冬のなんかさ、春のなんかね
第1話 主演・杉咲花×監督/脚本・今泉力哉
1月14日(水)放送分
今田美桜さんが主演を務める連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、柳井嵩(北村匠海さん)の弟・千尋を演じている俳優の中沢元紀さん。第54回(6月12日放送)では、海軍の士官となった千尋が嵩と小倉の旅館で再会し、本音をぶつけるシーンが描かれた。中沢さんがこの場面にどのように向き合ったのか、話を聞いた。
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第54回では、嵩が入隊して3年後の夏。久しぶりに会った千尋は、海軍の士官になっていた。ショックを隠せない嵩に、千尋は海軍予備学生に志願したことを説明する。「もう後戻りはできん」と淡々と話す千尋は、嵩にある古びた手帳を渡し……と展開した。
海軍予備学生に志願した千尋の心情について「すごく理解できる」という中沢さん。「千尋はずっと空気を読んで生きてきた人物なので、他の学生から『俺も志願する。お前はどうなんだ?』と聞かれたら、時代背景もありますし、千尋としての信念はありつつも志願する方に行くだろうなと。千尋を演じてきた中で自然な流れだと感じたので、あまり疑問は浮かばなかったです」と語る。
幼少期は体が弱く、兄の陰に隠れるような弟だったが、大きくなるにつれ、家族思いで優しく、文武両道の青年に育った千尋。中沢さんは「小さい頃から我慢することが多く、あまり自分の気持ちを表現しなかった千尋が、隠していたのぶさん(今田さん)に対する恋心や、『戦争がなかったら……』という思いを、第54回で吐き出しました。嵩に初めて全てをぶつけるシーンなので、全部出し切ろうという思いがありました」と振り返る。
「匠海さんと2人で綿密に話し合って作り上げたシーンではなく、本当に少ない準備で本番を迎えました。最小限の打ち合わせのみで、お芝居のことはあまり話してないんです。匠海さんが嵩として全て受け止めてくれるだろうという思いもあったので、動きや目線、カメラワークのことは話し合いつつ、その場で生まれるもの、爆発力を大切にしました」
実際に放送されたシーンでは千尋は泣いていなかったが、「涙を流した方が良かったのか、本当にこれが100パーセントだったのか不安はあります」と吐露する。
「テストの時はボロボロ泣いていたので、どっちが良かったんだろうって。そんな僕に、匠海さんが『監督にもう一回お願いする?』って聞いてくださいましたが、結局、監督がOKしたものが全てだと思うのでやり直しはしなかったんです。兄弟として別れるのであれば、千尋は全てをぶつけているから涙が流れるでしょうし、軍人として会うのであれば、涙を流さず『いってきます』と言うんだろうなと。意識はしていませんでしたが、自然と涙を流さない演技になりました」
海軍の士官となり、駆逐艦に乗ることになった千尋が、どのような運命をたどるのか。今後の展開から目が離せない。
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