北村一輝:ライバルは「ドカベン」? 寡黙な食堂店主と若者の手探りの交流を描いたミニドラマ「おっちゃんキッチン」TVerで配信スタート

TVerのミニドラマ「おっちゃんキッチン」で主演する北村一輝さん
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TVerのミニドラマ「おっちゃんキッチン」で主演する北村一輝さん

 俳優の北村一輝さんが主演するTVerオリジナルのミニドラマおっちゃんキッチン」の配信が9月6日にスタートした(全12話で毎週金曜に新エピソードを配信)。KDDIとTVerのコンテンツ共同制作プロジェクトの第1弾で、横型動画をTVerで、縦型動画をTVer公式SNSで、それぞれ視点の異なるストーリーを無料配信する新たな試みの作品となる。主演の北村さんに話を聞いた。

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 ◇バラエティー制作チームとの撮影に「勝手が違うのが楽しくて新鮮」

 今作は、北村さん演じる“おっちゃん”の食堂で、決めぜりふ「おまち丼(どん)さま」と提供される丼グルメを食べながら、自身の悩みを語る若者の姿や、無口な店主が若者との手探りなコミュニケーションを通じて自身のアップデートを目指す姿を描く。

 北村さんは、今回のオファーを受けて、「『おもしろそうだな』という思いと、時代が変わる中で自分も『新しいジャンル、新しいことに挑戦したい』という気持ちがあったので、ぜひ参加したい」と思ったという。「特に『普段はバラエティーを制作されているチームがこのミニドラマを担当される』という点にも一番興味がありました。実際に撮影に入ると、やっぱり映画やドラマの現場と、バラエティー制作の考え方や進め方とでは勝手が違うのが逆に楽しくて新鮮で、手探りの状態でできるっていうのもすごく好きなことで、楽しんでいます」と話す。

 演じる“おっちゃん”の魅力は「おっちゃんは無言です。『猫侍』(2013年のドラマ)とかやりましたけど、(寡黙な演技は)そんなに簡単じゃないんですね。若者の話を聞いて、会話のない娘にも気を取られながら、一つずつ近づいていくような。最終回にちょっと面白くなって全員を裏切るような話に持っていけたらいいなとは思ったんですけどね」と楽しそうに語る。

 ◇「あと5キロぐらい痩せたい」と丼ものはなるべく避ける?

 寡黙な中年男性のグルメドラマというと「深夜食堂」や「孤独のグルメ」などが思い浮かぶが、意識するかと聞かれると「いや、しないですね。むしろ、自分の過去の作品とあまりかぶりたくないなというのがあったり」といい。「僕の役は野球のバッテリーでいうとキャッチャーで、毎回違うお客さんがぶつけてくる愚痴や意見を、ただただ受け止める。だからライバルって言ったら『ドカベン』かな」と笑う。

 料理については、「最近やってない」といいつつ、「何でも作るんですよ。嫌いじゃないので。多分、全ジャンル作れます」と胸を張る。

 「好きで子供のお弁当もずっと担当していました。すぐ作れるように素材を全部タッパに入れて分けておくようなタイプ。時間かけたくないのでとにかく食べたいときに5分以内に作れるものが多いです」という。

 “おっちゃん”は丼ものを提供するが、「実は丼ものはなるべく食べないようにしてるんです(笑い)。今はかっこよくなろうと、あと5キロぐらい痩せようと思って、なるべく炭水化物をとらないように頑張ってる次第です」と明かす。

 ◇若者の“本音”が描かれる

 横型と縦型で見られる新しい見せ方については、「僕は海外の縦型ドラマにハマって『課金しようか』とか考えたりするタイプ(笑い)。すぐハマるんですけれど、今作も続きをすぐに見たくなるようなものになればいいなと思っています」といい、「役者としていろいろなお芝居が試せるので、もし僕が若い頃にこういう作品があったら楽しかっただろうなと。結果的に(番組が)面白くなきゃいけないとは思いますが、若い俳優さんにもどんどん楽しんでやってほしいなと思っています」と語る。

 最後に作品について、「若者の“本音”が描かれる作品になっていると思っています。何かを否定したいわけではないけれど、言論の自由があるようでなかったり、生きづらさを感じるようなこの時代に一番言葉を発したいのは若者だったりすると思うんです。だからこそ、僕は若者の言葉がすごく重要だと思っていて、そこには間違いがあるかもしれないけれど、そもそも“正解”だけが良いものなのか。勢いであったり、何か考えさせられるものもあると思うので、そういう言葉を僕も引っ張り出したいなと思っています。“今の時代の本音”が見えるミニドラマになると思うので、若者の本音を知りたい方にはぜひ見ていただきたいです」とメッセージを送った。

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