表を応援したいですし、できることがあれば何でもしていきたいと思っています。もちろんサンゴリアスの若い選手がたくさん代表に選ばれてほしいと思っていますし、インターナショナルレベルになるためにどうすればいいか、ということを日頃から少しずつ話していけたらとは思っています。
ーーシックス・ネーションズで現在活躍中のアイルランドのSH(スクラムハーフ)ジェイミソン・ギブソン=パーク選手の名前を出されていましたね。
SHとして全てがお手本です。スキルが高いだけでなく判断が早くて的確で、なおかつ自信を持って判断をしているからこそ周りのフィジカルの強いプレーヤーやいいランナーを生かせているんだと思います。アイルランドの完成度は非常に高いので、このまま優勝するだろうと思っています。
ーー他にもシックス・ネーションズで気になっているチームや選手をお教えください。
スコットランドのSO(スタンドオフ)フィン・ラッセル選手は見ていてわくわくする選手ですね。ラグビーを楽しそうにやっていますので、いちファンとして楽しみながら見ています。
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