広瀬アリス&風間俊介:「連続ドラマW 完全無罪」 初共演の印象は「“親戚のお兄ちゃん”という感じ」 “楽しんで駆け抜けた”20代への思いも

WOWOWの「連続ドラマW 完全無罪」で主演を務める広瀬アリスさん(右)と風間俊介さん
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WOWOWの「連続ドラマW 完全無罪」で主演を務める広瀬アリスさん(右)と風間俊介さん

 俳優の広瀬アリスさんが主演し風間俊介さんも出演するWOWOWの「連続ドラマW 完全無罪」が7月7日から放送・配信される。ドラマは、かつて自分も被害者だった事件の冤罪再審裁判を担当する弁護士・松岡千紗が容疑者と対峙(たいじ)し、事件の真相に迫る本格ヒューマンミステリー。広瀬さんは弁護士の千紗を、風間さんは千紗の同郷の先輩で弁護士の熊弘樹を演じる。本作が初共演となる2人に、共演の感想や役への思い、さらに今年30歳になる広瀬さんに20代の感想などを聞いた。

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 ◇初共演の感想は……

 ドラマの原作は、ドラマ化もされた「テミスの求刑」や「両刃の斧」など社会派ミステリー作品で知られる大門剛明さんの同名小説(講談社文庫)。映画「星の子」「MOTHER マザー」(ともに2020年)などで知られる大森立嗣監督が脚本・監督を担当。21年前の少女誘拐殺人事件「綾川事件」の冤罪再審裁判の担当に抜擢された弁護士・千紗が、自らも監禁された被害者の一人であるという境遇を抱えながら、自身を殺(あや)めたかもしれない容疑者と対峙する……というストーリーだ。元刑事・有森義男役で奥田瑛二さん、無実を主張する容疑者・平山聡史役で北村有起哉さんも出演する。

 広瀬さんが演じる千紗は、かつて自分も被害者だったという過去から真相究明へ切実な探求心を持つ弁護士だ。シリアスなシーンが多くを占める本作へのオファーを受けた心境について広瀬さんは「当時、コメディータッチの作品への出演がすごく多かった時期だったんです。だから『(私の)何を見て?』と不思議に思って」と笑いつつ、「もう29歳になっていて『どんな29歳なんだろう』と思っていたこともあり、やったことのないテイストの作品をやることがすごく楽しみでした」と笑顔。風間さんも、骨太な物語を連続ドラマとして描く本作について「ぜいたくだなって思いました」と感想を明かす。

 本格ミステリー作品は本作が初挑戦だった広瀬さん。弁護士役は「全シーン苦労しました(笑い)。まず、せりふが言い慣れない。準備稿をいただいて、頭の部分は読んでいたんですけど、どうしても自分にしっくりこないのでずっと読み続けていて……一連で撮ることが多かったので、1秒たりとも気が抜けない中での撮影も刺激的で。いい学びがいっぱいできたと思います」と振り返り、風間さんも「この1作で、俳優としての5年分くらい(の学びが)あった」と共感する。

 千紗は、北村さん演じる無実を主張する容疑者・平山と向き合い、葛藤しつつも信じ、真相究明に動く。広瀬さんは「千紗は強い女性だと思いました。私は真実を知りたいとあそこまで強く思えないというか……諦めは誰より早いので(笑い)」と役の印象を吐露。風間さんは、そんな広瀬さんについて「本来、いなしていかないと難しいものを全部正面で受け止めるキャラクターをしっかり演じているので、撮影中、心配はしました」と回顧しつつ、「でも広瀬さんの『すごいな』と思うところは、メーク中とか“みんながいてほしい広瀬アリス”がそこにいるんですよ。みんなに声をかけて、すごい人だなと思って見ていました」と感嘆する。

 一方、広瀬さんは風間さんとの初共演について「香川でのロケでも体調をすごく心配してくださって。その感じがもう、熊さんみたいで。常に千紗のことを気にかけてくれて、すごくほっこりしていました」と話す。さらに「話しやすくて“親戚のお兄ちゃん”という感じでしたね。だから安心感を持って一緒のシーンを撮っていました」とほほ笑むと、風間さんは「親戚だと思われていたのかもしれないですけど、扉が半開きのまま着替えようとしたり……それもまた、広瀬アリスの魅力だなと」と笑う。

 ◇「楽しんで駆け抜けた」20代 「いっぱい褒めてあげようと思う」

 本作で新たな一面をのぞかせ、さらなる飛躍をみせる広瀬さんは、今年12月に30代を迎える。ドラマに映画にと八面六臂の活躍を続ける広瀬さんにとって、20代はどのような10年だったのか。広瀬さんは「20代って、たぶん人生の中で一番活発に生きられる年齢だと思っていて。だから『もう駆け抜けよう』と思って。『うわーっ!』と、とりあえず駆け抜けていました」と明かす。

 「いろいろなことを学んだ20代だったかなと思います。死にかけの20代前半から始まり、『もうやめる、もうやめる』と言ってから23歳で朝ドラ(「わろてんか」)に出て、そこからお仕事の流れがなんとなく変わりつつ、でも『もうよく分かんない』って思い……。20代前半と後半では役がすごく変わるな、というのもとても感じました。まず制服の役が一気に減って、子供がいる役が来始めて。役が変わってきたら、また面白みを覚えて……。ずっと大変でしたけど、楽しんで駆け抜けていたし、いろいろな感情を学んだ20代でした」

 そう20代を振り返る広瀬さん。「考えたら、本当にずっと走っていたな、と。だからいっぱい褒(ほ)めてあげようと思って。すごく頑張った10年間、という感じです」と30代を目前にしみじみと語る。

 では、そんな30代を迎える広瀬さんへのアドバイスは? そう風間さんに聞くと「どんな花が咲くか、分かるのは何年後かなので振り返ってみないと分からないんですよね。これだけの20代を過ごしてきたので、今、広瀬さんには、お花畑が完成するくらい種がいっぱいあると思うんです、たぶんとんでもない量の。そして、大輪の花を咲かせるのが30代、40代になるんだろうなと思うので、それを『わー』と見ています」とほほ笑み、最後に「“お兄ちゃん”としては、体調(に気を付けてほしい)です。本当にこの人、(体調は)関係なしに走っちゃうので。今も走り続けている途中なので、休んでいただきたい次第ですね」と温かい目でアドバイスを送っていた。

 ドラマは7月7日から日曜午後10時にWOWOWプライムで放送。全5話で第1話は無料放送。WOWOWオンデマンドでは第1話放送終了後、全話一挙配信。

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