土屋太鳳:「百合子の心の傷はあまりに深くて」 「海に眠るダイヤモンド」第4話での演技への覚悟を語る

ドラマ「海に眠るダイヤモンド」に出演する土屋太鳳さん(C)TBSスパークル/TBS
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ドラマ「海に眠るダイヤモンド」に出演する土屋太鳳さん(C)TBSスパークル/TBS

 俳優の神木隆之介さん主演のTBS系日曜劇場海に眠るダイヤモンド」(日曜午後9時)で、鷹羽鉱業の職員の娘、百合子を演じている土屋太鳳さん。一見自由奔放に生きているお嬢さんのように見えるが、過去の出来事からコンプレックスを抱えている百合子は、同じ島で育った幼なじみの朝子(杉咲花さん)に対してなぜか憎まれ口をたたいてしまう。そんな土屋さんの演技に「こんな太鳳ちゃん見たかった!」と話題になっている。新境地を見せる土屋さんが、第4話(11月17日放送)を前に、思いを語った。

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 ◇「百合子、生きよう」と心で呼びかけた

 ドラマは、明治の初めから戦後の高度成長期にかけ、石炭採掘で発展した長崎県の端島(軍艦島)と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、家族の物語。脚本・野木亜紀子さん、監督・塚原あゆ子さん、プロデューサー・新井順子さんのドラマ「アンナチュラル」「MIU404」(同局系)、映画「ラストマイル」チームが手がけている。

 これまでの第1~3話の感想や反響について、土屋さんは「個人的な印象ですが、最近の日曜劇場は、社会の中で人々が生き抜く姿を描く時、『強さ』が印象に残る作品が多かった気がします。私もワクワクと拝見し、時に参加しましたが、今回は物語の矢印が上に向かうのではなく、海を巡る海流のようにじっくりと、思いやりや家族や愛情を通して社会を見つめていて、何かを本気で大切にするということはどういうことなのか、見てくださる方々と一緒に考えつつ育てる作品なのかなと感じています」と6年ぶりの出演となった日曜劇場の印象を語る。

 第4話の台本を読んだときの印象について、 「オファーをいただいた時から、百合子の心の傷はあまりに深くて、ただ真剣に取り組むだけでは表現しきれないのではないかと感じていました。その思いを監督、プロデューサーさん、脚本家さんと話し合い、そのやりとりを通して百合子に出会おうと決めたのです。ですので4話の台本の表紙を開く時、改めて、『百合子、生きよう』と心で呼びかけました。責任と覚悟を持って、百合子を丁寧に生きることだけを大切にしようと思いました」と思いを語った。

 第2話で大型台風が来ても避難せず神に祈る母、寿美子に、百合子が「浦上の上にだってピカは落ちたんだよ!」と言い放ったシーンが反響を呼んだ。寿美子を演じる山本未來さんの印象は? 「凛とされていてストイックな一方で、とてもおちゃめで明るくて、よく笑うすてきな方でした! お母さんと百合子の間には歴史がありますけれど、撮影はクランクインから比較的すぐの時期でしたし、お母さんとのやり取り自体は少ないため、お会いして数回で難しい場面に取り組んだのですが、常に私のことを気遣ってくださり、本番になれば本気で『そこに実在している人』として思いっきりぶつかってくださいました。本当に感謝しています!」と振り返った。

 ◇普段仲の良い杉咲花との気まずいシーン「正直なところつらかった」

 プライベートでも仲が良い朝子を演じる杉咲さんとの再共演について、2人の気まずそうなシーンを撮影して、「杉咲花ちゃんは役者さんとしても人としても大好きだし、普段は何気ないことを話して笑っていることが多いので、もどかしい関係性を演じるのは正直なところつらかったです。役によっては待ち時間を含む日常から距離を離すことが必要な場合もありますが、今回はそれをしませんでした。なぜなら、百合子はもともと朝子が大好きだからです。杉咲花ちゃんの目を見れば自然と気持ちが湧いてきたので、とても安心して撮影に臨んでいました」と友人として、第一線で活躍する俳優同士ならではの絆が感じられる胸の内を明かした。

 最後に、第4話の放送を楽しみにしている視聴者へ向けて、「気持ちとしてはたくさんあるのですが……たくさんあり過ぎて、言葉では伝えきれません。そして、この第4話には、言葉で伝えきれないさまざまなことが描かれ、込められていると思います。百合子を通して、この時代を必死で生きてきた方々への感謝と尊敬と込めました。そして、生きようとなさった方々、生きることができなかった方々への祈りと、2度と繰り返してはならないことへの怒りや願いを込めました。どうか受け取ってください」と締めくくった。

 長崎で8月を過ごすそれぞれが心に抱く思いや、幼なじみたちの確執がひも解かれていき、物語が一気に動きだす第4話。百合子を含む70年前の人々の思いを描く場面に注目したい。

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