ライオンの隠れ家
第7話 ライオンを守るための旅行
11月22日(金)放送分
俳優の片岡凜さんが、神木隆之介さん主演のTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(日曜午後9時)で、いづみ(宮本信子さん)の孫娘で医学部に現役合格した千景を演じている。片岡さんは、9月まで放送されていたNHK連続テレビ小説「虎に翼」での“サイコパス”美佐江や、放送中のフジテレビ系“月9”ドラマ「嘘解きレトリック」での「人形屋敷」に住む品子役でミステリアスな魅力を発揮し、鮮烈な印象を残してきた。今作での千景は「明るい役」だというが、一癖ありそうなキャラクターだ。今作について、また俳優の仕事について、片岡さんに聞いた。(前後編の前編)
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ドラマは、明治の初めから戦後の高度成長期にかけ、石炭採掘で発展した長崎県の端島(軍艦島)と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、家族の物語。脚本・野木亜紀子さん、監督・塚原あゆ子さん、プロデューサー・新井順子さんのドラマ「アンナチュラル」「MIU404」(同系)、映画「ラストマイル」チームが手がけている。
片岡さんは、2003年10月6日生まれ、群馬県出身の21歳。2021年春に開設したTikTokとインスタグラムに投稿した動画や写真が注目を浴び、同年末に芸能事務所「フラーム」に所属。新井さんがプロデューサー、塚原さんが演出を担当した同局系のドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(2022年)でドラマデビューを果たした。
「海に眠るダイヤモンド」の第3話(11月10日放送)で片岡さんが演じる千景が初登場すると、SNSでは「片岡凜ちゃんの存在感すごいよなあ」「石羽で見つかって完全に新井さんのお眼鏡にかなったな!」と盛り上がったほか、千景がホスト狂いで400万円を“売り掛け金”(ツケ)としてホストクラブにつぎ込んでいたことが分かると、「美佐江、またダークサイドに……」といったコメントも見られた。
今回初めて「日曜劇場」枠のドラマに出演する片岡さん。印象に残っているドラマは、「半沢直樹」だといい、「すごく歴史的な枠だなっていう印象があって。両親がよく、私が小さいときに見ていた枠だったのでそこに出演させていただけるということで、すごく光栄だなっていう気持ちです」と語る。
デビュー作の「石子と羽男~」と同じ制作陣の作品に出演することについては、「『石子と羽男~』が、ほぼ初めてのせりふがあるお芝居だったんですけれど、泣いたお芝居をしたときに、すごく楽しいなっていう感覚がずっと体の中に強く残っていたのを覚えています。今回、またご一緒させていただけるということで、とてもうれしかったのと、当時よりもっと成長した姿をお見せできたらなと思いました」と力を込める。
「海に眠るダイヤモンド」の脚本を読んで、「ものすごく壮大なお話だなっていう印象でした。キャストもそうですし、スケールが大きいので、これを映像化するのかとわくわく、楽しみだなってっていう気持ちでした」と語る。
演じる千景に対しては、「新井さんと現場でお会いしたときに、千景の役は『明るく、常にあっけらかんとしていていいよ』と話されていて。千景は、『こう生きなさい』と母(美保純さん)に固められてる感じなのかなって思ってたんですけど、現場に行ったら意外とそうでもなくて、もっとホワーンとあんまり悩みすぎない感じで、そんなに暗くならず、もっと明るくていいんだなっていう印象に変わりました」と現場で変化していった。
とはいえ、千景はただの世間知らずのお金持ちのお嬢さんではなく、現役合格した医大生でありながら、寂しさからか親からの束縛から逃れたいためか、ホストクラブに400万円もつぎ込んでしまうという“一筋縄ではいかない”人物。片岡さんは、ホストクラブには実際に行ったことはないといい、「未知の世界なので、多少調べたりしましたし、そういうところに行く女性は、満たされたいとか、心の穴を埋めたいとかそういう気持ちがあるのかなっていうのは想像していました」と話す。
その上で、「今まで(『虎に翼』や『嘘解きトリック』など)は、内にこもりやすいような役が多かったんですけど、今回はポジティブでいられる役なので、あんまり考えすぎないようにしてましたね。今までのお芝居みたいな感じではなくて、もうちょっとシンプルにしようと、そこは意識していました」という。
「虎に翼」の美佐江のサイコパスな演技には「きれいだった」「怖かった」など「うれしい反響だらけ」だったという。そんな反響に、「うまくだませましたね」とちゃめっ気たっぷりに笑う。「朝ドラの印象が強かったようで、この間“月9”に出演させていただいたんですけど、『来た! サイコパス』って書かれてて(笑)」といい、今作での千景は怪しげな雰囲気ではないため、「また違った私を見ていただきたいですね」と目を輝かせる。
現在21歳。20代では「この年代にしかできない役や作品にいっぱい出たい」と考えている。
「制服を着る役、学園ものや恋愛ものとか、コメディー要素のあるものとか、そういった若いエネルギーが注がれている作品にも出ていきたいです。面白いことが大好きなので、コメディーもやってみたいです」と思いをはせる。
「今までは問題を抱えている役が比較的多かったので、これからは底抜けに明るい役をやってみたいなと思います。コメディー演技はあまりやったことはないんですが、バーッと声を出したり、思いっきり体を使って表現したりするのが、すごく楽しいなって。快感というか爽快感をすごく感じます」と語る。
経験を積んだ上で、目指すのは「唯一無二の俳優」だ。「この役は私にしかできないという俳優になりたいなと思っています。この役は片岡さんに、とオファーが来るような」と理想を掲げる。
「海に眠るダイヤモンド」での“明るい”片岡さんの演技はもちろん、片岡さんのさまざまな表情にこれからも注目していきたい。
片岡凜インタビュー後編「海に眠るダイヤモンド」主演の神木隆之介から学んだこと いづみの正体を知って「1話から台本を読み直した」
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