草なぎ剛さんが主演を務める映画「碁盤斬り」(白石和彌監督)が5月17日に公開される。囲碁をめぐる人情話として人気のある落語「柳田格之進」をベースにした本格時代劇で、「ワンカットワンカット、職人の皆さんの力が結集している画(え)ができた」と完成度の高さに太鼓判を押した草なぎさんに、“白石組”に参加しての感想やこだわり、そして現在の心境を聞いた。
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いわれのない疑惑をかけられた上に妻も喪(うしな)い、藩を離れて娘・お絹(清原果耶さん)と貧乏長屋で暮らす柳田格之進(草なぎさん)。ある日、えん罪の真相が明らかとなり、格之進は仇討ちを誓う……と展開する。
草なぎさんは「何より白石監督とできる楽しみが大きかった」と本作出演を喜び、「同い年の監督は初めてだったかも。今まで見てきたものとか感じてきたものが近いのかなと思って、監督とは割と早い段階で楽しく友情を築き上げられた」と振り返る。
円滑なコミュニケーションが取れた要因として、「(香取)慎吾ちゃんが『凪待ち』(2019年公開)で一緒で、人見知りの慎吾ちゃんが心を開いている印象があった。白石監督のことはいろいろ話を聞いていた」と香取さんとの縁を挙げ、「慎吾ちゃんのおかげでいい風がこっちにも吹いてきた感じがしました」と感謝する。
草なぎさんは格之進のビジュアルを見た際、「自分でもカッコいいなと思ったし、生まれた時代を間違えちゃったかな(笑い)」と感じ、「『江戸時代に生まれたらもっと人気出たかも』ぐらいカッコいいし、傘が似合っている。令和でも唐傘を被っちゃおうかな」と笑う。
高倉健さんが主演を務めたパニック映画の金字塔「新幹線大爆破」のリブート作で主演を務める草なぎさん。京都の撮影所で撮影が行われたこともあって、演じる上で「高倉健さんのことを考えていた。健さんも京都の撮影所に(当時)毎日のように来ていたのだろうなとか、どこか意識していた」と語る。
そうして作り上げた格之進の生き方には、「僕的には面倒な人だなって(笑い)。いろいろこだわったり、娘に迷惑をかけたり、平和に暮らせばいいのに、と思うと少しイライラもするし、演じながらもイライラはしていた」と感じていたという。
「それも相まって演じられたのもありますけど、相反して譲れない気持ちとか古き良きものの中にある魂も感じた気がします。現代に忘れかけているような気持ちというか、監督もそこは大事にされていた。僕としては面倒くさい男だと思いながらも、一方では僕にはわからないこだわり、曲げられないカッコよさに、必死についていっていました」
前半の穏やかな雰囲気から一転、中盤以降は格之進が怒りに震えて復讐へと走るが、草なぎさんは「白石監督の作品は一枚の布に血がジワーってにじんでいくイメージで、優しいだけじゃ終わらない。今までに見た白石監督の作品のイメージからも、いろいろジワジワくるのだろうなと思っていた。白石監督の世界観に触れて僕の気持ちも乗ってきたし、格之進の復讐という行動にハマっていた」と手応えを口にする。
格之進は囲碁をたしなむ役どころだが、撮影前に草なぎさんは特に「格之進の囲碁に対してのニュアンスが出るかなと思って碁石を返すこと」を練習したという。
「碁石を持ってただ置くのではなくて、一度指先で挟んで(碁石を)返してパチッと置いている。囲碁を知っている人が見たら『なかなか剛君やるな』と思ってもらえるはず。けっこう練習しました」と明かし、「格之進の棋士としての繊細さが出て良かった」と好結果に笑顔を浮かべる。
娘役の清原さんはじめ、中川大志さん、小泉今日子さんら共演者に関して、草なぎさんは、「清原さんや中川君、音尾(琢真)さんら初めての方がいたり、共演経験のある國村(隼)さんやキョンキョン(小泉さん)とは思い出話に花が咲いたり、自分に特別なご褒美をいただいた気持ちになった」と豪華なメンバーとの共演を喜ぶ。中でも、「小泉さんとは久しぶりで、一緒にストーブに当たっていたときに小泉さんをチラッと見たら、自分の若い頃を思い出して何だかドキドキしちゃった」と照れ笑い。
そんな草なぎさんだが「いつまでできるのかなとか、そんなふうにも思うこともある。ファンの方からの応援が励みになっていますね」と率直な今の思いを口にする。
「人間誰しも年を重ねていく中で、どうやって楽しんで抗っていくかが人生のテーマ。ファンの方が喜んでくれるのが一番のモチベーションだし僕の原動力です」(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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