ばけばけ:新生活に戸惑うトキやヘブンら 誰の悩みに視聴者は最も共感した? 第96回を注目度データで振り返る

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第96回(2月16日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時11分の69.83%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇新生活に戸惑うトキやヘブン

 第96回は、熊本に引っ越した、トキ(高石さん)とヘブン(トミー・バストウさん)の新生活の模様が紹介される。司之介(岡部たかしさん)やフミ(池脇千鶴さん)のほか、松江からついて来た丈(杉田雷麟さん)、正木(日高由起刀さん)、永見(大西信満さん)に、女中のクマ(夏目透羽さん)を加え、松野家は大所帯になっていた。新天地で充実した生活かと思いきや、家族は初めての女中との生活に戸惑いを隠せない。

 テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、序盤と中盤に3回の“山”を作り、最高値を記録することが多い終盤に下がってしまう珍しいパターンとなった。

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 ◇熊本に錦織はいない!

 序盤の“山”は、朝食に出されたレンコンの煮物に文句をつけた司之介が、女中のクマに皿ごとレンコンを引き上げられてしまう午前8時3分台の67.2%。熊本でレンコンと言えば、辛子レンコンだろうと、どうでもいい司之介の“いちゃもん”に、真面目で融通がきかないクマは怒ってしまったというわけだ。朝食はパンの洋食だが、シジミ汁を飲みたいと注文したトキが、パンとシジミ汁が合うか試してみるという場面に続く。熊本で新生活を送るトキやヘブンらの朝の風景だ。「ばけばけ」らしい、一見どうでもいい会話のやりとりだが、おそらく第20週はクマの“性格”が家族に波紋を広げていくのだろう。

 序盤の“山”が、トキや司之介、フミら松野家の家族が、熊本の新生活に今一つなじめていないという場面だったとしたら、次の“山”に当たる午前8時9分(67.4%)は、ヘブンの新生活への違和感だ。午前8時9分は、勤務する第五高等中学校で寒さに耐えかねたヘブンが、同僚の英語教師、作山(橋本淳さん)に「ストーブ、ツケル、シマセンカ」と頼むが、「そしたらご自分で。マッチの場所、ご存じですよね」。合理主義者の作山は錦織のように優しくはない。

 続く午前8時10分で、ヘブンは、同じ英語教師のロバート(ジョー・トレメインさん)を相手に「熊本には、日本の古き良きものが何もない」と英語でぼやく。西南戦争の直後で、熊本城も焼け落ち、街は兵隊ばかり。通りがかった作山からは「それでいいんです。今の時代は文明、文化の強化、促進」「その辺、肝に銘じてください」と注意されるが、怪談好きのヘブンには納得できない。ヘブンの違和感が詳しく説明される場面だが、注目度は64%台にまで下がってしまう。

 ◇手まり遊びは禁止 草抜きはOK?

 そこから反転し、午前8時11分がこの日の最高値69.83%を記録した。11分は再び、松野家メンバーに話が戻る。家事から解放され、ひまになったトキとフミは、童謡「あんたがたどこさ」で手まりを楽しもうとするが、クマは「万が一のことがあったら、旦那様に怒られますけん」と手まりを取り上げられてしまう。一方、司之介の草抜きは許されているが、全て抜いてしまうと、やることがなくなってしまうと、司之介は一部の雑草を大切に残している。

 この後、夕食のシーンに移り、司之介はヘブンに「熊本に来てから燃えるようなヒリヒリしたことがなくて、生きとる気がせんでの」「このままだと腑抜けになってしまいそうなんじゃ」とぼやく。ただこの辺の午前8時13分台は58%台まで一気に注目度が低下。そのまま、ほとんど上昇することなく、エンディングを迎えた。

 「ラシャメン騒動」の松江から抜け出し、熊本で平穏な暮らしを手に入れたかと思われたヘブンと松野家だが、どうやら戸惑いだらけの新生活になってしまったようだ。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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