元プロレスラーのアントニオ猪木さんが映画に初主演した辻仁成監督の「ACACIA(アカシア)」が12日、公開された。猪木さん演じる初老の元覆面プロレスラーと、心を閉ざした少年との心の交流を通じて、人と人とのきずなを描いた。男泣きする猪木さんの演技にも注目だ。
ウナギノボリ
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老人ばかりが住む団地で、住人の話し相手や用心棒として、静かに余生を送る元覆面プロレスラーの大魔神(猪木さん)の前に、タクロウ(林凌雅さん)という少年が現れ、2人は交流を始める。母親に置き去りにされたタクロウと、子供を失った大魔神が、親子のように暮らし、本当の家族と再会、過去の痛みを乗り越えていく……という物語。
撮影は、すべて函館の港町で行われ、草原や海峡を望む廃虚などが使われた。大魔神の別れた妻を石田えりさん、新しい家族と暮らしているタクロウの父親を北村一輝さん、タクロウを置き去りにする母親を坂井真紀さん、タクロウに“老い”を教える団地の老人を川津祐介さんが演じる。主題歌は音楽グループ「Every Little Thing」のボーカル・持田香織さんが担当した。
猪木さんはオファーが来たとき「正直、最初はちゅうちょした」というが、辻監督は猪木さんに合わせてプロレスのシーンを盛り込むなど脚本を変更した。猪木さんが演じる大魔神は、息子に十分な愛情を注げなかったことを後悔しながら生きており、8歳の娘を亡くした経験を持つ猪木さんは、泣くシーンで「じいさんとの別れとか娘とか、いろんなことを思いながら感情を出して泣かせていただいた」と話している。(毎日新聞デジタル)
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