山田洋次監督:48年ぶりブルーリボン賞監督賞 「劇映画は何とか頑張らなければいけない」 「国宝」李相日監督を絶賛

「第68回ブルーリボン賞」の授賞式に登場した山田洋次監督
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「第68回ブルーリボン賞」の授賞式に登場した山田洋次監督

 「第68回ブルーリボン賞」の授賞式が2月17日、東京都内で行われ、映画「TOKYOタクシー」で監督賞を受賞した山田洋次監督が登場した。山田監督が同賞を受賞するのは、1977年度の「幸福の黄色いハンカチ」以来、48年ぶり3度目。

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 「第68回ブルーリボン賞」では、「国宝」(李相日監督)が作品賞を受賞し、山田監督は「監督賞は、本筋なら李君が受けるべき賞なんだろうけど、多分、長い間よく頑張ったという思いを込めて、僕にくださったのだと思います。この年になってもらえるものじゃないだろうと、幸運だったなと。スタッフの皆さんと一緒に喜びを味わいたいです。ありがとうございました」と喜びを語った。

 山田監督は、1966年度に「なつかしい風来坊」「運が良けりゃ」でブルーリボン賞の監督賞を初受賞し、思い入れが「とてもある」賞だという。「60年前は映画に力があった。アニメなんかはまだまだたくさんできていなかった。(2025年は)日本映画の売り上げが上がったというけど、それはアニメーションなんです。劇映画はそんなに元気がないのが事実で、このままじゃいけないという切実な思いがあるわけです。そんな中、賞をいただいたことは、僕たちとって励みになります。これから大変な時代を映画界の人間は経験していく。なんとか頑張らなければいけない、なんとか回復していかなければいけない」と思いを語った。

 李監督の「国宝」にも触れ、「映画というのは、ドラマによって構築されている。ドラマの捉え方が曖昧だと映画も弱くなる。李君の映画は、的確にドラマを捉えていて、柱がしっかりしている。観客の気持ちが揺るがない。(『国宝』は)長い映画だが、飽きずに見られるのは、ドラマの捉え方がしっかりしているから」と絶賛し、李監督を「とても尊敬しています」と語った。

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 李監督は、山田監督の言葉を受け「うれしい限りです」と恐縮しながら、山田監督の作品を見て学んできたと話し、「半世紀以上、映画を作られながら、新しいものに対しても敏感に反応されている。その感性に畏怖の念しかありません」と語った。

 「TOKYOタクシー」は、仏映画「パリタクシー」(2022年)を原作に、東京を舞台に“人生の喜び”を描いたヒューマンドラマ。タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉さん)と高齢者施設へ向かう高野すみれ(倍賞千恵子さん)の“たった1日の旅”が、偶然出会った二人の心と人生を大きく動かす。

 ブルーリボン賞は、在京スポーツ新聞7社の映画担当記者で構成される東京映画記者会が制定する映画賞。主演男優賞を妻夫木聡さん、主演女優賞を広瀬すずさん、助演男優賞を佐藤二朗さん、助演女優賞を森田望智さん、新人賞を渋谷龍太さんが受賞し、授賞式に出席した。山口馬木也さんと河合優実さんが司会を務めた。

 ◇各賞は以下の通り(敬称略)

 作品賞:「国宝」李相日監督▽監督賞:山田洋次「TOKYOタクシー」▽主演男優賞:妻夫木聡「宝島」▽主演女優賞:広瀬すず「片思い世界」「遠い山なみの光」「ゆきてかへらぬ」▽助演男優賞:佐藤二朗「爆弾」▽助演女優賞:森田望智「ナイトフラワー」▽新人賞:渋谷龍太「ナイトフラワー」▽外国作品賞:「教皇選挙」

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