柄本佑:剃髪姿にご満悦「できたらこのままがいい」 「光る君へ」地毛剃り落した“出家シーン”は 「一気にグッときて」

大河ドラマ「光る君へ」で藤原道長を演じてきた柄本佑さん (C)NHK
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大河ドラマ「光る君へ」で藤原道長を演じてきた柄本佑さん (C)NHK

 吉高由里子さん主演の大河ドラマ光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で、藤原道長を演じてきた柄本佑さん。第45回(11月24日放送)では、道長が出家する姿が描かれたが、昨年5月末のクランクインから約1年半にわたって伸ばしてきた地毛を剃り落した柄本さんは、剃髪姿について「究極に快適で、できたらこのままがいい。長い髪への寂しさもないです」とご満悦の様子で語る。そんな柄本さんに、残り3回となったドラマと道長について話を聞いた。

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 ◇道長は賢子が娘と「気づいていなかった」

 第45回では、自分に代わって摂政となった嫡男・頼通(渡邊圭祐さん)を独り立ちさせたいとの思いから出家を決意した道長。その前には、まひろ(吉高さん)から「旅に出る」と告げられると共に、賢子(南沙良さん)の父親が道長であることを打ち明けられていた。

 果たして、それ以前から道長は賢子が自分の娘であると分かっていたのか。その点について、柄本さんは「気づいていないです」と話す。

 第45回の同シーンに至るまでの過程で、道長が「実は気づいているんじゃないか」と視聴者側が感じたとしても、現場での柄本さんのスタンスは「道長は気づいていない」で一貫していたという。

 「賢子に関して、自分でもいろいろ気づくだろうと思ったり、なんかちょっと『あれ?』となったりもするのかなと思っていたのですが……。チーフ演出の中島(由貴)さんからは『道長はとにかく気づかないよ』と言われていまして、だから気づいてないです。撮影のときはそういった感じだったのですが、音楽やカメラアングル、編集で(印象って)変わるから、出来上がったものを見てみたら、案外『そこまで気づいてない感じもしない』と思ったりもしたのですが、とにかく道長は気づいていなかった」

 賢子の件に限らず「ドラマを見られる方がどう見るか、その辺は自由に受け取ってもらえたら、と思っていました」とも明かす柄本さん。道長の“二人の妻”に関しては、倫子(黒木華さん)は「仕事仲間」で、明子(瀧内公美さん)は「仕事に疲れた後のオアシス」との位置付けだった。

 「だから倫子との間にいざこざがあって、明子のところに行くけど、明子のところでもいざこざがあって、結局は内裏で寝泊まりする。どちらにも行かなくなるっていう(笑)。この作品の中で道長は、どちらにも向き合っていないんです。これはまずいな、とは思うのですが、台本がそうなっているからしょうがないですし、とにかく演出の方々から言われていたのは、そのことに関しても『道長は気がつきません』と。だから、少年のような、天然のような、道長さんが持つおおらかさが、そこら辺につながればいいなと思っていました」

 ◇「とにかくまひろ」の道長 クランクアップ後も終わった実感なし

 そんな道長ではっきりとしていたのが「とにかくまひろ」で、「対まひろか、その他大勢か」という姿勢。

 「そういうふうに目論んで脚本の大石(静)先生は書いていらしたでしょうし、まひろが内裏に上がってからですが、台本にもト書きで書いてあったんですね、『道長はまひろとのことになると周りのことは見えなくなる』と」

 だから道長の出家は、まひろの“旅立ち”とは無関係ではないというのが柄本さんの見解だ。

 「まひろがいなくなってから、わりとすぐに出家しているから、そうとしか思えないですよね。倫子には出家の理由を『休みたい』と言っているのですが、『とにかく疲れ果てた』と。まひろがいなくなったショックや政治的なこともあって『休みたい』というせりふに行きつくのは、大石先生に、地に足がついた決して立派じゃない道長を作っていただいた感じでして、すごくいいな、すてきだなって思いました」

 約1年半にわたる撮影期間の一つの象徴でもあった長い髪を、撮影で実際に剃り落した出家シーンは「不思議な体験」と振り返る。

 「髪が降ってきて手の甲に当たった瞬間から、一気にグッときて、剃っているんだ、髪がなくなっていっているんだって、触覚で実感したというか。作品の中でやれるってことが、とても不思議な感じでした」

 すでにドラマはクランクアップしたが「まだ実感がない」のが正直な気持ちだ。

 「どこかで終わりたくないというのもありますし、放送が残っているので、正直なところはまだ終わってないなって。現場が終わっているさみしさはあるのですが、まだ続いているなって感じはあります」

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