マーティ・フリードマン:「ロックの未来を一緒に」新レーベルで新人発掘 ニコ動で募集

新レーベルについて会見を行ったマーティ・フリードマンさん
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新レーベルについて会見を行ったマーティ・フリードマンさん

 米ヘビーメタルバンド「MEGADETH(メガデス)」の元ギタリストで現在、日本で活動するミュージシャンのマーティ・フリードマンさん(47)が23日、音楽専門学校「MI JAPAN 東京校」(東京都渋谷区)で会見し、自身が手がける新レーベルを立ち上げ、第1弾アーティストとしてCDデビューさせるバンドを動画配信サービス「ニコニコ動画」で募集すると発表した。フリードマンさんは「見つけたいのはロックの未来。テクノロジーを利用して新しい時代を作りたい」と意欲をみせ、「新しく融合していかないとロックが死んじゃう気がする」と危ぐした。

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 新レーベルは、大手レコード会社エイベックス・エンタテインメントから09年4月に独立した「ヴァイナル・レコーズ」の4つめのレーベルとして誕生。「HEAVY ROCK」というジャンルに特化し、原則として、フリードマンさんがアーティストを発掘。自信の経験とノウハウを注入し、音源制作に全面的にかかわるという。

 第1弾アーティストの発掘は、オーディション方式で行われ、「ニコニコ動画」への課題曲の投稿で応募を受け付ける。課題曲は、フリードマンさんが07年に発表したアルバム「Future Addict」の収録曲「Simple Mystery」で、特設サイトから各パートのカラオケ音源をダウンロードし、その音源にあわせて演奏した楽曲を「マーティP」のタグを付けて「ニコニコ動画」へ投稿する。9月下旬ごろ、フリードマンさんによる1次審査が行われ、2次審査の課題曲が発表される。2次審査は10月中旬に都内で行われ、フリードマンさんが生演奏を審査して各パートを選出し、バンドを結成する予定。1次審査の締め切りは9月20日午後11時59分。

 フリードマンさんは「面白いバンドをプロデュースしたい。ヘビメタはハイトーンボーカル、早弾き、ツーバスという固定観念を壊したい」と意欲をみせ、「(必要なのは)スタミナとプロ根性。僕は音楽に対してすごく厳しい。僕は妥協しない」とコメント。アドバイスとして「三つのやり方がある。(課題曲の)完全コピー、一部分を変えたりする自分なりの完全コピー、まったくオリジナルの解釈。完全コピーできる人も必要。課題曲を面白く解釈されたら感激する。とにかく自分の得意なことをやってほしい」と話し、「ロックの未来を一緒に作りましょう」と呼びかけている。

 特設サイトでは、ボーカル、ギター、ベース、ドラムの4パートのカラオケ音源を用意しているが、フリードマンさんは「キーボードでもマニピュレーターでも何の楽器でもいい。バンドで演奏してもいい」とし、歌は「日本語でもいい。自分の国語の方が感情が伝わる」と発言。「男女、年齢は関係ない。スタイルやカリスマが大事」と幅広い層からメンバーを募る方針だ。またフリードマンさんは「レーベル名は悩んでいる。優柔不断なんです」といい、この日、レーベル名は発表されなかった。

 フリードマンさんは米ワシントンD.C.出身。メタルバンド「CACOPHONY(カコフォニー)」などに在籍後、全世界で1300万枚以上のアルバム・セールスを誇る米ヘビメタルバンド「MEGADETH(メガデス)」に90年に加入し、ギタリストとして名をはせたが、00年に脱退。04年から活動の拠点を日本に移し、音楽バラエティー番組「ヘビメタさん」「ROCK FUJIYAMA」(いずれもテレビ東京系)などにレギュラー出演し、人気を博した。日本の音楽、アーティストへの造詣は深く、08年にJ-POPについてつづった書籍「い~じゃん! J-POP だから僕は日本にやって来た」を発売。炭酸飲料「ファンタ」(日本コカ・コーラ)のCMに5人組ロックバンド「FANTA」のメンバーとして出演している。

 会見の模様は「ニコニコ動画」で生放送され、特設サイトからタイムシフト機能で一度のみ視聴できる。会見には「ヴァイナル・レコーズ」の新レーベル担当・中森章夫さん、ニコニコ動画のプロデューサー「齋藤P」さんも出席した。(毎日新聞デジタル)

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