土屋太鳳:日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」共演者は“幼なじみ” 「みんな大人になったねという感じ」

ドラマ「海に眠るダイヤモンド」に出演する土屋太鳳さん(C)TBSスパークル/TBS
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ドラマ「海に眠るダイヤモンド」に出演する土屋太鳳さん(C)TBSスパークル/TBS

 10月20日にスタートする、俳優の神木隆之介さん主演のTBS系日曜劇場海に眠るダイヤモンド」(日曜午後9時)。明治の初めから戦後の高度成長期にかけ、石炭採掘で発展した長崎県・端島と現代の東京を舞台にした愛と友情、家族の物語だ。端島にある鷹羽鉱業の職員の娘・百合子を演じる土屋太鳳さんに、今作への意気込みを聞いた。

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 物語は、戦後復興期から高度経済成長期の「何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代」と、現代の「一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代」を描くエンターテインメント。脚本・野木亜紀子さん、監督・塚原あゆ子さん、プロデューサー・新井順子さんの「アンナチュラル」チームによる注目作となる。

 --台本を読んだ感想をお聞かせください。

 愛情と願い、祈りが感じられました。また責任感や覚悟が、物語をぐっと支えているような印象です。華やかさはもちろん、ユーモアのさじ加減も素晴らしくて。台本を読むだけでそれぞれの役に感情が入っていく感覚です。

 実際に端島を訪れた際には、「ここに人が住んでいたんだな」と人間のパワーを肌で感じました。テーマは一見壮大のように思えますが、当時端島に住んでいた方々にとっては日常でもあります。そこには家族愛があって、友情があって、仕事の苦しさがあって……それは今の私たちと同じ。なので身構えずに観ていただけたらと思います。

 --百合子の役柄の魅力を教えてください。

 まだ多くは話せないのですが、百合子は時代の象徴的な傷を負っているキャラクター。たくさんの方々が同じ境遇で苦しまれてきたのだろうなと切に感じながら演じています。

 心に傷を負っているからこそ、人一倍明るく生きている。普通は他人に自分の感情をそんなに見せようとしないと思うのですが、百合子は自分の大切な人には心を開く、とても人間らしくて愛情深い女の子です。朝子(杉咲花さん)に少し意地悪をしてしまう一面もあるのですが、好きの裏返しなのではないかなと思いながら演じています。

 --主演の神木さんの印象は?

 初めてお会いしたのは17歳くらいのときで、私自身も神木さんが声優を務めたり、出演した作品を観て育ってきた1人です。たくさんのキャリアを積まれている方なのに、変わらずすごくナチュラルなたたずまいでいてくださって。

 実は、さっきも神木さんに「どうしてそんなに自然体なの?」と聞いちゃいました(笑)。おかげで撮影現場の空気は柔らかくて。もちろんシーンに対しての緊張感はありますが、一緒に難しいニュアンスの演技に挑むときは、神木さんから「こういう言い方はどう?」と提案してくださることもあるんです。

 --他の共演者の方はいかがですか?

 幼なじみを演じるのは、これまで共演したことがある方々なので、出演が決まった際はすごくうれしかったです。杉咲花ちゃんとは、花が14歳くらい、私は17歳くらいの頃に出会っているので「たおっち」と呼んでくれているほど。なので、幼なじみはこういうことだなって思いながら、お互い現場ではのほほんと話して過ごしています。

 賢将役の清水(尋也)くんは、いい距離感で賢将としていてくれています。多分みんな本当はおしゃべりなのですが、学生のようなわちゃわちゃした感じはなく、ほどよく静かで「みんな大人になったね」という感じ(笑い)。昔の撮影のときとは雰囲気がまた違います。

 --本作では各地でロケ撮影も行われているようですね。

 さまざまなロケ地にお邪魔させていただいているのですが、久しぶりにこんなに長く広い空を見ているなぁと。自然を見ることができるのでとても心が豊かになりますし、この前は撮影帰りに花火が上がっているのを見ることができました。

 美術部の皆さんの魂がこもったセットでは、時代を感じる一つひとつの小物がすごく可愛いので、そのあたりもぜひ注目していただきたいです。そして、どんな環境での撮影でも、監督の皆さんの演出に助けられています。塚原監督は、役の感情の流れを止めずに走らせてくれたり。

 「チア☆ダン」のときもお世話になった福田亮介監督は、作品の世界にズドンと入れ込んでくださる方。こんなすてきなチームの輪の中に入れていただいて、すごく光栄だなと思いながら撮影を重ねています。

 --最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

 20代最後の年に日曜劇場に戻ってくることができて、とても光栄ですし、うれしい限りです。百合子は物語後半にかけてよりバックグラウンドが見えてくるような役どころ。たくさんの方々が感じてきた思いを、今の時代の人たちに百合子を通して心のバトンを渡せると思うと、すごく緊張しますし、プレッシャーもあります。でも、そのために自分はこの仕事をしてきたのかもしれないとも感じています。

 70年の時間軸の中に、さまざまな要素が詰まっていて、観れば観るほど、噛(か)めば噛むほど味が出てくるような作品になっていますので、ぜひじっくり楽しんでいただけたらうれしいです!

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